岸田首相の「国賓待遇」による「日米首脳会談」が終わりました。これについて、多くの記事やニュースが出ていますので、僕の偏った理解よりもそれぞれの皆さまが独自の観点で見聞きしてくださることと思います。ただ、「一寸の虫にも五分の魂」の立場から、僕の意見を書かせていただきたいと思います。
その第一は「外交の要諦」は、「片務ではなく、対等な関係」が前提となるべきで、「一方が上で、一方が下と言う関係であってはならない」と言う事です。そこを確立しないから、恰も「同じボートに乗っている」かのような言い回しになるけれど、実際に同じ船に乗るとなれば、利害が一致せず、破綻してしまいます。明治においても数多くの「不平等条約」を押し付けられて、その改訂に日本国民は苦しんできました。それが戦後は「敗戦」という桎梏の中で当たり前のように、一方的に受け入れさせられてきました。しかし現在、アメリカは世界中の蜂起の中でかつてない危機を迎えて居り、こんな時にこそ日本は正当な評価を得て，関係の正常化を持ち出す絶好のチャンスであると思うのです。
つまり、日本側から何か新しい提案を持ち出しアメリカにフォロワーとしての立場を取らせることができたものがあるか？あるいは、日本の提案に乗らなければ、アメリカが世界から取り残されるような、相手の弱点を突く指摘が出来たのか？本来「外交とは、日本の強みがアメリカの弱み、反対にアメリカの強みが日本の弱み。そこを補完し合いお互いの繁栄を目指すべきもの」であり、それで初めてお互いの欲しかったものが手に入り「WINーWINの関係」が築けて、「外交の成果」といえるものなのです。その観点で申し上げて、今回の「岸田訪米の成果」と言えるものは何だったのでしょうか？
中古のアメリカと言う船に「俺も載せてくれ」と言いに行き、「修繕代はみんなうちが持つ」と言いに行っただけではないのか？アメリカが何で困っているのか調べたことがあるのか？アメリカと日本。お互いが「同じ夢を見る」と言いあっただけの「岸田訪米」に過ぎない。現にアメリカは自己撞着に陥っています。例えばアイゼンハワー時代から国内輸送の動脈がガタガタに劣化して、大問題が起きています。これで国家の動脈が危険にさらされているのです。まず今では１997年にボーイングがマグダネルダグラスを買収し、研究開発費はエアバス社より低くなり、人材開発も抑えて自社株買いに走った結果安全性に不安をもたらし、安全保障に懸念を拡大させています。
一方、海運は悲惨な状況で、南部および中西部への玄関口ボルチモア港の中で商船が衝突し、上をまたがる橋が崩落したことで港が使えなくなり、問題が表面化したと言います。なぜならアメリカの法律で安全保障の立場から、「アメリカの港間の輸送に使われる船は1920年制定のジョーンズ法(商船法）により「米国で建造され、米国民が所有し、米国人船員が乗っていなければいけない」と定められているが、米国には今「商船を建造する造船所」がないと言います。だから外国船で輸入しても、国内輸送が滞ってしまう結果になっていると言います。ボルチモア港の閉鎖による直接的な経済的損失は毎週17億�法別�2000億円）と言われています。
他にもEV生産のための電池の資源の確保が滞り、テスラの業績の足を引っ張ったり、都度の「大統領令」の乱発により、「一貫した経済安全保障体制が取れなくなっている」と言います。そんな中でどうやって「クリーンエネルギーに転換していくのか」が答えを出せないでいます。テキサス新幹線は日本に、カリフォルニア新幹線は中国にと各地がバラバラな対応を進め、道路の補修も満足にできていません。そんな国と日本は80年も前の戦争に負けたからと言って、「アメリカの手先になる」と言って喜んでいていいのか？
もとはといえば、アメリカが「日本に追いつかれるのを嫌って、「プラザ合意」を飲ませて変動相場制（＝日本が利益を稼ぐたびに利益が吹っ飛ぶ制度）にしたり、「半導体協定」で日本の技術力を破壊したりしながら、その成果を中国に持ち込んで繫栄させて『鬼子」に育て上げたのはアメリカであることをきちんと整理して話し、「その目論見が失敗してアメリカの敵に育ったから日本がしりぬぐいをせよ」と言うのは筋違いではないかという理解の下で、「アメリカはその態度を改めなさい」と言って、「日本の国益を保証しない限り、日本はアメリカを助けない」と言う一文を交わした上で、「日米合同軍事同盟の指揮権は当然日本が持つ。アメリカの軍事作戦は無駄が多い」とはっきり言うべきです。
今の米軍は194１年の米軍ではありません。ベトナム戦争以降イラクにしてもアフガニスタンにしてもみんな負け続けています。戦略が弱く兵器を莫大に使って圧倒しようとするからです。日本のような狭い国土が対象の場合には通用しても、中国やロシアには通用しません。よく考えてアメリカとの話に対応すべきではないかと思います。本当に「米中戦争をしたら、アメリカは負けます。アメリカと同じぐらいに面積にアメリカの4倍の人口がいます。14億人を相手に戦えますか？相手は地面に這いつくばって生きています。四つ足の物は机以外のものは全部食べ、空を飛ぶものは飛行機以外は全部食べて生きる民族なのです」。
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