mixiユーザー(id:25105207)

2024年05月19日01:15

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   遮 光


 愛ならば愛とは言えぬ思惑の
   主語をなくした我れ修飾語

 何人も逃れなれない現実を
   あざ笑う神
     生活者なり

 砂という 音のひびきのせつなさに
   さらわれている 海のくるしみ

 限られた永遠のなか見限られ
   我れのたましい何をさぶらふ

 雨音に電話をならす父親に
   つとめて長女を演じて笑う

 にんげんは樹にも鳥にもなれはせぬ
   ひとりが一人をもてあます

 他人の瞳の思考回路に浮き沈む 
    我れの客観 彼の屈折

 日常の虚飾とやらを書き述べて
    虚飾の中に 我れ埋もるる



 
 ※学生時代の短歌「遮光」より 抜粋※





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