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2025年02月21日11:55

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緊迫する中東情勢2025(2) 1月19日に発布された停戦協定後の行方 双方人質や収容者の解放へ イスラエルのヘルツォーグ大統領の演説 普遍的裁判管轄権 トランプ大統領のガザ所有発言 

現地時間1月15日、カタールのドーハにて、イスラエル政府とイスラム教スンニー派組織ハマスとの間で停戦協定がまとまった。双方合意内容に従い、ハマスは段階的に人質を解放する。イスラエルの方も収容したパレスチナ人を釈放する。停戦協議後の行方と共に、レバノン南部ヒズボラとイスラエルの動きもみていく。

 以下関連日記

�〜芦鵝�2025年1月16日付 タイトル略称「1月15日にガザ紛争の停戦協定が結ばれる」
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1989218884&owner_id=32437106

�∨楾涜�2章で取り上げる裁判の普遍的管轄権に関する日記

2024年2月1日付 第3章 ヤジディ教徒の弾圧事件より
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1986879033&owner_id=32437106

目次
・第1章 停戦協定が発効する
・第2章 イスラエルとハマスの間の亀裂 ヘルツォーグ大統領の演説
・第3章 米国のガザ所有について 連帯意思を示すアラブ諸国
・第4章 頓挫する停戦協議 仲介国の交渉力
・第5章 ヨルダンと日本の関係 ミュンヘン国際会議


  第1章 停戦協定が発効する。

 カタールのドーハで停戦協定が成立した後も、ガザ地区では断続的に空爆が続いていた。数時間後に北部ガザシティの空爆で少なくとも18名の命が失われた。翌16日のことだった。ハマス側は、イスラエル軍が人質の拘束場所を攻撃したと、訴えた。パレスチナ通信によると停戦合意の発表後に77人が死亡した。
 ハマスのカッサム旅団は、詳しい被害地域を伏せているものの、解放予定の人質が収容されている場所だと主張した。イスラエル軍の攻撃意思をそぐ狙いは明確だった。

1月18日、イスラエル政府は、ハマスとの間で結ばれた停戦協定を承認したと明らかにした。カタールの外務省報道官は18日、合意の発効時間は19日午前8時30分(日本時間午後3時30分)だとSNSに書き込んだ。合意内容に従い、ハマス側は19日以降、初めに33人の人質の身柄を解放する。イスラエル側は、19日午後4時以降にパレスチナ人の囚人を釈放する。

 ハマスは、解放する人質の選別に難航したのか、提出リストの期日より3時間遅れた。履行を迫ったイスラエル軍は、ガザ北部への空爆を実施した。AFP通信によると少なくとも19人が死亡した。イスラエル軍は19日夕方、24歳から31歳の女性3人が、ガザ地区の赤十字国際委員会に引き渡されたと発表した。3人は2023年10月、ガザに近いイスラエル南部でハマスに連れ去られた。人質の解放は23年11月に戦闘が一時休止して以来となる。イスラエルの方も約束を守った。19日付けで、少年と女性を中心に90人の収容者を釈放した。翌20日、刑務所から帰還した人々は、ヨルダン川西岸地区のラマッラにて、数千人の市民から温かい拍手と歓声を受ける。仲介国エジプトによると、軽微な罪で収容された1800人が釈放される予定だと明かした。

 詳細 写真掲載元 2025年1月20日にラマッラで迎え入れられた釈放された人々 撮影者:福島利之 パレスチナ人の囚人釈放 読売オンライン 2025年1月20日付
https://www.yomiuri.co.jp/world/20250120-OYT1T50038/
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双方が約束の第一段階を履行したことを受けて、1月20日にラファ検問所が8ヶ月振りに開放された。エジプト当局によると、330台のトラックがガザへと必要な物資を詰め込んで、地域内に運んだ。期間中は燃料運搬の50台を含め、1日600台がガザに入る。

 続く1月25日、双方の人質解放第2段階が始まった。ハマスは、19歳から20歳の女性兵士4人を隔離施設から連れ出し、赤十字国際委員会を通じてイスラエル軍に引き渡した。ロイター通信によるとイスラエルはパレスチナ人収監者200人を釈放した。ハマスは、第一段階を含めて、人質7人を解放したことになる。停戦協定の合意事項通り、人質の解放人数は間違っていない。イスラエル側は、29歳の女性を優先的に引き渡すように求めていた。兵士より民間人を優先との決まりは、守られなかったことになる。

 イスラエル首相府は25日に、ハマスに警告を出した。「民間人の女性を解放するまで、住民のガザ北部への移動を認めない」

 戦闘再開を危惧するのはハマス側である。イスラエル軍は、民間人を解放リストの優先的にあげないハマスに釘をさした。

 詳細 写真=開放された4人のイスラエル人兵士(出展:AFP通信) 掲載元 読売オンライン 2025年1月25日付 https://www.yomiuri.co.jp/world/20250125-OYT1T50104/
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 停戦合意事項を見守るのは、イスラエルの北に接するレバノン南部を実効支配するシーア派の民兵組織ヒズボラだった。1月26日午前4時、アメリカのホックスティーン特使が仲介に入った停戦60日の期限を迎えた。互いに緊張状態に陥っていた。26日に、レバノン南部へ帰還した現地住民が、ヒズボラの兵隊と間違えられたのか、イスラエル軍の発砲を受けた。15人が死亡、約80人が負傷した。イスラエル軍は24日に、ヒズボラとの戦闘再開に備え、住民へ帰還を禁止していた。つまり、今回の誤って民間人を発砲した行為を正当化したのである。

 双方の間では26日、停戦期間を2月18日まで延長することでまとまった。イスラエル軍は、停戦協定に従いリタニ川以南への撤退、対してヒズボラ側はリタニ川以北へ引き上げる。双方緩衝地帯に入り込んだと非難の応酬を繰り広げていた。停戦を監視する国連UNIFILは26日の声明で「状況のさらなる悪化は避けなければならない」と訴えた。

 レバノン情勢 詳細 読売オンライン 2025年1月27日付
https://www.yomiuri.co.jp/world/20250127-OYT1T50031/

ガザ地区でも、また新たな動きがあった。1月27日にハマスが、民間人の女性を含め、人質3人を解放したことを受けて、イスラエル軍は、ガザ住民の北部への帰還を認めた。初日に30万人が移動したとみられている。ハマス側は、13万の仮説テントが必要と、支援を求めた。

 1月30日、ハマスはイスラエル国籍3人、タイ国籍5人を含め、合わせて拘束していた8人を解放した。一方イスラエル側は収容していたパレスチナ人110人を釈放した。

写真=1月30日に開放された囚人を迎え入れるヨルダン川西岸地区の民衆 AP通信
掲載元 CNN.com 2025年1月31日付 https://www.cnn.co.jp/world/35228890.html
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 実のところ人質解放は当初2月1日の予定だった。1月25日の人質解放第2陣にて、29歳の民間女性がリストから外れたことを受けて、イスラエル政府から合意違反と弾劾されていた。1月30日の人質解放は、ハマスの追加措置とみられている。

 詳細 写真 掲載元 2025年1月30日付 https://www.yomiuri.co.jp/world/20250130-OYT1T50179/
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2月1日、ハマスは、イスラエル人男性3人を解放した。一方イスラエルの刑務所から183人のパレスチナ人が外へ出る。1月19日から始まった双方の間で収容者の解放の第一段階を終えて、仲介国を挟み、第2段階へ向けて協議に入る。

 詳細 読売オンライン 2025年2月1日付 https://www.yomiuri.co.jp/world/20250201-OYT1T50141/

 第2章 イスラエルとハマスの間の亀裂 ヘルツォーグ大統領の演説

イスラエル軍は、確かに着々とパレスチナ人の収容者を解放している。パレスチナ人への敵対意識は変わらない。イスラエル軍は2月2日、ヨルダン川西岸地区ジェニンにて、対テロ作戦を決行したと明らかにした。50人以上の武装勢力を殺害し、100人以上を拘束した。潜伏しているテロリストをあぶりだすため、しばらくは作戦が続くと表明した。軍事作戦の中身は、テロリストが潜伏しているとみられるジェニン難民キャンプの建物23棟を爆破する。数十個の武器を押収し、数百の爆発物を破壊したと、作戦の成果を誇示していた。ヨルダン川西岸地区は、年々イスラエル軍による侵食が進む。抵抗組織が育つ土壌は出来ていた。今なお先の見通しがつかない。

 国際的にもガザ情勢について協議している。年に一度開催されているダボス(スイスの都市名)会議にて、イスラエルを代表してヘルツォーグ大統領が、昨年に続き参加した。停戦協定が発布される前日となる1月18日、演説に望んだ。ハマス側が人質解放をしっかり行えば、停戦期間が延長される可能性はある、と述べた。

写真=ヘルツォーグ大統領 2025年1月21日 EPA時事より 掲載元 JlJl.com 2025年1月22日午前7時20分付 https://www.jiji.com/jc/article?k=2025012200220&g=int&p=20250122at11S&rel=pv
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実のところ、ヘルツォーグ本人は、スイスへの渡航は、自身の身の安全が掛かっていた。2023年10月7日に始まったガザ紛争において、イスラエル軍による民間人を巻き添えにした作戦は、「ジェノサイド」との見方がされている。現に南アフリカは、2024年の頭にICJ(国際司法裁判所)に提訴していた。実際ネタニアフ首相と当時のガラント国防省は、軍事作戦を指導する立場から、逮捕状が出ていたのである。イスラエルは、戦時中に内閣に権限が委ねられる。大統領は国家を代表する立場、人事に一切口出しをせず、静観している状態から、同罪とも見られかねない。ヘルツォーグ大統領も、スイスにて刑事告訴の対象になっているとの情報を掴んでいた。スイス検察は、告発があったかについては伏せていた。スイスの司法では、ドイツと同様、2011年から普遍的管轄権を採用している。自国で犯罪を行っていなかったとしても、国際指名手配者を確保する、または移送されてきた場合、裁判権を行使する。直近では2024年1月15日に、ガンビアのオウスマン・ソンコ元内相に対して、禁錮20年の刑を下した。被告は、独裁者ヤヒヤ・ジャメ元大統領の右腕だった。西暦2000年から2016年にかけて、殺人・誘拐・拷問の罪で訴追された。2016年にガンビアから逃亡し、スイスの首都ベルンの難民申請者収容センターにて、正体が発覚し、身柄を拘束されたのである。1審判決を受けて、被告はただちに控訴した。判決まで2年かかるとみられている。日本は、ICCに加盟しているものの、普遍的裁判管轄権を採用していない。西側諸国では多くの国々が行使している。欧州連合(EU)では、2016年から2021年の間に44%、世界全体では2022年から2024年の間に33%増加した。1949年のジュネーブ条約で規定された殺人や誘拐・拷問などを罰する法律を共有することにより、連帯を示す。国際協調路線に参加する証でもあった。


 詳細 ダボス会議 REUTERS 2025年1月20日付 https://jp.reuters.com/world/europe/WP3PISZWTBMXBHNZBRJX2JKLPA-2024-01-19/
 詳細 スイスの普遍的裁判管轄権について Swissinfo.ch 2024年5月22日付け

 第3章 米国のガザ所有について 連帯意思を示すアラブ諸国

ダボス会議には、トランプ大統領がオンラインの形で参加していた。彼は1月25日に、ガザ地区の破壊により住処を追われた難民について、エジプトとヨルダン王国に受け入れを求めるとの声明を出した。米CNNによると、同日トランプ大統領はヨルダン・ハシェミテ王国のアブドラ国王との電話会談にて、難民移住への協力を要請したとのことである。エジプトのシーシ大統領は1月29日、パレスチナ人の受け入れについて「不正義な行為」と反対した。ケニアのルト大統領との共同記者会見で、パレスチナ問題は「二国間解決」へ向けた和平案が必要と主張した。

 詳細 シーシ大統領の声明 2025年1月30日付 
https://jp.reuters.com/world/europe/WP3PISZWTBMXBHNZBRJX2JKLPA-2024-01-19/

いかに停戦へ繋げていくのか、世界に影響力を持つアメリカのトランプ大統領にかかっている。2月4日、イスラエルのネタニアフ首相との会談を行う中で、唐突に「ガザを所有する」と表明したのである。米国が再建を主導し、ガザ市民の移転を提案した。すでに1月25日に、ガザの住民に対して、エジプトとヨルダンに受け入れを求めていた。ネタニアフ首相も同調する。「撃たれたり、殺されたりするリスクがある場所より、幸せに暮らせる場所が望ましい」と述べた。

トランプ氏の構想では瓦礫と化した地区を更地にし、建物を建てて、リゾート開発をする。ハマスを排除すれば、イスラエルと戦闘は起こらず、米軍が治安維持を担う。地中海の保養地「リビエラ」を模した環境にする。観光収入により、一段と潤いを帯びる。経済的にも安全保障政策的にも合理的だと訴えた。住民のルーツを無視して、強制移住政策は「ジュネーブ条約」に反する。ハマスを掃討しても、他の反シオニストを掲げる武装勢力のテロの標的になりかねない。現に2003年に米国はイラク戦争を起こして、長期駐留した際に、散発的なテロ攻撃を受けていた。米軍の治安維持は、混沌とする中東地域を不安に陥れる。彼の構想は現実味を欠いていた。

 詳細 トランプ氏のガザ所有発言について 読売オンライン 2025年2月5日付
https://www.yomiuri.co.jp/world/20250205-OYT1T50125/

停戦協議の合意内容に従い、イスラエル軍とハマスは、双方拘束者の中から開放する人物を選び出す。ハマスは2025年2月8日の午前中、ガザ中部デイル・アル・バラで人質にとっていたイスラエル国籍の男性3人を国際赤十字に引き渡した。一方イスラエル側は、同日午後に拘束していた183人のパレスチナの囚人を釈放している。1月19日に停戦協議が発布して以降、人質や囚人の交換は5度目となった。ハマスに拘束されていたイスラエル国籍男性3名は、親族の下へと帰還した。拘束前と比べて、大変やせ細っていた。健康状態が危惧される。

一方開放されたパレスチナ人も、故郷への帰還に向けて準備する。釈放が行われたのは複数の刑務所に跨る。その一つ、オフェル刑務所から釈放された収監者たちは、東エルサレムのユデアとサマリア地区へ移った。もう一つのクツジオト刑務所から釈放された人達はガザ地区南部に程近いイスラエル南部ケレム・シャロームへ移送された。刑務所からの自由の身となったパレスチナ人の第一陣は、赤十字が用意したバスで、ヨルダン川西岸地区ラマッラに到着し、待ち受けていた家族や支援者から拍手喝采を受けた。 ハマス運営の収監者メディア事務所によると、2025年2月8日釈放された183人の罪状は、それぞれ異なる。18人は終身刑、54人は長期刑で服役していた。そのうち111人は2023年10月7日以降、ガザ地区で拘束されたという。

詳細 イスラエル人とパレスチナ人の解放 BBC NEWS JAPAN 2025年2月8日付
https://www.bbc.com/japanese/articles/c5yvzmndgr4o

 なお歴代米国大統領で最もイスラエル寄りと自負するトランプ氏は、ネタニアフ首相と、前ガラント国防省に逮捕状を発布したICCに制裁を課した。ICC職員やその家族の米国内の資産を凍結し、渡航を制限した。対象者の名前は非公表、明らかにするか否か、口にしていない。後に、米国時間2月10日付で、制裁者の一人がカーン検察官だと公表した。第1次トランプ政権は、アフガニスタンで戦闘に加わった米兵らの戦争犯罪捜査に携わった当時のICC主任検察官に制裁を科していた。

 写真 掲載元 日経新聞 2024年5月21日付 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB01CXT0R00C24A5000000/
フォト

 先週米国上院議会にて、ICCに制裁を科す法案は、民主党の反対により、否決されていた。新たにトランプ氏が、大統領の権限を行使して、議会を無視し、制裁に踏み切った。中立機関として、法の立場から、国際秩序の安定を目指すICCは、意義を唱える。ICCの赤根智子所長は、2024年12月に、国家による制裁は、機能を損ない、法の平等を守れないと訴えた。

 詳細 トランプ大統領によるICCへの制裁 NHK NEWS ONLINE 2025年2月7日付
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250207/k10014715351000.html

ICC加盟の79カ国・地域は7日に共同声明を出した。「ICCの独立性、公平性、誠実性への継続的で揺るぎない支持を再確認する」

 独善外交で世界を混乱させるトランプ大統領は、ICCへの制裁で、影響力を誇示する。彼の言動によって、大きく動かされていた。

 2月8日付 ハマスの幹部は、イランを訪れ、ハメネイ師と会談した。ひるむことなくイスラエル軍と戦い続けた戦闘員を称え、支援継続を強調した。

第4章 頓挫する停戦協議 仲介国の交渉力

 さて、停戦交渉の第1段階は終了し、第2段階へと向う中、双方の間で亀裂が入りかけていた。ハマス側は2月10日付で、15日に予定されていた3人の人質解放を延期すると声明を出した。1月19日の停戦協定発布後、ハマスは人質計16人を解放した。対してイスラエル側も、のべ760人のパレスチナ人を刑務所から釈放している。ハマスは、イスラエル軍が協定を破っていると非難していた。その理由は、停戦協定発布後も民間人を攻撃したこと、また支援物資の搬入を十分認めなかったことにあると、主張した。イスラエルのカッツ国防省は、協定違反については反論し、軍に警戒態勢をとるように指示を出した。

 ハマスとイスラエルの亀裂 掲載元 NHK NEWS WEB 2025年2月11日午前6時16分 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250211/k10014718931000.html

 イスラエル本国では2月11日に閣僚会議を開く。ネタニアフ首相は、ハマスに予定通り15日に人質を解放しなければ、戦闘を再開すると警告を発した。軍隊にはガザ内と周辺地域に集結させ、圧力を強める。ハマスの出方次第で、ガザの市民が再び危険にさらされる。

 遠く離れたアメリカでは、11日にトランプ大統領のヨルダン・ハシェミテ王国のアブドラ国王との会談が行われた。トランプ氏が主張するアメリカ合衆国によるガザ所有について、アブドラ国王は難色を示した。医療設備が脆弱なガザ地区内から子供2000人を受け入れると前向きに回答した。戦後のガザの再建に当たって、トランプ大統領は「米国は何も購入しない。大切にする」と所有発言を弁解する。後にアブドラ国王は、会談の模様を自身のSNSで投稿した。「2国家解決に基づく公正な平和の実現こそが、地域の安定を確保する道だ。これには米国のリーダーシップが必要である」

 近くサウジアラビアで臨時のアラブ諸国の首脳会議が開かれる予定である。

 詳細 写真掲載元 トランプ氏とアブドラ国王の首脳会談 読売オンライン 2025年2月12日付
https://www.yomiuri.co.jp/world/20250212-OYT1T50034/
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2月13日、ハマス側は仲介役のエジプトとカタールの代表団の説得を受けて、15日に人質を3人解放すると約束した。紛争再開の懸念は一端和らいだ。2月15日に、ハマスは、停戦合意後6回目となる人質解放を行う。午前10時頃ハンユニスで拘束したイスラエル国籍の3人の男性を連れ出した。カメラに写った3人の男性は、無表情のまま、国際赤十字が用意した車に乗り、本国へと帰還する。一方イスラエル側は、刑務所から369人のパレスチナの囚人を釈放した。ハマスに捕らわれていたイスラエルの人質3人は、共通点がある。2023年10月7日のハマス戦闘員の奇襲中にニルオズ・キブツ(農業共同体)にて身柄を拘束され、500日近く隔離された。6回に渡って開放された人質はのべ19人に上る。一方釈放されたパレスチナの囚人は760人に達した。

 詳細 2月15日の人質解放について CNN.co.jp 2025年2月15日18時27分付
https://www.cnn.co.jp/world/35229453.html

 2月16日、米国のルビオ国務長官が、初めてイスラエルを訪問し、ネタニアフ首相と会談した。現在停滞しているイスラエルとハマス双方の身柄拘束者の解放の第2段階へ向けて協議したとみられている。もう一つは、戦後のガザ復興についてである。トランプ大統領の米軍によるガザ所有についても意見を交わした。ネタニアフ首相は、先のホワイトハウスでのトランプ氏との会談において、ハマスの脅威を取り除くうえで、概ね賛成している。トランプ大統領は、歴代最もユダヤ人寄りと公言していた。早くもハマス殲滅を掲げるネタニアフ首相の作戦に同調し、事実上米国の治安維持の必要性を説いた。一連の発言で中東地域は大きく揺れている。

詳細 ルビオ国務長官とネタニアフ首相の会談 NHK NEWS WEB 2月17日午前6時54分 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250217/k10014724501000.html

 第5章 ヨルダンと日本の関係 ミュンヘン国際会議、

米軍のガザ所有をめぐっては、アラブ諸国から激しい批判をかっている。2月14日にミュンヘン国際会議で演説したヨルダンのサファディ外相は、「受け入れ不可能」と表明した。現に同国の人口35%はパレスチナ難民である。再建案についても提示した。「アラブ諸国は一体となって、パレスチナ人を別の土地に移住させることなく、安全保障と統治を確保する計画をまとめている」と説明した。イスラエルには、パレスチナの20年後、30年後について考える必要があると、要望した。

詳細 サファディ外相の演説 Reuters 2025年2月15日 午前7時20分
https://jp.reuters.com/world/us/SGLJIXAJ75OBRBJMREI7OLOKCI-2025-02-14/

 合わせて2月15日午後19時に、会議に出席した日本の岩屋毅氏と40分に渡り、外相会談に臨んだ。岩屋大臣は、イスラエル軍とハマスの両勢力に、停戦合意事項を遵守し、双方拘束者の解放まで見守っていく、と述べた。ガザの人道危機に対して、日本とヨルダンは緊密に連携する必要性を説く。サファディ外相も快く応じ、日本からの難民支援に対して、謝意を示した。

詳細 写真掲載元 日本とヨルダンの外相会談 外務省 令和7年2月15日より https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/jordan/pageit_000001_00002.html
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イスラエル軍とレバノン南部を実効支配するヒズボラとの停戦の延長期限は2月18日に迎える。双方の間で緊迫感が増していた。2月15日付、イスラエル軍は、ヒズボラの航空部隊の基地を空爆したと発表した。レバノン当局によると、死亡者2名、負傷者4名出た見通しである。現在ヒズボラのトップに立つカシム師は、改めて停戦期限前にレバノン国内から撤退を求めた。ロイター通信によると、2月17日付イスラエル軍はレバノン南部で5箇所駐留する決断をした。その理由は、イスラエル国内北部に暮らす住民を、安全に帰還させるためである。ヒズボラとの本格的な戦闘は2024年9月に勃発した。停戦協定が発布した11月26日以降も、イスラエル北部の住民には、引き続き避難を要請していた。イスラエルの報道官によると、駐留地は国境沿いの集落近くか、同国最北部のメトゥーラ市を見下ろせる高地だと説明した。同17日、イスラエル治安当局は20日付けで、同国籍の4人の人質の遺体を引き取り、22日に生存者6人が帰還する予定だと、発表した。あわせて、検問所から重機や仮設住宅の搬入を許可した。

 仲介国であるアメリカは、ハマスを淘汰するべく、イスラエル寄りの姿勢を鮮明に打ち出した。イスラエル国防省は16日、米国から約1800発の2000ポンド(約907キロ・グラム)爆弾「MK84」が、南部アシュドッド港に到着したと発表した。米国の前バイデン政権は、2024年5月にラファへの軍事作戦を反対するべく、武器支援の規模を縮小していた。トランプ氏に代わり、MK84爆弾が9ヶ月ぶりに、イスラエルに供与されたのである。イスラエル国防省は、2023年10月7日にガザで戦闘が始まって以来、米国輸送機678機, 船舶179隻を含め、合計7万6000トン以上の軍需品を受け取ったと公表した。

 詳細 米軍の軍事援助について 2025年2月17日付19時48分
https://www.yomiuri.co.jp/world/20250217-OYT1T50135/

 現在は、人質解放の第2段階に向けて協議が進む。ハマス殲滅を目指すイスラエル戦時内閣とユダヤ人追放を公約に掲げるハマスとの間では、人種や宗教的差別意識により、妥協できない状況である。停戦後のガザの行方について、アラブ地域の枠を超えて、議論の必要性が生じた。トランプ氏のガザ所有発言で、アラブ諸国と米国の間で溝が深まった。今国際社会は、分断が進んでいる。



 

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