朝ドラ「らんまん」では、日本では富国強兵路線が推し進められ、日清戦争の勝利から軍部の意見が強くなっていきました。
このドラマで徳永教授は植物学の分野でヨーロッパを追い越して世界の頂点に立ったと言いますが、同じドラマ内では台湾を下げずむ言動も見られるようになってしまいました。
アメリカは南北戦争まで人種差別が容認されていた国で、主人公の親友・祐一郎は人種差別を目の当たりにしていましたが、ドイツ留学の徳永教授や細田の言動だと日本人は相当みじめな扱いを受けていたように思えます。
万太郎は、万太郎が付けた現地語から採った植物の学名を日本風の学名に改めるよう命じた細田の命令を拒否し、あくまで純粋に植物学者として活動しようとします。
当然、万太郎は今後、植物学教室での扱いも悪くなるでしょう。
もしかしたら徳永教授は軍部に気を遣って万太郎を解雇してしまう展開もあり得るかもしれません。
後に治安維持法が制定され、この時代以上に万太郎への圧力は厳しくなると思われます。
図鑑に植物の名前を載せても、下手すれば軍部によって日本風の名前に変えられたり(*1)、図鑑自体が発禁になる可能性すらあり得ます。
「らんまん」はますます凄いドラマになりつつありますが、万太郎の理念は通用するのか注目したいです。
ここで気になるのは、「らんまん」は9月で終了予定であること。
万太郎のモデル・牧野富太郎は1957年まで生きていた人物ですが、ドラマはまだ明治時代。
しかも「最終章」が存在するようです。
「らんまん」はドラマの伏線を消化し切れるのか注目です。
(*1)戦時中、野球用語が日本語に改められたことはよく知られている事実です。
ログインしてコメントを確認・投稿する