mixiユーザー(id:7522789)

2024年02月17日19:24

131 view

世界のIT業界を震撼させる強力な生成AIが発表されたが、日本は一部のエンジニアとオタク以外はスルー

Googleが生成AIのBardをリブランドした「Gemini」を発表した直後に、OpenAI(の皮を被ったMicrosoft)がとんでもなく強力な生成AIの「Sora」をぶつけてきた。もちろんMSは狙ってやっている。それだけ生成AIが新世代の非常に重要な市場で全力で競争する必要があるから。

「Gemini」は自然な会話体でかなり的確に答えを出してきて、基本機能は無料で使えて、この分野で先行しているOpenAIのChatGPTに迫る能力があるが、GoogleがChatGPTに追いついたぜ! と発表した瞬間に化け物みたいな性能の「Sora」をぶつけてきた。

Soraがどれだけ化け物なのかというと、言葉で指示して動画を編集できる。

日本で流したデモは川沿いを散歩している風景を花見にしたり雪化粧にしたりのヤツで、よく見ると日本語の看板や幟の字がおかしいからAI合成っぽいと分かるが、遠目に見たら実写と区別つかない。電車の窓に映りこんでいる姿の再現もすごい精度。

もっともSoraはまだ一般公開されていないので、極端にマシンリソースを大量に集中させて実現しているだけかもしれないが。商業ベースでペイしないコストをかければ技術的にはもうそこまでやれるようになってきている、生成AIは。



それだけ重要な新市場の生成AIを、なぜ日本ではスルー傾向なのか、AI陣営の勢力図を調べてみたら原因が分かった。生成AI分野をリードしているのはMicrosoft(OpenAI)&Intel組で、次がGoogle&NVIDIAで、Apple&AMD組はハードでもソフトでも後れを取っているから。

日本は上から下まで徹底したApple贔屓なので、Appleの得意分野は絶賛するが、苦手分野はスルーする。



Appleが自社製CPUのM1を発表し、IntelやNVIDIAと縁を切って自社チップで利益率を上げる方針にした時、日本のメディアとネット世論はM1を神としてあがめた。

CPUとメインメモリを同じダイに乗せてメモリバススピードを高速にしているM系チップは、メインメモリに収まるデータ量の範囲ならメモリアクセスが高速で、伝送ロスが少ないので省電力にもなるので、その部分だけクローズアップすると神だった。

が、オンダイメモリなのでメモリサイズを大きくするとチップが大きくなって高価になるので、普通の人が買える価格帯だとメモリサイズを大きくできない縛りがあるし、パワーをかけると発熱が厳しい問題もあったが、そういうネガティブ面は誰も口に出さないお約束になっている。メインメモリに収まらない大きなデータのやり取りはむしろ他社より遅いことも言ってはいけないお約束。



Intelの新世代CPUは今までの「Core i」のブランドネーム を止めて「Core Ultra」にリブランドして世代の違いをアピールしているが、日本のネット世論やメディアはコキ下ろしている。

曰く、高いだけ、性能上がっていない、言っているほど省電力になっていない、全然革新的な要素がないからUltraじゃない、などなど。

日本ではキレイにスルーされているが、「Core Ultra」が最も力を入れているのはAI機能で、そのためにNPU(Neural network Processing Unit)という新しい種類の演算回路を搭載している。

NPUが実際にどれほどの威力があるのかまだよく分からないが、この新ユニットを話題にするメディアがさっぱりないので、現段階だと自力でAIロジックを組める人じゃないと検証しようがない。

NPU搭載によるAI性能強化は、単に処理速度が上がったとか燃費が良くなったというレベルではなく、PCの用途が大きく変わる可能性を示唆している。そのステップにMS&Intel組が一番乗りしたことは大きな一歩なので、Apple信仰が盛んな日本としては徹底して無視しないといけない。



コンピュータはハードとOSとアプリが三位一体にならないと本領を発揮しない。ハードの回路だけあってもOSが対応していなければその機能は使えないし、OSの段まで機能していてもそれを具体的な形にするアプリがなければユーザーにとっては機能だけあっても意味がない。

AI処理は3D描画処理の逆回しになる。データの羅列を3Dの画像に変換するのがGPUで、AI処理とは人の目に見える立体や音の波形を解析してデータにすることで3D描画の逆回しになる。

3D描画とAi処理は表裏一体なので、今まで3Dグラフィック用のチップであるGPUの最大手のNVIDIAがAI用チップでも最先端だった。そこにCPUとGPUの両方をAI対応にして追撃してきたのがIntelということ。



ではなぜこの分野でAppleは後れを取っているのかだが、色々理由はあると思うが、最大の理由はおそらくスマホ用のチップに特化し過ぎた。

スマホ用とPC用とでCPUの特性は違っていて、スマホ用はとにかく省電力じゃないといけない。そのため省電力性に優れるARMコアテクノロジーを使っている。

AppleのM系CPUは、PC用としては珍しくARMコアを使っている。なのでノートPCに搭載するとバッテリー持続時間が長くなり、タブレットにも搭載可能な電力と熱量なので、Macbookはバッテリー稼働時間が飛躍的に伸び、iPadは処理パワーが飛躍的に上がったので、革命的な神CPUとして絶賛された。

PC用のCPUはそこまで省電力性は求められず、多少電力は食っても良いから処理パワーがあることが大事だが、近年の高性能化により、処理パワーはぶっちゃけ余っていて、普通のユーザーがExcelつかったりWebや動画見たりする分にはそんなにパワーあっても仕方ないよという状況で、3Dゲームをガンガンやったり動画編集をバリバリやる人じゃなければ処理パワーの使い道があまりなかった。

が、そこに生成AI処理が入ってくると、逆にパワーはいくらあっても足りないぐらいになる。現状、NVIDIAのミドルレンジ(5万円ぐらい)のGPUで生成AI入門編ぐらいで、十分な性能を出すには20万円ぐらいのGPUを搭載しないといけない。PCの構成パーツはGPUだけではないので、20万のGPUを搭載するハイパフォーマンス機は総額50万近くなる。

手元のPCの処理パワーで生成AIをやろうとするとそのくらい高価なPCを用意しないといけないが、そんなの普通の庶民には無理なので、必要な時だけクラウド上の生成AIを課金して使うのがChatGPTの上位バージョンや、GoogleのGeminiのPro版になる。

AppleはPCをスマホに寄せる方向に進化させようとしていたので、電力ドカ食いだがすごいハイパワーの分野は専門外ということになる。



Appleにとって、大電力ハイパワーの3D(AI)ゴリゴリのチップは専門外なので、そういうチップを作る生産拠点を持っていない。そもそもAppleはファブレス(工場を直接所有しない)企業なので、スマホ用もPC用も生産は外部委託だが、それらはARM系の省電力チップの工場。

つまり処理パワードカ食いの生成AI分野にAppleが参入するなら、今まで付き合いのあるARM系の工場のメーカーだけではなく、大電力ハイパワーのチップを作っているメーカーと組まないといけない。それを高いレベルの技術で持っているのは、IntelとNVIDIAとAMDしかない。

IntelはCPUの巨人で、NVIDIAはGPUの巨人。Applleが組んでいるAMDはCPUでもGPUでも二番手。Appleは利益率向上と自分がやりたいチップデザインにするために業界ガリバーの二社と縁を切って、PC用のCPUもARM系にそろえた。それがM1とその後継のチップ。

M1搭載機種が市場に出てきたのは2020年で、その頃はiPhone絶頂期で神だったので、その勢いでPC界も制覇を目指し、パワーはあってもバカみたいに電力消費するIntelやNVIDIAなど時代遅れの恐竜だぜ! の勢いだった。

その時代の生成AIはまだ大したことはなく、映画作成とかでコスト度外視ならけっこうやれますよレベルだった。それが50万コースとは言え、一応個人が所有できるレベルのマシンパワーでやれるようになった、わずか3年で。



わずか2、3年でなんでこんなに、Appleが読み違うほど急速に生成AIの技術が進んだのかだが、たぶんウクライナ戦争での情報戦だと思う。

この戦争では米欧がフェイクニュースを連発してロシアを世界から孤立させるべく情報戦を盛んに仕掛けていた。実際にはそういう情報に乗っかるのは米欧の自国の庶民と、米欧を神として崇めている日本だけで、そもそもが米欧を信じていない国にはさっぱり響かなかったので無駄打ちだったが。

フェイクニュースを作るために盛んに生成AIを使ったので、戦争のために金と技術と人手を最優先で突っ込んだから、短い期間で飛躍的に進歩したのだと思われる。

ウクライナ戦争が米欧の負けでそろそろ決着するので、戦争と政略のために開発した生成AIはダブついて宙に浮くことになる。それではもったいないので市場に新しいニーズを作って金儲けしましょうということなのだと思われる。

そのながれにしっかり乗って一番乗りしたビル・ゲイツはやはりタダモノではない。政治にも深く食い込んでいるのだろう。だから世間がみんな反原発・脱原発していた間も超小型原子炉の開発に投資していた。

Appleにはもうジョブズはいないが、MicroSoftにはまだゲイツがいる。そういう差なのだと思う。



OpenAI、テキスト→最長1分の動画の生成AI「Sora」発表 一般公開はせず
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=32&from=diary&id=7751863
3 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2024年02月>
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
2526272829