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2024年05月01日22:30

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物流危機に対する私案

フォト

先ず私が観光バスを運行した時のデジタコの記録を説明します。写真をご覧下さい。
一番上の赤い線は時速105キロを示していて、高速道路の最高速度を100キロに設定して、5キロ以上超過すると減点対象になる。という事で、普通は一般道は60キロで、やはり5キロ超過は減点されるのです。
大型トラックなら、高速道路80キロで一般道は50キロ。やはり5キロの超過から減点対象になる。と思います。
この日は会社から渋谷の配車で、高樹町から高速に乗り、向島線で浦和、そして東北道矢板に送る仕事でした。
東北道に入ってから、佐野から栃木まで、上り坂とかなりきついカーブが続きます。それを把握して見て下さい。
同じ速度で走行する事を定速運転と言いますが、それを確実に実行しています。それが青い線で記録され、下の赤い線はエンジンの回転数を表しています。
私は定速を102キロに設定していましたから、100キロの線より少し上に青い線が有ります。そして、数回速度超過をしていますから、この日はB の判定をされています。
現在では、国交省もデジタコの装置を推進していますし、このデジタコの判定を給与や賞与に連動する企業も増えています。
そこで問題が生まれます。
高樹町から浦和までは、交通量は多く2車線ですから、速度は当然上がりません。また非常にムラにもなります。
が、最高速度を少し抑えて、単純に流れに乗って走行したら、当然ながら速度はムラになりますが、速度超過はしませんからA 判定になります。
速度がムラで、言い方は悪いですがチンタラ走る運転手の方が、集中力を持って燃費も良く時間も短縮する、努力する運転手より評価されるという現状も有るわけです。
デジタコは、走行時間が2時間になりますと、休憩を強要する指示が五月蝿いほど出ます。それを無視して4時間走りますと、最低限で30分は休まないとデジタコが、五月蝿いほど休憩を強要してくるのです。それはデジタコには、運行に関する法規がセットされているからです。
都市部で休憩を指示されたとしても、大型のトラックやバスには停める場所がありませんし、停められる場所を探す事になります。疲労からくる事故を減らす目的の法規制は立派です。が、それをしっかり実行する為の土台が無いのも事実です。
日本の大東市は、殆んどが海を埋め立てた土地があり、そこには物流センターも多く、そこに行くか、港に行く事が多くなりますが、それも走行時間に含まれますから、無駄という事になります。
トラックの話をすれば、配車時間に到着し、荷物を直ぐに積める確率は高いとは言えませんし、荷物を積む為に移動させられる事も有ります。
また、配車時間に遅れるわけにはいきませんから、少なくとも十数分は早く到着する必要も有りますし、時間帯によりそれは1時間以上前になる事も有ります。トヨタ自工のように、在庫を最低限に押さえている企業では、納品の遅れは製造ラインの停止になりますから、遅れたら莫大な賠償が請求されます。が、積む時は時間通りが当たり前では無いのが現状なのです。

都市部などでは、保冷庫のような箱車に、パレット積みに適した左右に開くウイング車が増えてきましたが、シートを掛けて走っている平ボディ車も有ります。それにタンクローリーやセメントミキサー車等の特装車も存在しますから、この特装車は、荷卸しの後は空車で戻るしかありませんし、箱車も用途が限定されますから、大手コンビニとかのユーザーが協力しない限りは、効率化は難しいし、限界が有るのも事実です。
また、自動運転の発達で、一部では運転手不要論も有りますが、実はそれは間違いでも有ります。
それは雪の時に誰がチェーンを巻くのか?という事で、どの段階で巻くのか?という判断は、運転手の技量の一部でも有ります。風が強い時に、どう風をやり過ごすのか?これも技量です。
そして、この技量の部分こそが、本来ならしっかり講習をして、安心安全確実な運送の基本なのですが、ここにも問題が存在し、中小零細な企業では、その余力が無いのが現状です。
東北道で、ウィラ―バス同士の事故が有りましたが、これは私には判る気がします。
昔、規制緩和の前には、路線バスから観光バスには上がると言っていました。観光バスは路線よりも求められるスキルが多いからです。が、緩和後には、高速路線専門の会社が生まれました。その1つがウィラーです。そんな高速路線バス会社では、観光に下げる。と言われるそうです。
緩和前には、高速路線バスに最初から配属される人間は、スキルが足りないと判断されていたのです。それこそ15年前くらいまでは、観光の運転手は高速路線の運転手を見下していました。
その見下されていた人達が、現在では指導をしているわけですから、私には納得する部分があるわけです。
昔は、冬は観光は暇ですからバスの整備か、スキーツアーの夜行運行ばかりでした。そこで夜間の居眠り運転を防ぐ手立てを、個人個人が得ていたわけです。勿論、ツーマン運行で先輩に仕込まれたわけです。それが出来ない人間が高速路線に流れた。そんな歴史があるのです。
それに高速路線は、かなり以前から運転手の寝る場所が確保されていて、深夜には完全なワンマン運行ですから、そこで技量のチェックは致しません。勿論、安全の為の運転手の寝場所確保は重要な事です。が、そこにはこんな問題も含まれているのです。

長距離輸送のトラックも似た現状だと思います。
昔は平ボディで長距離先で荷物を貰う事が多々有りましたか、それはどんな荷物が有るか判らない事から、見ずや、と言われていました。これも荷物の積み方等のスキル向上に役立ちました。そして、自分の体力や技量に併せて運転手は出発時間を決めてもいました。
が、今は前述したデジタコの為に、それは制限されてしまいます。その分のスキルは磨く事が出来ません。確かにその分だけ、未熟な運転手の暴走は減ったと認めます。が、全体的なスキルの低下は否めません。
そこに車体の特殊化が加わるわけですから、融通が利かない事も増えていると考えられるのです。
この現状を変えるには、やはり運賃の値上げと、運転手の給与の上昇、それと運転技量だけでなく、その他のスキルも一括講習で、最低限の技量やスキルを保持させるしかありません。
その為には、政府が主導して統一労働組合をづくり、その組合が講習し、雇用したい会社に所属させる事も、解決の1つの方法かと思います。
その場合の組合長や支部長には、現場を熟知している人物を据える必要があります。
それは幾多の組織が、結局は官僚の天下り先になっているからで、そんな組織は結局は役に立ちません。
運転手が統一労組に加入する事で、荷主との運賃交渉も強く出られて、待遇改善に繋がるかと思います。が、企業の利益優先の自公政府は動かないとは思います。残念ですが提言はこうして致します。

ある一定のレベルが揃う事により、法律はマトモに動き始めます。
私のデジタコの記録は、職業運転手の1割程度しか真似出来ないでしょう。それが将来は半分以上が出来るようになり、休憩環境も改善するなら物流危機も多少は変わると思います。
机上の空論とは、現場の実情を知らない人間が、頭の中だけで考えているから起こります。トラックの高速の制限速度を10Km上げても、それをしっかりと実行出来る技量が無ければ、それほど効果はありませんし、90Kmの最高速度は、一般ドライバーのムラな運転の速度域ですから、定速運転はより厳しくなるのです。それは、追い抜こうとすると速度を上げる一般ドライバーの多い事です。私なら、速度は乗用車と同じに致します。勿論、前記の条件、技量等の平均化が前提ではありますが………

運転手の立場から言うと、速度と時間を全て管理されるという事は、実はストレスは凄いのですよ。トイレの時間もその中に入るわけですから、体調管理も大変なんです。
管理する方は、デジタコは大変有難い。会社に座っていても管理が出来るからです。
そこまで管理され、それでも集中力を高め、体調を整えて時間通りに運行する。
こんなストレスが多い仕事をしながら、決して給与面では報われていない。そんな現状で人材が集まるわけが無いのです。その為にも、統一した講習の実施による技量とスキルの向上と、それに見合った待遇の獲得とで、社会的なステータスの向上も必要だと私は思います。
皆様のお考えもお教え下さい
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