mixiユーザー(id:4626097)

2024年04月03日20:11

16 view

人類史上最悪の発明をした男の始末記

今日はイオンシネマ板橋で「オッペンハイマー」を観てきました。

監督:クリストファー・ノーラン

配役(役名):キリアン・マーフィ(J・ロバート・オッペンハイマー)、エミリー・ブラント(キャサリン・オッペンハイマー)、マット・デイモン(レスリー・グローヴス)、ロバート・ダウニー・Jr.(ルイス・ストローズ)、フローレンス・ビュー(ジーン・タトロック)、ジョシュ・バーネット(アーネスト・ローレンス)、ケイシー・アフレック(ボリス・パッシュ)、ラミ・マレック(デヴィド・L・ヒル)、ケネス・ブラナー(ニールス・ボーア)、ディラン・アーノルド(フランク・オッペンハイマー)、デビッド・クラムホルツ(イジドール・ラビ)、マシュー・モディーン(ヴァネヴァー・ブッシュ)、デベニー・サフディ(エドワード・テラー)、デビッド・ダストマルチャン(ウィリアム・ボーデン)、トム・コンディ(アルベルト・アインシュタイン)、グスタフ・スカルスガルド(ハンス・ベーテ)他。

原子爆弾を開発した物理学者ロバート・オッペンハイマーが原爆を開発した後、ソ連のスパイ疑惑をかけられ保安公聴会でその責めを受け、提訴に及ぶ顛末を描いたお話です。

物語は保安公聴会での場面から始まり、以後公聴会での応答と回想を描く展開となります。
先ず、米国を出てケンブリッジ大学で研究をした事について責められます。
オッペンハイマーはケンブリッジ大学では理論を得意として実験が不十分と教授に評され理論重視の大学に移るよう勧められます。
オッペンハイマーは実験物理教室の隣に量子物理学の教室を開きますが、学内では共産主義者による政治活動が盛んで、オッペンハイマーは共産党員のハーコンに誘われてパーティーに参加します。
しかし、オッペンハイマーは入党するつもりはなく学生のフランクの入党に反対します。
前妻のキャサリンは共産党員でした。
そんな時、ドイツのハーンが科分裂に成功したというニュースが飛び込んできてオッペンハイマーは色めき立ちます。

オッペンハイマーはニューメキシコ行きにキャサリン夫婦を誘います。
その頃、ナチスドイツは快進撃を続けていて、オッペンハイマーはそとらーに不快感を抱き、核兵器開発でドイツに先を越されることを恐れていました。
ローレンスはオッペンハイマーに共産主義者に近づくことを咎めます。

オッペンハイマーは准将にドイツの原爆開発について問われて見通しを述べ、ロスアラモスに研究施設を建設します。
オッペンハイマーはドイツに原爆を持たせてはいけないという思いから原爆開発を急ぎます。
そしてアインシュタインにテラーの計算結果への助言を求め、クラウスを研究員に加えます。
当局は情報漏洩を極度に恐れていました。

組合活動をしている研究員のロマニッツが徴兵されてオッペンハイマーは軍に抗議します。
保安公聴会ではオッペンハイマーの恋人で共産党員のジーンへの情報漏洩を疑われます。
ジーンが自殺したという知らせを受け、彼女の血中から睡眠薬以外の成分が見つかり、オッペンハイマーはジーンが暗殺されたことを疑います。

オッペンハイマーはソ連に対抗させない為に研究者の討論で水爆開発に反対します。
討論会でヒトラーが死んでドイツの幸福が間近となり原爆は不要なのではないかという意見が大勢を占める中、オッペンハイマーはまだ日本がいると原爆開発の継続を主張します。
研究者たちの大勢も開発中止の意見が占め、オッペンハイマーに反対署名を求めますが、オッペンハイマーは拒否します。
軍、政府要人との議論の場で、なかなか降参しない日本に2発の原爆を投下し、それでも降伏しなければ更に投下し続けると脅す方向性が定まります。

7月15日に原爆実験が行われ、関係者たちはサングラスや色つきガラス板越しにその閃光と炎を目撃し、爆発音に慄いた後、歓声に包まれます。
そして実験成功の知らせがポツダムにもたらされます。
米国はスターリンに新兵器を開発したとだけ知らせるとスターリンは日本への使用を希望します。

2発の原爆が研究施設から運び出され、8月6日に広島に1発目が投下されたと聞いたオッペンハイマーは喜色満面の顔色を浮かべ、講演で演説し、聴衆から喝采を浴びますが、オッペンハイマーの脳裏には焼かれる人々の姿が浮かび、突然罪悪感に苛まれます。

オッペンハイマーはトルーマン大統領と会談しますが、トルーマンはオッペンハイマーが懸念していたソ連の原爆開発は心配いらないと自信満々に語りますが、オッペンハイマーは自らを血塗られた手と卑下します。
トルーマンは日本人から恨まれるのは自分だと返答します。
オッペンハイマーが退室するとトルーマンは、あの泣き虫を二度と呼ぶなとオッペンハイマーを蔑みます。
そしてトルーマンは水爆開発へと舵を切ります。

オッペンハイマーが核兵器開発反対への立場に変わると、オッペンハイマーは監視対象にされますが、講演会を行うたびに核兵器開発批判をします。
オッペンハイマーは祖国と裁判で戦う羽目になります。
オッペンハイマーにはソ連のスパイ疑惑がかけられ不利な状況にありました。
アインシュタインはオッペンハイマーに祖国を捨てる事を勧めます。

オッペンハイマーは原爆開発を唱えた事と呵責が芽生えた事を問われて激しく動揺しながらも科学者としての成功と人道的見地からの意見を力説します。
そしてオッペンハイマーはアインシュタインに世界を破壊したという言葉を残すのでした。

オッペンハイマー博士が原爆を開発し、それが使用されて大勢の命を奪ったと知ると自らの行為を後悔したというような話は聞いた事がありますが、本作ではその顛末とオッペンハイマーの胸中が描かれています。
開発したのは自分だが、使うのは政治の決断であり自分の知るところではなく関わる事もしないと強く主張していたのが、使った結果によりその心境が変わり、人の心を残していた事にせめてもの救いを感じました。
開発に至る経緯には先ずドイツが先んじて開発を進めていて、ヒトラーに使わせない事を目的としていた事が原爆開発に情熱を燃やしていたという事が描かれています。
どういう経緯で原爆が生まれていったか、これが全てではないとは思いますが、より多くの人に見て欲しい作品だと思います。

公式サイトURL
https://www.oppenheimermovie.jp/#modal
1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2024年04月>
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930    

最近の日記

もっと見る