■ビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソンさん死去 「サーフィン・USA」など米国を代表するロックバンド
(TBS NEWS DIG - 06月12日 04:00)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=266&from=diary&id=8347038
ビートルズのラバーソウルに影響を受けたブライアン・ウィルソンがペットサウンズを作り、
ペットサウンズに影響を受けたビートルズがサージェントペパーズを作った。
近代ポピュラーミュージックはブライアン・ウィルソンなしでは成立しなかっただろう。
ビーチ・ボーイズの音の要。
ベンチャーズのようなサウンドに近いサーフミュージックだった最初期の活動を経て
3枚目のアルバムからはブライアン・ウィルソン自らプロデュース。この時まだ21才だ。
商業的な活動に嫌気がさした頃、内面的な心情を描いたペットサウンズをリリース。
それまでの印象とかけ離れた作風のため発売当初アメリカでは売り上げが伸びず、
今では名盤中の名盤として扱われるペットサウンズだが、評価されるまでにかなり時間がかかった経緯がある。
俺は2000年代に初めて聴いた後追い世代だけど、
正直 最初に聴いた時の感想としては「良いんだけど、そこまで良いか?」って感じだった。
世界的に史上最高のアルバムランキングとかでいつも1位とか2位とかに選出されてたのでなんか期待外れだったのと、
「ここまで評価されてる物を理解できないなんて悔しい」って気持ちになった。
洋楽ファンあるあるだと思うんだけど「理解できるまで何万回も聴く」という作業で、本当に良いと思えるまで何年も費やした。
そんな個人的にも思い出深い1枚だ。
ブライアン・ウィルソンは次のアルバム スマイルの製作に取りかかるも、「ペットサウンズ以上の作品を作らなければならない」という重圧によりノイローゼを発症。
酒とドラッグで混乱状態の中、作曲に行き詰まりスランプに。
奇行を繰り返しメンバーとも対立。
そして次作アルバム「スマイル」の発売は中止に。
そこからバンドの活動は停滞しつつ70年代は低空飛行。
88年には精神科医の影響下でソロアルバムを発表。
奇しくもこの年にブライアン・ウィルソン以外のメンバーによってリリースされた、映画カクテルの主題歌「ココモ」が、22年ぶりに全米1位。
メンバーの死などを経て レコーディングできなかった多くの作品を完成させ、2004年にやっと37年ぶりに「スマイル」を発売。
少しずつメンバーと和解して、去年2024年には現存する5人が集結するドキュメンタリーも公開された。
天才が故の凄まじい人生だ。
複雑なコードや聖歌隊のように美しいコーラスワーク。
ギターとピアノを1つの楽器と捉えて新しい音を発生させたり、サビ前で転調させたりという発想は今では当たり前のように使われるが、
アカデミックに音楽的な教育を受けた人には思いつかない 云わば「素人芸」だからこそ生まれた発明だったと評される。
犬の鳴き声や踏切の効果音を使い、フィル・スペクターのウォールオブサウンドからの影響も見られ、最先端の実験音楽によってカルチャーの発展に貢献してきたのがわかる。
人生に豊かな音楽をありがとう、ブライアン・ウィルソンを尊敬します。安らかにお眠りください。
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