歌集『宇宙学』

『宇宙学』



眠る君
君が一番幸せで
ありますように
それだけの吾



思ってたものとはだいぶ違うけど
自分なりには自分になった



君がまだ生きていたならどんなに
考えてしまう　声聞きたいよ



結晶を精密カット　乱反射
　透明が白　白が宝石



そもそもが無から生まれたわけだから
怖くはないよ無に帰るだけ



解き方はわからないけど答えなら
もう知っている「生まれてきた」



銀色の百合が並んだショーケース
みたいな心、あこがれている



巧さとか理論じゃないな
魂だ
命を見たい　とびっきりのを



誕生日。これからもまた芸術を
やってゆくだろ立夏に誓う



運命に対して君は無力だと
教え込まれたクソ暴力に



閃きの枯渇しかけた真夜中に
雨が降り出す　何かのように



考えて考えてまた考える
方法ったってそれしかないよ



はじまりの『ツァラトゥストラかく語りき』
あの日ニーチェにぶん殴られた



疑問符を放置できなく仕方なく
「どこに希望は売っていますか？」



変な人、ロボットかよと笑われて
ロボットなのに胸が潰れた



人間になりたかったと告げた時
はてなマークのかおかおかお



閉ざしてたわけじゃないんだ
独りだけ別の宇宙の部分結合