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2023年09月17日22:08

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『6月0日 アイヒマンが処刑された日』感想

〜ナチス戦犯アドルフ・アイヒマンの処刑の舞台裏を描いたヒューマンドラマ〜
〜ナチス親衛隊中佐としてユダヤ人大量虐殺に関与したアドルフ・アイヒマンは、終戦後ブエノスアイレスに潜伏していたところをイスラエル諜報特務庁に捕らえられ、1961年12月に有罪判決を受ける。処刑はイスラエルの「死刑を行使する唯一の時間」の定めに基づき、62年5月31日から6月1日の真夜中に執行されることとなった。宗教的・文化的に火葬の風習がないイスラエルでは、アイヒマンの遺体を焼却するため秘密裏に焼却炉の建設が進められた。その焼却炉を作る工場の人々や、そこで働く13歳の少年、アイヒマンを担当した刑務官、ホロコーストの生存者である警察官らの姿を通し、アイヒマン最期の舞台裏を描き出す〜<映画.comさんより>

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主な登場人物は、まず、リビアから一家でイスラエルに移民してきた13歳のダヴィッド(アラブ人)。
ダヴィッドは、ある日父に連れられて鉄工所へ向かう。そこのゼブコ社長が炉の掃除ができる少年を探していたのだ。
(社長に会う直前に、父と子が靴を交換するシーン、良き)
ヘブライ語が苦手な父のためにと熱心に働くダヴィッド。
だが、こともあろうか社長室の飾り棚にあった金の懐中時計を盗んでしまう。
それはゼブコがイスラエル独立闘争で手に入れた曰く付きの戦利品だった。
居心地の悪い学校を抜け出し、ダヴィッドは鉄工所に入り浸るようになる
鉄工所には、左腕に囚人番号の刺青が残る板金工のヤネクや技術者のエズラ、ココリコらがいたが、皆、ダヴィッドを可愛がってくれる。

ある日、ゼブコの戦友で刑務官のハイムが設計図片手に、極秘プロジェクトを持ち込んできた。
作るのは小型焼却炉。燃やすのはアイヒマン。工員たちに動揺が広がる。
(ここまで、公式を参考にさせていただきました)

ここで疑問「なぜ、土葬ではダメなのか?」
答え「ネオナチの聖地となる可能性があるから」

いや、もう、皆、ヒリヒリ状態なんですよ〜。
なんせ、極秘プロジェクトで、失敗は許されない。
それが一番伝わってくるのが、アイヒマンが処刑される前に髪を切りたいって言いだして、理髪師が独房に呼ばれて・・・のシーン。
何かあったら大変だから、刑務官の緊迫感が半端なくて、うわぁあああと。

焼却炉が出来上がってゆく工程も、これまたドキドキ。
とりあえず出来上がって、実験台にされたのは・・・。
もっとバーナーが必要なれど、手に入らない。困った町工場は、どう解決したか。

あとはホロコーストを生き残り、ツアーで自身の体験を語り継いでいるミハ。
(ミハは、イスラエル警察の捜査官で、アイヒマン裁判で尋問をした)
ある時、アメリカからやってきたユダヤ人協会の人々をゲットーに案内します。
ある女性「アメリカのユダヤ人協会は、あなたにいろんな人の前で経験を語らせてゲットーを観光地化しようとしている」「あなたの人生はあなたのものだ。無理に自分のつらい思いを語ることはない。提案を断ってほしい」と言ってきます。
すると、ミハはホロコーストを生き延びた後の出来事を話し始めます。

このミハがメインとなるシーン。メインの流れとは直接関係ない。
ただ作品を色濃くしたし、枝葉も広げた。悪くはない。
ただ、絡ませ方がちょっとスムーズじゃなかったのが残念。

ダヴィッドが通う学校での様子も興味深い。

※予告編
https://youtu.be/BxP8b6awSNQ

今作は、アイヒマンが題材なれど、本人の顔はまるで映りません。
主役は、あくまでも、アイヒマンの遺体を灰にするまで、秘密裏に必死に動いていたイスラエルの人々。

イスラエル・アメリカ合作なんですが、観賞後に監督の正体を知ってビックリ。
なんとグウィネス・パルトロウの弟のジェイク・パルトロウ(脚本も共同で執筆)。
えっ、映画監督だったの?
あと、パルトロウ一家はユダヤ人の血を引いてるって、今回初めて知りましたあせあせ(飛び散る汗)

タイトルの『6月0日〜』の意味は、終盤に明かされます。
感の良い方はグッド(上向き矢印)のあらすじですでに分かられたかも。
ちなみに原題は『June Zero』

ベートーベンのソナタ(2回かかる)にウルウル涙

現代に繋がるラストシーンがまたいいんです。
終わる瞬間の余韻が、なんともいえない。

当時のイスラエルの状況に詳しい方なら、かなり深くご覧になれるかと。
私は、詳しくないので、この感想を書きながら、いろいろ調べました。
巷では、高い評価をしている人、少ない感じですが、わかる人はわかってる。
私は、今作、評価します。観ないとモッタイナイ傑作です!!!! 4つ☆
「真実であれば、いつか明らかになるでしょう」

※難しいけど勉強になった記事
http://www.newsweekjapan.jp/ooba/2023/09/post-117_3.php

※監督インタビュー
https://eiga.com/news/20230907/10/

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