〜「悪なき殺人」で話題を集めたフランスのドミニク・モル監督によるサスペンススリラー。未解決事件の闇に飲み込まれていく刑事の姿を描き出す〜
〜10月12日の夜、女子大学生クララが焼死体となって発見された。捜査を担当するのは、昇進したばかりの刑事ヨアンとベテラン刑事マルソー。2人はクララの周囲の容疑者となり得る関係者に聞き込みをするが、男たちは全員クララと関係を持っていたことが判明する。殺害は明らかに計画的な犯行であるにも関わらず、容疑者を特定することができない。捜査が行き詰まるなか、ヨアンは事件の闇へと飲み込まれていく〜<映画.comさんより>
この監督の前作『悪なき殺人』は非常に面白かった。ゆえに今作も必見だと観賞。
冒頭にフランスでの未解決事件の割合が出たんだけど、ちゃんと覚えてない。20%?
女子大生クララが、友人たちとのパーティの帰り道、突如何者かにガソリンをかけられ火を放たれ殺されてしまった。
複数の男たちが容疑者として浮上するが、決定的な証拠がない。
捜査の流れと並行して、捜査員たちの日常も描かれていく。
軽食をとりながらの世間話。夜遅くまでの書類作成。コピー機の不調。
主人公ヨアンの相棒マルソーの夫婦関係がなんとも辛い。
後半(3年後)、ヨアンは女性判事に呼び出される。
その判事は、事件が迷宮入りにならないように、ヨアンにいくつか提案し、再捜査の後押しをする。
この判事を女性にしたところに、監督の何気ない意図を感じた。
再結成チームに入ってきた女性が、ふと口にした台詞が印象的。
「罪を犯すのも男性。捜査するのも男性」
※予告編
https://youtu.be/pXKumQk-i3I
個人的に好きだったのは、ヨハンの自転車ルーティン。
無人の競輪場で黙々と自転車をこぐヨハンの姿が何度か挿入される。
マルソー「外で乗ればいいのに」
ネタバレしてしまうと、エンディングにヨハンは実際、外で自転車に乗っている。
ここで監督が描きたかったことは明らか。
競輪場=未解決事件の捜査そのもの。同じところをぐるぐるぐるぐる。
外に出てみたのは、どこかで吹っ切る必要があると分かったヨハンの新たなスタートだったような。
前作に比べて、圧倒的にエンタメ性が少ない。
『悪なき殺人』を観た人ならば、この監督だからきっと何があると、集中力もずっと続くと思うが、そうでないと、何が言いたいのか、ちょっと掴みづらい作品かも。
丁寧に作られているし、難しいわけではまるでないのだが、どう観ていいのか、ちょっとわからないというか〜。
はい、そんな作品です。3.4☆
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