mixiユーザー(id:12923117)

2023年11月14日22:26

42 view

『ペパーミント・キャンディ―』4Kレストア・デジタルリマスター版感想

〜韓国現代史を背景に1人の男性の20年間を描き、韓国のアカデミー賞である大鐘賞映画祭で作品賞など主要5部門に輝いた人間ドラマ。「オアシス」「シークレット・サンシャイン」のイ・チャンドン監督が1999年に手がけた長編第2作〜
〜99年、春。仕事も家族も失い絶望の淵にいるキム・ヨンホは、旧友たちとのピクニックに場違いなスーツ姿で現れる。そこは、20年前に初恋の女性スニムと訪れた場所だった。線路の上に立ったヨンホが向かってくる電車に向かって「帰りたい!」と叫ぶと、彼の人生が巻き戻されていく。自ら崩壊させた妻ホンジャとの生活、惹かれ合いながらも結ばれなかったスニムへの愛、兵士として遭遇した光州事件。そしてヨンホの記憶の旅は、人生が最も美しく純粋だった20年前にたどり着く〜<映画.comさんより>

フォト

フォト


           フォト        フォト

イ・チャンドン監督作は『バーニング 劇場版』と『ポエトリー アグネスの詩』だけ観ていた。
現在、常連館で「イ・チャンドン レトロスペクティヴ4K」という特集上映が行われていて、とりわけ今作は気になっていたので観賞。

事前に知っていたのは「現在→過去へと遡っていく展開」ということのみ。

ピクニックから始まり、ピクニックで終わる。
冒頭、そのピクニックのさなか、線路の上に立ち、叫ぶ男性「帰りたい!」
7つぐらいのエピソードに分かれて過去へ。

ただ、そのこだわりの作りのせいか、すぐには入り込めない。
エピソードが変わるごとに、列車の窓から見える線路の映像が何度も繰り返され「あぁあ、そういうことなのか」とじわじわ分かってくる。
この線路映像、人の姿は映らないのだが、私の見間違いでなければ、一度だけ人物が小さく映っていた。
その者たちは、後ろに歩いていた。これはもろ、監督の親切心だと思った。
「時代をさかのぼっているんですよ〜」と丁寧かつさりげなく伝えてくれていた。

主人公の人生を過去から整理してみると・・・。
工場勤務→兵役→警察官→お店経営(株取引も)

今の妻との夫婦仲はギクシャク。それぞれが隠れて浮気をしている。

初恋の人との出会いと別れと・・・再会。
彼女はかつて工場でペパーミントキャンディを包む仕事をしていた。
ヨンホが兵役で軍隊にいた時、彼女は手紙を書いてくれて、いつも封筒には、ペパーミントキャンディが入っていた。
それをなめずに、飯盒にずっとためていたヨンホ。

※予告編
https://youtu.be/3aKAl2pVUxc

後半出てくる部隊の出動シーン、あれ、光州事件だったと後で分かった。
(もぅううう、私ったら。そういうのがすぐに頭に浮かんだら、もっと深く観れたのに)
ヨンホは、デモの制圧のために威嚇射撃するが、それがある女の子にあたってしまう。
このことがヨンホのトラウマとなり、それからの人生をずっと苦しめるようになっていた。

かつては、名前もない野花を愛する優しい男性だったヨンホ。
あの時に戻れたら・・・。
過去にさかのぼるたびに、優しい笑顔が増えていく。

いやあ〜、上手い。
こういう逆再生のアイディアって、出てきても、ここまでの完成度に仕上げるのって、本当に凄いと関心した。
観れて良かったし、ちょっと、もっと、イ・チャンドン観たくなった。4つ☆
5 4

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2023年11月>
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930  

最近の日記

もっと見る