小学校ではニコニコ明るく、親に先生が「このまままっすぐ育ててください」と言うほどだったというワシですが、「近所にあるから」という理由で学習塾に通わされるようになってから、それが暗転しましてな。
入った塾は中学受験をすることが前提のそれで、テストの結果、「特進」「特訓」のふたつのクラスに分けられるのですが、ワシは成績が良いほうの「特進」クラスのビリという、なんとも言いようのない位置に収まりまして。
で、このクラスの講師の光山(本名)という男が、とんでもねえ暴力講師で。
カレンダーの金属の留め金を芯に、プリントを何十枚もギッチリ巻きつけてガチガチな「根性棒」なるアイテムを片手に、授業中に指名して問題の答えをたずねた生徒が答えられないでいると「♪た〜けおちゃん、あっそびーましょ」なんて歌いつつ近寄って来て、文字化不可能な怒鳴り声と共に根性棒で机を思い切りぶっ叩くのですよ。そりゃ、小学生の子供はびびって萎縮しますよ。
今でもよく覚えているのは、この光山は依怙贔屓がひどく、自分が板書した文字に間違いがあるのを指摘するのが成績の良いお気に入りの陽キャな女の子だったらばニコニコして「そうかー、あはは」なんて言いつつ訂正するのですが、一度ワシがそれを指摘した途端豹変し、無表情で「おまえ何のためにここ来てんだよ。おまえもう帰っていいよ、帰れ帰れ」と言いつつ根性棒でワシの机の上のテキストや文房具を全部はたき落としましてな。
当時のワシはそれでも教室に残り、授業を受けましたが、今のワシなら「はい、わかりました」と何の躊躇もなく家に帰りますな。でもって、家で光山に何をされたかを話して。
…親にも「間違いを指摘したおまえが悪い、謝って来い」と言われますか。
他にもこの光山、テストの成績が悪かった子を立たせて「歯を食いしばれー!!」の言葉とともに思いっきりビンタをかましていたのです。
今なら「体罰」ということで大問題になること必至。時代だったんですね。
幸いワシはビリは回避したのかビンタをくらうことはなかった…いや、くらったけれど自分の中で無意識の奥の奥の奥にしまい込んで「なかったこと」にしているのか。
で、まあ、成績が悪いもので光山からは完全に邪魔者扱いされていて、小学校では陽キャなのに塾の教室ではド陰キャ、地球に海ができてからこのかた光の全く届かない深海の底に住む名もなき深海魚のようにひっそりしていたワシですが、「女子は全員受けろ」という光山の指示(どうやら、そこの制服が光山のお気に入りだったらしい)のもとに受けた学校に合格してしまい(そして光山のお気に入りの子は落ちてしまい)、本当はもうそんな場へは行きたくなかったのですが、親から「行って来い」と言われたのでしぶしぶ嫌々報告に行ったところ、光山が、口に何か美味しいものでも入っているかのような満面の笑顔で出迎えてくださりやがりましてな。
あれはきっと、合格した生徒の数に応じてボーナスが出たからなんでしょうね。
でもって、「あいつも合格したのは、オレの指導が良かったおかげ」なんてニコニコ思ってやがったんでしょう。
ガッデム!!!!!
でもって、そんな塾での地獄体験のトラウマを引きずったまま、中学ではバリバリの陰キャとして日々を過ごしましたとさ。
幸いなことに、高校で「お絵描きうまいキャラ」として、漆黒の深海にちょびっとだけ、光が差し込みましたが。
■陽キャになりたい人生だった… Z世代の約7割が「陰キャ」を自称
(まいどなニュース - 10月05日 14:10)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=262&from=diary&id=8046216
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