合唱団に入って1年半が過ぎました。十数年ぶりの再開となります。改めて強く感じていることは、合唱団員とピアノ弾きの生き様や関心事が全く異なるということです。（あくまでアマチュア限定です）
6年ほど前から、SNSで和声学や音楽理論系、あるいはソルフェージュの投稿を続けていますが、関心を持ってくださる方がほぼピアノ弾き（と作編曲者）に限定されます。
また、他人を罵倒したりバカにしたりする人はピアノ弾きには皆無ですが、合唱団員の中に一部存在します。悲しいことは、ハイアマチュアと言える歌い手の中にも、このような残念な人がいるということです。
なぜこうなのか、自分なりに考察してみました。
まず大きな違いは、歌は身一つで気軽に始められる点。ピアノはピアノを買わないといけないので、まずスタート地点でのハードルが高い。次に演奏について。特に合唱はソロを歌わないことが前提でも続けられますが、ピアノはソロが前提です。それに加え、合唱は自分のパートだけ譜読みすれば稽古に臨むことは可能ですが、ピアノは複数の声部を自らコントロールしないといけない。対位法的な作品ならなおさらです。練習そのものに要求されるエネルギーに違いがある上、ピアノはより能動的に勉強をしないと弾けるようになりません。能動的に勉強するというのは、勉強を苦にしない、自然と行っていると読み替えてよいでしょう。そのような違いがあるので、ピアノに苦手意識のある人は、年齢を重ねることで自然淘汰されるのでしょう。結果として、中年期以降になると、あたかも『人種が違う』と思えるほどの相違が生まれる、というのが私見です。そう理解すれば知的好奇心に大きな違いが生まれることは必然的と言えるでしょう。
今所属している団で、既に2回の舞台を経験して、指導者の1人と親しくなりました。古楽が専門の声楽家ですが、打ち上げの時に「和声学を勉強したので、先生のおっしゃることがとてもよく理解できるようになりました」と申し上げたら、「それは素晴らしい！団員の皆さまにも勉強を勧めてください」と語っていたことが忘れられません。その言葉を頂いたので、SNSでの投稿は今でも続けています。
人生2/3が過ぎてしまいましたが、このように悩んだことも記録し、思考を整理することで、残りの人生をより充実したものにしようと思います。
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