Autocarでプジョー205RallyとシトローエンAX GTの比較記事を読みました。
205Rallyは運転したこと無かったのですが、シトローエンAXは試乗した事があります。
ノンパワステのハンドリングは濃厚で、ちょっとしたコーナーでも大きくロールしながら四輪をベターって粘着質に掴みながらクリアする走りは衝撃でした。
どんなにゲームやシミュレーターが進歩しても、この感覚までは再現できないでしょう。
きっとまともに走る205やAXはほぼ全滅しているだろうし、あっても法外な価格で販売されてるでしょう。
この時代のフランス車は本当に楽しかった。
ハンドリングを語るならこの時代まで遡らないと、本当のハンドリングとは言えないと最近思います。
良くも悪くもステアリングには路面状態やクルマの挙動が正確に伝わり、ステアリングやアクセルでクルマを細かくコントロールできました。
記事には205Rallyが簡単にオーバーステアに持ち込めるとありますが、成る程納得できる内容です。
私は306を2台乗りましたが、N3の306はこのオーバーステアをステアリングとブレーキングで自由にコントロールできました。
306のリアサスは基本205のキャリーオーバーで、極端な言い方をすれば306は205のホイールベース延長モデルとなります。
ホイールベースが伸びた事で、挙動はマイルドになったかもしれませんが、205の記事にあるオーバーステアを楽しめる90年代でも稀有な1台でした。
しかし、N3のこの挙動は当時のメディアで賛否が分かれ、危険との話が上回ったのか、N5の306ではリアがN3より粘り、アンダーステア傾向のクルマとなってしまいました。
N3からN5に乗り換えた時、その違いに少しショックを受けたのも今では懐かしい。
あのテールを振り回して楽しんだ306が最近本当に愛しい。
筑波の最終コーナーをダラダラといつまでも四輪ドリフトしながら立ち上がるのも楽しかった(一応時速100km以上です)。
あんなクルマ本当に二度と世に出てこない。
アバルト595は現代で恐らく唯一あの頃のテイストが残っている。
これから先クルマは、どんどんドライバーの意思が遮断され、あらゆる操作が制御で画一的に補正されるものになります。
運転する意味すら無くなりつつあるクルマに、何百万円もの価値を最近見いだせなくなっています。
あと数年で世の中がどう変わるか分かりませんが、次に所有するのが最後の本当のクルマになると思います。
クルマ人生の最後を飾るべく、懐かしむだけでなくどう楽しむか。
良いめぐり合わせがあることを祈ります。
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