ゴジラxコング 新たなる帝国

　賢明なる読者諸氏は、うちの小四男子が齢二才にして劇場でシンゴジラを観て以来のゴジラファンであることをご存知であろう。
　以来、すべてのゴジラ映画を見るのは当然の人権だと思い込んでいるうちの小四男子、今回のコング対ゴジラも楽しみにしていた。
　公開されたゴジラとコングが二人並んで逃げてるシーンを見て、「あの二人があわてて逃げ出す怪獣ってなんだと思う？」と討論の結果、庵野監督が顔出しでやってるウルトラマンだろう、ということで意見の一致をみたこともある。
　で、ゴールデンウィークを前にゴジラ対コング、新たなる帝国（以下ゴジコンと表記）が公開された。
　ネットでネタバレ喰らうのもいやなんで一刻も早く行きたい。４月２９日月曜日にやっと行ける、ってんで、札幌のシネコンに予約掛けて行ってまいりました。
　ロビーの発券機で予約したチケット発券してるうちに、うちの小四男子は一目散に売店に駆けていった。ほどなく戻ってくる。
「ネタバレあるから売店行っちゃ駄目！」
　そりゃありがとう。たぶん、新怪獣の形がわかる商品があるんだろうが、やっぱり新怪獣出るのか。
　そして、本編。以下、よーしゃなくネタバレです。ネタバレなしで見たい方は本編見てからのチェックをおすすめします。
　かいじゅーえーがにネタバレなんかあるのかって？ああ、ゴジラとキングコングが敵怪獣と戦う、以上の興味がなければどうぞ読み進めて下さい。







　本編は前回、ゴジラとキングコングがこのシリーズで初共演してメカゴジラも出た前作の素直な続編。
　ゴジラは地球の守護神として危ない怪獣が出てくると駆けつけて倒す。キングコングはゴジラの探知を逃れるためにドームにいたんだが、今は巨大な地下空洞にいる。
　この地下空洞、たぶん地球空洞説ネタなんだが、　光の供給源が謎で、あと重力も天井側と地上側で同じように働いている、その割に頭の上は青空になっている謎の地下空洞で、謎の地震のような現象のあと地下空洞探査基地がなにものかに襲われる。
　虫歯が痛いコングは自分から地上に出て来て虫歯治療してもらう。上顎左の牙が虫歯なんで、ロケット動力の垂直離着陸輸送機、スカイクレーンのロケット版みたいなのでロープ降下してきた何でも屋の獣医師に全身麻酔されて簡単に抜歯、鋼鉄みたいな色の義歯（つってるけど差し歯かなあ、根っこまで抜いてたからインプラントじゃないしなあ）で治して貰って自分で帰る。
　以下まー細かい展開は省略しますが、今回はキングコング主役で話が進む。予告編にも出てくる子供コング（でも身長４５メートル）と、未踏破域に封じられてた巨大猿人族（コングがゴリラなのに対してチンパンジーかと思ったが、同族設定らしい）の悪の親玉と戦う。
　往年の東宝ゴジラ映画みたいに、怪獣が吹き出しで喋ることはない。映画の基本に忠実に、怪獣同士の意志の疎通は画面で語られる。なもんでこの子供コングの名前がわからず、おさるのジョージかなーとか思ってたんだが、帰宅後に各方面調べてみたらスーコという名前ですって。

　いやー怪獣映画。全編、怪獣プロレスが続く怪獣映画。このいっぱい戦いを見せてくれる感じ、大人向けお子さまランチのフルコースというか、東映まんがまつりのようだ、ってツイートしたら「そこは東宝チャンピオンまつりと言って欲しかった」それだ！
　なんせレジェンダリーのゴジラシリーズ見に行くんだから、こっちが期待するのは怪獣映画である。それが、こちらの期待通りの物量と規模で大画面に展開されるんだから、それも本編一一五分に渡ってたっぷり繰り広げられるんだからもーお腹一杯になります。
　こうだったらよかったのにというのは一個所。
　モスラを呼び出すのは双子であって欲しかった。そうよねー、コングと交感する少女一人だけじゃなくて、地下民族にそっくりな少女もうがひとりいるとか、モスラを甦らせる場所に鏡のように映る結晶があってそれで二人で祈ってるように見えるとか、そんなんでいいのに。
　吹き替え版だったからか、本編エンディングクレジットのあとに日本語吹き替えキャスト紹介の日本オリジナルエンディング曲付きが流れた。てーことは字幕版と吹き替え版で上映時間数分違うのかな。
　エンディングクレジットあとにオチでもあるんかなーと思ってたんだが残念ながらそれはなし。予告はなかったが次のチャンピオンまつりも楽しみである。

　ところで、企画時のタイトルは「コングの息子」だったんですって。なるほどーと思うついでもうひとつ。息子、ムスコ→スーコって名前になったんじゃないか？