こんな記事をたまたま見つけた。
https://mag.minkabu.jp/mag-sogo/20585/
さる7/12に亡くなったタレントのりゅうちぇるについて書かれたも。
りゅうちぇるは、突如自ら命を絶ったが、その真相はいまだに謎だが、まずはその死を悼みご冥福を祈る。合掌。
この記事では、筆者はりゅうちぇるを「真のリベラリスト」として高く評価している。フランス哲学者というから、りゅうちぇるはフランス人にまで知られた存在だったのか！と最初びっくりしたが、なんのことはない、日本人で、単にフランス国立レンヌ第�蟻膤悗杷郢里鮗萋世掘▲侫薀鵐垢梁膤悗旅峪佞鬚笋辰討い襪辰討世韻里海函８戎Δ蓮⊃慧膤惘狠惨�大学で「思想」を講ずるほか、中島義道主催「哲学塾カント」で「現代フランス思想入門」を担当する、とあるので、フランスの哲学者を研究している日本人、という程度か。
中島義道と関係があるというだけで、ちょっと怪しいが、ネットで検索した本人写真も中性的で何だか怪しい。それ以上興味がないので、この筆者についてはこれくらいにしておこう。
それで、りゅうちぇる。故人を悪く言うのは気が引けるが、僕は彼がテレビに出始めた頃、妙に嫌だった。こういうのがチヤホヤされる世の中になったのかと思ったものだ。
もともと僕は「多様性」「個性」「人権」とかいった言葉自体が胡散臭く思っている人なので、余計にそう思うのだが、まあ人の趣味嗜好に関しては、どうぞご自由にとしか思わない。というか、踏み込むことは出来ないものである。
しかしながら、自分の趣味嗜好を世間（他人）に押し付けるということはどうだろう？人権だ差別だ、マイノリティを受け入れろたって、それを「気持ち悪い」と思う人は存在するわけで、いわば人前でオナニーをみせつけて「これが私の個性だ」と言われると、それは違うんじゃないか？と思う。
このフランス哲学者と称する人は、りゅうちぇるの自殺については、真の原因は誰にも、本人にさえも理解不能で、京極夏彦を引用して「通りものに当たる」といっている。これは京極の小説「魍魎の匣」から引用しているものだが、まるで妖怪が一瞬のうちにとりついたように自殺をしてしまったということだろう。ちなみに京極の作品では、自分でも理解不能な殺人を犯す場面で使われた。
なので、人々が憶測であーだこーだいうのはＮＧなのではあるが、こんな若くして自らの命を絶ってしまうってことは、性同一性障害などの他者とは違うマイノリティーな自分を全面に押し出して生きることが果たしてその人にとって幸せなんだろうか？と疑ってしまう。
りゅうちぇるの発言を数例持ち出して、筆者はこのように評価している。
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ひとことで言えば、りゅうちぇるは、言葉の真の意味で�爛螢戰薀覘瓩覆劼箸世辰拭Ｂ�情と結託して、暑苦しいオヤジ的な硬直した�狎杵性瓩鬚屬跳歿戎佑�多いなかで、彼は一服の清涼剤のように、かろやかで柔軟で繊細なヒューマニズムの視点を維持しつづけた。
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その発言というのが
「竹島を半分こにしたらいいんじゃないか」とか「被害者を多く出している教団はよくないと思いつつも、このニュースで宗教全体が悪いとか、そういう偏見が起きるのもまた違うのかなと思う」（統一教会にたいするコメント）などであるんだが、うーーーむ、、お花畑感が否めない。
「半分こ」という表現がいかにも「っぽく」て腹立たしいし、統一教会のコメントだって別に目新しいわけじゃない。
これをもって「名もない弱い人たち、しいたげられた人たち、差別された人たち、人権を剥奪されている人たちへのシンパシーであり連帯感だった」と断じてしまうあたり、この自称フランス哲学者も「お花畑だなあ」と思ってしまう。
僕自身は決してマイノリティは否定しないし、僕自身がマイノリティの要素をかなり持つ人生ではあると思っている。しかし、マイノリティを自称する人たちにずっと違和感を持つのは、どうもこのような地に足のついていないフワフワ感を感じるからである。
なんというのか、マイノリティ・弱者・しいたげられし人＝善、という発想があるんじゃないかね。無条件で。そいつらが絶大なる悪党だったら、そこに対する評価はどうするんだろう？
かわいそかわいそああなんてかわいそうな人たち。そんな人たちに私たちは寄り添い、守ってあげたい、みたいな発想があるんじゃないかね。
そりゃ、「かわいそうな人々」を見放して我知らずな顔をするよりも、なんとかしてあげようという人でありたい。僕自身そうありたいと思うし、いかに偽善的であれそういう人の方が悪い人より断然良い。しかしそれは自分の心のうちに留めておけばよく、しかるべきときに黙って行動すればよいだけで、殊更可哀そうな人に寄り添う心をアピールして、「リベラル」などとカッコつけた言葉で語る胡散臭さがどうにもおぞましく感じてしまう。
どうにも、中性的な人っていうのか、そのての人は、おとぎ話のメルヘン世界からそのまま飛び出してきちゃったような印象が否めない。ETVの朝の子供番組のような、「おかあさんといっしょ」を現実に持ち込んでしまっている感じがする。
現実をみろ！お前の言うことは非現実のおとぎ話だ！と全てをリアリズムの視点から否定するつもりはないが（行き過ぎたそれも問題だと思う）、おとぎ話が行き過ぎてお花畑をランランしている状態が良い状態とも決して思えない。そういうお花畑な人が存在してしまうところまでは仕方ないにせよ、そういうのは少なくとも「世間一般に受け入れられないよ」という認識と、それでもお花畑を続けたいのであればそれなりの覚悟が必要だろう。
この自称フランス哲学者がいかにそのようなりゅうちぇるを賞賛しようとも、おそらく世間のほとんどが「なんだそりゃ？」となっていることだろう。少なくとも世間はそういうものだし、世間全体がお花畑では破綻してしまうわけだから、お花畑に対して猛烈な反発がくる状態の方が健全な社会と言える。
不健全な社会に堕落してまでお花畑を受け入れることは、そりゃ無理だろう。「リベラル」という言葉の正しい意味はよくわからないが、このてのお花畑を「リベラル」というのであれば、どこかでひっそりやっててっていう存在になっちゃうよ。それは仕方ないことじゃないのか？
りゅうちぇるは、2021年に『こんな世の中で生きていくしかないなら』と題された著書を出版してこんなことを書いているそうだ。
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「なぜ、生きているんだろう」
幸せなときは、そんなこと１ミリも思わないのに、つらいときは、考えてしまう。
自分の物差しで人と比べてしまい、自分の価値を自分で決めつけてしまう。
自分のことが、嫌いになる毎日。
自己判断でしかない自分の点数が、現実的に感じて、悲しくなる夜。
前向きな言葉が、すべて、綺麗事に聞こえる日もある。
自分より輝いている人は、眩しすぎるから、正直、見たくないときもある。
僕は、テレビでの発言やキャラクターから、「明るくてハッピーなりゅうちぇる」と思われているかもしれない。なんに対しても前向きで、悩みなんてかけらもないように見えているかもしれない。
でも僕は、基本的にこの世の中はつらいことばかりだと思っている。
（……）
それでも、僕たちはこんな世の中で生きていかなくてはならない。だから僕は、いくつかの武器を身につけた。
それは、
諦めること、
割り切ること、
逃げること、
戦わないこと。
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世間一般にアピールする「明るくてハッピーなりゅうちぇる」と内面の自分は決して同じではない、内面は本当はこんなにもがいているんだ、ということを言いたいんだろうが、こういう話は実によく聞く。
実際は、誰しもが外に向ける自分と内面の自分の乖離に悩み葛藤し、そして折り合いをつけながら生きている。あなただけが特別ではないのだ。
性同一性障害であり、男として結婚し子供をもうけたが、女として生きたい自分を優先し、離婚して性転換手術を受けたりゅうちぇる。それは逆の見方をすれば、世間との折り合いを一切無視して自分が責任を負わなければならない義務を放棄して、自分勝手な欲望を優先したに過ぎない。
その上で今更、世の中はつらいことばかりだといい、こんな世の中で生きていかなくてはならない、など、「お前が言うなよ！」というレベルなのではないか。そんなことは誰もがとっくにわかっていて必死に生きているし、そんなことをいちいちアピールしない。
弱い自分を見せつけることが「真のリベラル」というのならば、リベラルなんて危険きわまるものでしかない。仮にりゅうちぇるの自殺が「通りもの」の仕業だとしても、その「通りもの」にあっさり負けてしまうメンタルしか培養できなかったとすれば、その生き方・思想はとても肯定できるものではなかろうよ。
何かで読んだのだが、遺伝子学的にはどんな生物でも１％（だったか？数字は正確に覚えていない）程度のバグが発生するという。そのバグの１つが性同一性障害であり、同性愛者というのは人間の特権ではなく、どの生物にもあるらしい。
遺伝子学的にはバグというが、今のご時世はバグと表現するとまた人権派の自称「リベラル」がうるさく抗議してくるだろう。だが、バグはバグとして認めないと、世界の不具合は放置されることになる。
システムの分野ではバグはただちに修正しつぶさなければならないものだが、生物界でそれをやると単なる虐殺になってしまうから出来ないのだろう。だがバグは潜在するものと認めつつも、それを発動させないようにする必要があるのではないだろうか？
りゅうちぇるがいう「いくつかの武器」には「諦めること」とあるが、諦めることって決して悪いことではない。諦念から出発してどう生きるかを模索するのは誰もがやっていることであり、りゅうちぇるの場合は、皆がチヤホヤしてしまったため、本来は早めに諦めて他の生き方を模索すべきだったのが、「自分は受け入れられている」と勘違いして、取り返しのつかないところまできてから、ようやく「諦めること」に至ったような気がする。
ここはもう憶測でしかないが、その「諦めること」に耐え切れずに自ら死を選んだとすれば、それは世間がりゅうちぇるに対して取った「そんなマイノリティの貴方も思い通りに生きて良い多様性の社会ですよ」というやり方って、間違っているのではないか？と思えてくる。
世間というのは、やはり大多数の平均値で成り立たないと破綻するわけで、それに対してバグは建前上でも存在してはいけない、というのを前提にしておかねばならない。その上で、世間からはみ出してきたものは、どのように折り合いをつけて生きていくか、を早いうちから訓練していく必要があるだろう。
「生きづらい世の中」なんて、誰もが言う。成功者であれ失敗したものであれ、日和見主義のサラリーマンや公務員でさえも、「生きづらい世の中」を口にする。マイノリティだけの専売特許じゃない。
じゃあこれだけ皆が「生きづらい世の中」と口々に言いながら、何故みんなして「生きやすい世の中」に変えていかないのか？変わっていかないのか？ここに人間が持つ業があるのじゃないか？その業に抗い、「生きやすい世の中がここにありますよ」と欺瞞をいうことで勘違いし、気づいたときには、本来持たねばならない「生きづらい世の中」に対する忍耐力が身につかないまま、大人になってしまう。
そもそも、忍耐するということを自称「リベラル」は否定しすぎだ。誰もが忍耐し世間と自分との折り合いをつけながら、諦めるべきところを切り捨てていき自己実現していくのではないか？
りゅうちぇるの自殺に、僕はこういう現代的な問題を強く思った。
しいたげられながら忍耐して凌いで、身につけていく強さがあるはずなのに、それらを全て否定した結果が、自ら命を絶たざるを得ない弱さを量産しているのではないだろうか。
この自称フランス哲学者の最後の結論
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「この世の中はつらいことばかりだ」としても、デリカシーやシンパシーや優しさが、少なくとも自分の生きる場所を「好き」や「楽しい」に変えてくれる、そう教えてくれたのがりゅうちぇるだった。
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何を言ってるのかね？妄想もいい加減にしろ、といいたい。
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