たった100ページの児童書「箱舟に8時集合!」がすこぶる面白い。箱舟に乗りこむことにしたペンギン達の話なんですが、裏表紙にはこんな言葉が。
「このチョウチョを、いまからぶっつぶす」
「バチがあたるぞ!」
「なんのバチ?」
「神さまの、だよ」
「ふん、神さまなんて、いないもんね!」
……で、神さまってどこにいるの?
キリスト教圏ドイツの作品で、体裁はあくまで子供向け。日本版は岩波書店が刊行していて、小学校3〜4年向けとしてます。なので物語はたしかにとても平易なんですが、大人が「おいおい、伝統的価値観への挑戦か?」とちょっぴり心配しながらも大笑いしてしまう内容となっています。
邦題もキャッチーなので最初は「出オチ系かな?」と想像しましたが、そんなことはなくずっとこの調子。また、ユーモラスな挿し絵も、絶妙なスパイスとして効いています。
ウルリヒ・フーブ:作、イョルク・ミューレ:絵で2007年刊行。もう15年以上前の著書というのが驚きです。ドイツでは30万部、世界27か国語で読まれているとか。
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