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2023年11月04日10:08

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『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』感想

〜1920年代、オクラホマ州オーセージ郡。先住民であるオーセージ族は、石油の発掘によって一夜にして莫大な富を得た。その財産に目をつけた白人たちは彼らを巧みに操り、脅し、ついには殺人にまで手を染める〜<映画.comさんより>

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すでに多くの皆さんが、素晴らしい感想を書かれているので、地味めに書かせていただきます!?あせあせ

マーティン・スコセッシ監督作で、出演はレオナルド・ディカプリオ、ロバート・デ・ニーロ、ジェシー・プレモンス、リリー・グラッドストーン(←今作で初めて知りました)、そしてジョン・リスゴー、ブランダン・フレイザーと豪華かつ実力派揃い。

脚本はエリック・ロス『フォレスト・ガンプ 一期一会』『DUNE 砂の惑星』他多数(スコセッシ監督との共同脚本)。
撮影はロドリコ・プリエト『バービー』『アイリッシュマン』『沈黙 サイレンス』他多数。
美術はジャック・フィスク『ザ・マスター』『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』『マルホランドドライブ』他多数。
音楽はロビー・ロバートソン(カナダのトロント生まれ。父はユダヤ人、母はモホーク族インディアン)。
映画観れなかったのね涙

ちなみに、タイトルの意味は、オクラホマ州オセージ族保留地において、5月になると背の高い草が生え、小花の光と水を吸い取る≒小花の命を奪い取ってしまうことが由来とのことです。

冒頭から引きつけられた。
オーセージ族の儀式。パイプを埋葬し、自分たちの伝統が失われ、白人文化に侵食されていくことを嘆いている。
(ちなみに、この儀式を外から覗いている少女と少年がいたが、SNSのある方の投稿で、この2人はモリーとヘンリー・ローンだと知った)
あ〜、考えてみればそうだよな〜。でも、言われないと気づけない私はまだまだ修業が足りぬ。

で、次の瞬間、何やら黒い液体が地面からぶつぶつ沸いてきて・・・ドカーンと噴き出してくる。
石油を掘り当てて莫大な富を得たオーセージ族。
転がるオイルマネーを求めてやってくる多くの白人(コヨーテ)たち→アーネスト登場。
ここまでで、すでに私は、すっかり映画の中に入り込んでいた。
全く知らない史実だったけど、わかりやすく説明してくれていて、すぐに興味をもてた。
ひとつひとつのシーンが本当に素晴らしくて、さすが巨匠。

シーンの繋ぎも見事なんですよ。
例えば、アーネストがモリ―について初めて叔父に話した次のシーン、最初に映るのは、アーネストの車の’フロントミラー’に映るモリ―。
それまでとは違う、視点(目線)になったことが、すぐにわかります。

連続不審死のくだり。
次々と亡くなった人が映されていくところも、監督のリスペクトが感じられて良かったと思いました。

展開もスムーズだし、美しく見応えのある映像の数々。
「これぞ映画だわ!」って何度思ったことか。

雨の使い方も上手かったし、フラワームーンも綺麗でしたよね〜。
フクロウもよかったし、母親が亡くなるシーンも印象的だった。
あと、アーネストにハエがたかるっていたのも、ピリッとしたアクセントになっていた。

モリ―の糖尿病って、やっぱり白人の食事を摂りすぎて?ってことだったの?
お母さんが買う肉の量もすごかったし?

※予告編
https://youtu.be/l6avV51YWts

私、2回観たんですけど、1回目は、トム・ホワイト捜査官が出てくる直前で、ちょっとだけ、集中が途切れたんです。
でも、お気に入りのジェシー・プレモンス登場で、すぐに目が覚めました。ホッ。
いや、でも、お気に入りゆえに、この捜査官について、もっと描いてくれると思いきや、そうでもなかったので、ちょっと肩透かし。(原作ではそれこそ、生い立ちからかなり詳しく書かれているとか)

で、キャストですが、SNSで書かれていたことが、本当その通りだなって思ってしまったのが・・・。
デニーロとディカプリオが全編を通して、ほぼ同じ顔だったっていう。
(いや、それもまた極端な言い方だとは思うですけど)
デニーロはずっと「悪いようにはしないから」っていう善人ぶった悪人の顔。
ディカプリオはずっと「いやそうなんだけど、そうでもないんだ」みたいなどっちつかずの顔。
それが徹底されてて、凄かったなと。
で、リリー・グラッドストーンですよ〜。
彼女はネイティブアメリカンの血を引いているということなんですが、本当に素晴らしかったですよね。
凛とした佇まい。秘めたる想い。アカデミー賞候補、間違いないのでは?

というわけで、内容としては、あまりにも惨い米国史の暗部なんですが、知らされないまま葬ってはいけないこの事件と真っ向から取り組んで、世に送り出したスコセッシ監督に敬意。
見事な仕上がりで「これぞ映画!」を堪能しました。4.5☆
(まあ、でも、20分ぐらいは短くできたのでは?)

〜エンディングについての記事〜
ラジオ番組の体裁を取っていることには理由がある。先に述べた通り、事件の捜査を命じた後のFBI長官J・エドガー・フーヴァーは、発足したばかりの捜査局の手柄をアピールするためにウィリアム・ヘイルの有罪判決をもって事件の捜査を打ち切った。グランの原作は、そのせいで他の多くの犠牲者のケースが放置されたままになったと指摘している。
そしてフーヴァーは、捜査局がいかに有能な組織であるかを喧伝するために、1931年から煙草のラッキーストライクが提供するラジオ番組と一緒にラジオドラマを共同制作。最初のシリーズのエピソードでオーセージ族殺人事件を扱っているのだ。つまり『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』のラジオドラマのシーンは歴史の再現であり、劇中では大きく扱うことができなかったFBIとフーヴァー長官が事件を歪めた形で宣伝したことへの強烈な皮肉なのである。
https://safarilounge.jp/online/culture/detail.php?id=14522&p=2
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