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2023年11月18日22:51

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『悪い子バビー』感想

〜社会から隔絶されて育った男が多くの人々との出会いや音楽に導かれて自分自身を発見していく姿を描き、1993年・第50回ベネチア国際映画祭で審査員特別賞を受賞した作品〜
〜母親の異常な愛情により、暗く汚い部屋の中に35年間も閉じ込められて生きてきたバビー。外に出れば汚染された空気の毒で命を落とすと教えられ、母親の指示に従うだけの日々を送っていた。そんなある日、父親を名乗る男が突然帰って来たことをきっかけに、バビーの人生は大きく動き出す。刺激に満ち溢れた外の世界へ飛び出したバビーは行く先々で大暴走を繰り広げ、そんな彼の自由で荒々しいスタイルに誰もが巻き込まれていく〜
〜日本では「アブノーマル」というタイトルでVHSが発売されたのみだったが、2023年10月に劇場初公開〜<映画.comさんより>

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予告を見た時から、これは、私は観なきゃいけない作品だなと確信。
ムビチケも無く、割引日でもなく、私にしては珍しく1700円支払っての観賞。高い涙

まずこの予告を見て、観たくなるっていう人、そんなにいないと思う。
https://youtu.be/vlvCMJoJ-bE

想像どおりの暗いスタート。光もほとんど当たらない薄汚れた部屋に閉じ込められているバビー。
外は毒ガスに汚染されているので、出てはいけないと母親に35年間監禁され続けている。
(ちなみに、母親はガスマスクを手にして、好きな時に外出している)
母親はバビーの髭をそってくれたりしますが、食事は粗末そのもの。でも、バビーはそれが当たり前と思っている様子。
ある時母親から「私がいない間、ずっと座ってなさい」と言われたバビーは、そのとおりにしているのだが、我慢できずにお漏らし。
帰宅した母親は激怒「悪い子ね、バビーぷっくっくな顔
と思えば、夜な夜な近親相姦(というか母親が一方的に息子に相手をさせている)が始まる。「いい子ね、バビー揺れるハート
観客はもう「・・・・・」

さすがに、息苦しくなってきたところに、バビーの父親らしき人物が登場。
これまでの生活が変わっていく。というか、バビーは母親から必要とされなくなっていく。
バビーは・・・飼っていた猫を殺してしまったのと同じやり方で、両親を殺してしまう。

外に出たバビー。空気は汚染などされていなかった。
初めて見る子ども、初めて見る犬、初めて見る樹木(思わず触れて匂いをかぐ)。

まずは救世軍に出会い、ピザをごちそうしてもらう。こんなに美味しいものがあったのか。
その後、ツアー中のロックバンドの拾われます。

それでも、やはりというか、言葉がわからない、人とのつきあい方がわからない、世の中というものを知らない。
バビーは、問題を起こし留置場へ。
釈放されて母親と住んでいた場所に行ってみるが、そこには現場検証の白線だけが残されていた。
(バビーが母親の白線に横たわるシーンが、いたたまれなかった&上手い)

ある時、教会で神父に教えられたことの意味とは?
「すべての人間は原子を再配列にしたに過ぎない」

終盤の3分の1あたりがめちゃ良かった。
バビーは障がい者のグループと遭遇するんだけど、ある言葉の話せない少女と意思疎通ができてしまう。
それがきっかけで、バビーは、彼らと交流するようになって、そこで働いていたエンジェルという女性に恋をする。
バビーはエンジェルの両親に会いに行くものの、両親は神を深く信じるあまりエンジェルに対して暴言を吐く。
それを目にしたバビーは・・・。

バンドとの再会。バビーは自らの心の叫びをバンドの音楽にのせて、ライブで吐き出す。
それが大ウケして、自分の居場所を見出していく。

今作、全編に渡って「神」が何度も登場。
神の存在を信じ、神を自分の好き勝手に利用する親たちは、バビーによって消されていく。

エンドクレジットでビックリしたことが2つ。
まず、今作はオーストラリア映画だったこと。わからんかった〜。
次が撮影監督の数!次から次へと名前が出てくる。えっ、どういうこと?
観賞後、それについて調べたら、こちらのインタビュー記事を発見バッド(下向き矢印)
〜本作はバビーが初めて触れる世界を観客が視覚・聴覚でそのまま体験できる手法を取り、撮影監督に合計32名ものスタッフが代わるがわる参加したほか、「バイノーラルサウンド録音」でバビーの耳に届く音の刺激をリアルに再現。音楽も、讃美歌、クラシックからロックまで監督のこだわりが感じられる選曲だ〜
https://eiga.com/news/20231020/19/

個人的には、観れて良かった。今まで観たきたどんな作品とも違う。
ラストシーンには心から安堵できたし、やっとそこにたどり着いたことに感動すらした。
ただ、やはり癖があるというか、カルトっぽいので、万人向けではありません。
まだ、かろうじて、劇場上映されています。覚悟が決まった方は、是非。3.9☆
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