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2023年12月11日21:42

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『ほかげ』感想

〜「野火」「斬、」の塚本晋也監督が、終戦直後の闇市を舞台に絶望と闇を抱えながら生きる人々の姿を描いたドラマ〜
〜焼け残った小さな居酒屋に1人で住む女は、体を売ることを斡旋され、絶望から抗うこともできずに日々をやり過ごしていた。そんなある日、空襲で家族を失った子どもが、女の暮らす居酒屋へ食べ物を盗みに入り込む。それ以来、子どもはそこに入り浸るようになり、女は子どもとの交流を通してほのかな光を見いだしていく〜<映画.comさんより>

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塚本晋也監督のお名前は存じていたものの『鉄男』は未見、『野火』は観に行ったものの、眠ってしまったという、あまりにも申し訳ない次第。

今作は予告で圧倒され、そのまま勢いのまま観賞へ。

前半は、女と少年と復員兵が疑似家族のようになって暮らす。
後半は、謎めいた男と少年の出会いと別れ。

前半の展開は、居酒屋の室内のみ。
その空間に塚本監督は戦争が引き起こす惨劇をこれでもかと投げ込んだ。
居酒屋の奥にある襖は開けられることはなく、こちらの想像を搔き立てる。
薄暗く、焦げ臭く、オレンジ色に染まる室内には、閉鎖感や絶望感、憎しみと悲しみが入り混じった埃が舞う。

後半、カメラは外に出る。少年は謎の男と出会い、着いて行く。
途中、人さらいがいたり、精神異常をきたした男がいたり。
野宿しながら、男はある屋敷にたどり着き、目的を果たす。
やがて少年は、女の元に帰るのだが、女は病を患っていた。

※予告編
https://youtu.be/MFG4AHYuPig

登場人物のアップが多かった印象。
それゆえ目力での演技力が求められたと思うが、皆さん、素晴らしかった。
メインの4人以外では、利重剛が存在感あり。

「戦争は終わったんだ」に重いため息。
いつになったら、戦争を体験してしまった者たちは、悪夢にうなされず、穏やかに眠れるようになるのか?
エンディングの少年の未来・・・祈るしかない。3.5☆
4 10

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