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2024年03月11日17:40

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源氏物語に学ぶ

NHK大河ドラマ「光る君」。原作は紫式部の源氏物語。放送の日曜夜8時は裏の「ポツンと一軒家」を見るので番組自体は見ていないものの、NETや雑誌で取り上げられるので興味が沸きます。

馬頭で借りた旅雑誌ノジュール2月号も源氏物語特集でした。お勧めスポットに紫式部旧居の蘆山寺/野宮神社/清凉寺/宇治上神社/長谷寺/須磨寺/石山寺が挙げられ、バイクで巡るのも面白そう。

源氏物語は、主人公光源氏の恋愛遍歴に挫折と栄華と没後の遺児の姿を全54帖で描いた世界最古の長編小説。自分も中学3年時に現代語訳で部分読みでしたが、一度は親しんだ思い出ある一冊。

葵の上/朧月夜/空蝉/夕顔/若紫/末摘花・・・これら宮廷女性の優雅な愛称を帖名に使い、高級クラブの接客女性の源氏名に通じるか、それら女性を巡る光源氏の思いと苦悩が描かれています。

大作であり高貴な女性に次々と恋情を持つ話の展開も複雑で最後まで読み通せなかったでしたが、それでも恵まれた人々にも浮き沈みあること、女性や官位を巡る争いの虚しさを感じたものです。

大子の書庫で埃を被っていた愛蔵書を半世紀ぶりに取り出してみると、河出書房新社が与謝野晶子訳で昭和46年発刊。上下2冊各1,200円。半世紀経て変色しているが今迄捨てずにいたのも奇縁。

装丁亀倉雄策/挿画平山郁夫/解説久松潜一という豪華メンバーで、値段も50年前としては高価。ただ活字が小さ過ぎ今では虫眼鏡無しでは読めず。当時はこのサイズが普通だったんでしょうか?

源氏物語と聞いて今も感じるのは仏教思想。後半の宇治十帖では主人公の次の代も同じく男女関係に苦悩する因果を描き、最終帖「夢の浮橋」に夢の名を与えたのも、儚さを暗示させるかのよう。

紫式部はこの物語を通して、一夫多妻制で立場が弱く神仏の加護を願う当時の女性を代表し、男の恋愛熱心で時には強引に思える性が、例え思いを遂げても儚く脆いうたかたのようだと訴えます。

物語結末をハッピーエンドで終わらせず、読み手の想像に任せる形で終えます。そこに紫式部が訴えたかった儚さ/諦観/空を感じます。流れる仏教思想は後の平家物語や方丈記にも通じますよね。
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