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2024年05月26日18:33

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『ミッシング』感想

〜「空白」「ヒメアノ〜ル」の吉田恵輔監督が、石原さとみを主演に迎えてオリジナル脚本で撮りあげたヒューマンドラマ。幼女失踪事件を軸に、失ってしまった大切なものを取り戻していく人々の姿をリアルかつ繊細に描き出す〜
〜沙織里の娘・美羽が突然いなくなった。懸命な捜索も虚しく3カ月が過ぎ、沙織里は世間の関心が薄れていくことに焦りを感じていた。夫の豊とは事件に対する温度差からケンカが絶えず、唯一取材を続けてくれる地元テレビ局の記者・砂田を頼る日々。そんな中、沙織里が娘の失踪時にアイドルのライブに行っていたことが知られ、ネット上で育児放棄だと誹謗中傷の標的になってしまう。世間の好奇の目にさらされ続けたことで沙織里の言動は次第に過剰になり、いつしかメディアが求める“悲劇の母”を演じるように。一方、砂田は視聴率獲得を狙う局上層部の意向により、沙織里や彼女の弟・圭吾に対する世間の関心を煽るような取材を命じられてしまう〜<映画.comさんより>

フォト


始まってしばらくして・・・山梨キャンプ場での女児失踪事件を思い出しました。
その女の子の家族が、私と同じ市内に住んでいて、住まいもそんなに遠くない場所だったこともあり、あまりにも可哀想で、事件を身近に感じていました。
しかも、そう、その子のお母さんへの誹謗中傷が酷かった。犯人扱いされたり、脅迫されたり。
吉田恵輔監督もこの事件に少なからず影響を受けたのでは・・・。

沙織里の娘・美羽が突然いなくなった。沙織里は少しでも手がかりがほしく、夫とともにチラシを配り続ける。
地元のテレビ局が取材を続けてくれているが、何も進展がないと、同じ’退屈な’映像ばかり流すことになってしまう。
「チラシを受け取ってもらえない時、ちょっと悲しい顔をしてもらっていいですか?」
その背後では、カメラマンが必死に、くしゃくしゃに丸められたチラシが風に舞う様子をカメラに収めようとしている。

テレビで取り上げてもらえても、肝心の情報が入ってこない。
突然、目撃情報のメッセージが送られてきて、遠方だったが、夫婦で出かけてみると、いきなり情報者から連絡が途絶えてしまう(=偽情報)
次第次第に、夫婦間に温度差が出てくる。
それでも、この夫はずっと冷静で、好感がもてる人物だった。

ある時、美羽の誕生日を祝う夫婦の動画を撮ることになるのだが、誕生日当日は選挙特番があるから無理だとわかり、誕生日前なのに、誕生日当日と偽った動画を撮ったり。
でも、私には沙織里の気持ちがわかる気もした。娘のために何かしていないと頭がおかしくなってしまうのだ。
たとえ夫から何と言われようが、世間からどう見られようが・・・。
沙織里が一番恐れているのは、世の中の関心が薄れてしまうこと。

美羽が行方不明になる前、最後に一緒にいたのは、沙織里の弟。
この弟はテレビ局のインタビューにも拒否しようとして、どこか挙動不審なところがある。(理由は後半明らかにされる)
そんな弟は、コンクリートミキサー車の運転手。私、この設定が個人的に好きでした。
ミキサー車って、走っている間もずっとドラムを回転させてなきゃダメじゃないですか。
それが、弟のトラウマというか、心の渦みたいなところに一致していた気がして・・・。

上手いなって思ったのは、スーパーでの沙織里とかつてのママ友との会話。
互いに何をどう話していいのかわからない。ピリピリしている。
ママ友の娘=かつての美羽の友達は、もう美羽のことを覚えてないそぶりをする。
つっ、辛い。短いシーンだったが、私には、かなり衝撃的だった。

あと、そう、町内の掲示板に行方不明のチラシが貼られているのだが、ある時、チラシの美羽の目に画びょうが・・・。
このシーンも辛かった。

ネットでの中傷は続く。それでも沙織里は何か情報が得られるかもしれないと、人々の投稿を見続けた。

「一体、いつから、世の中はこんなに思いやりのないものになったのか」

人々は事実を好む。事実が面白い。そして中傷する。

※予告編
https://youtu.be/YSxzyey7GGg

メインの流れとは関係ないのだが、なんとなく印象に残ったのが、いくつかのシーンでの背景の雑音。
市役所では男が苦情を叫んでるし、警察ではもめ事。
商店街では男女が口論してるし、チラシをもらったおばあさんはまるで空気を読めない。

ところどころ、ちょっと台詞がはっきりと聞こえなかったのが惜しい。

ただ石原さとみは、とてつもなく素晴らしい。こんな凄い女優さんだったのか。
弟役の森優作、TV局記者砂田役の中村倫也、夫役の青木崇高、新人記者役の小野花梨が良かった。

巷の評価は軒並み高いんですが、気になったのが、Xでいくつかのアカウントさんが書かれていたこの言葉バッド(下向き矢印)
「あざとい」
えぇ〜〜、そうか?私はそうは思わなかったぞ。

ただ、ひとつだけ気になったのは・・・エンディング間際の娘のお絵かきを使ったシーン。
確か『空白』でも、エンディングで子供の絵を使ってなかったか?

ラストは、やや、やや物足りなかったかも。
それでも、そこに至るまでが、かなり見ごたえあります。よかったら、ご覧下さいませ。4つ☆
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