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2023年08月16日22:17

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『リバー、流れないでよ』感想

〜上田誠率いる人気劇団「ヨーロッパ企画」が手がけたオリジナル長編映画第2作。国内外で高評価を得た長編映画第1作「ドロステのはてで僕ら」に続いて上田が原案・脚本、同劇団の映像ディレクター・山口淳太が監督を務め、冬の京都・貴船を舞台に繰り返す2分間のタイムループから抜け出せなくなった人々の混乱を描いた群像コメディ〜
〜京都・貴船の老舗料理旅館「ふじや」で仲居として働くミコトは、別館裏の貴船川のほとりにたたずんでいたところを女将に呼ばれ、仕事へと戻る。だが2分後、なぜか先ほどと同じ場所に立っていた。そしてミコトだけでなく、番頭や仲居、料理人、宿泊客たちもみな、同じ時間がループしていることに気づく。2分経つと時間が巻き戻り、全員元にいた場所に戻ってしまうが、それぞれの記憶は引き継がれるのだ。人々は力をあわせてタイムループの原因究明に乗り出すが、ミコトはひとり複雑な思いを抱えていた〜<映画.comさんより>

フォト


知ってたのはタイトルとポスター画像だけで、ほぼノーチェック作品。
予告も見たことはなく、まあスルーかなって思っていたら、いきなりSNSで絶賛の嵐。
「ループがめちゃ面白い!」
ループ???
ちょうど県内で、2週間限定の上映が決まり、何やら謎めいた心地で観賞。

そしたら、これがもう、面白いのなんの!!!!!
いやあ〜、脚本、よく出来てる。
場所設定がまずいいんです。旅館と神社とその間に流れる川。
旅館では、階段がとにかく何度も出てきて、時間経過のいいリズムを刻んでる。
神社への階段は長く、長く、いかにも、それはクライマックスに登場しそうで、実際、そうなった。
そして、リバー。2分毎にループされるけど、主人公ミコトの’初期位置’がリバー沿いなので、いつも、リバーに戻って、心も清らかに。

登場人物たちが、とにかく楽しい。
仲居のミコトは独特の話し方が可愛いし、番頭さんは人間味溢れる働き者。
若い料理人はループの分析を始めるし、料理長は雰囲気は怖いもののどこか可笑しい。

宿泊客たちも個性豊か。
久しぶりに再会して、楽しい時間を過ごしていた男性2人は、鍋を囲んでいたのだが、ちょうど、雑炊のところで、ループが始まったものだから、何度も雑炊を食べるはめになる(爆)
書けない作家と書いてもらわなきゃ困る編集者のせめぎ合い。

最初は皆、驚くし、どう対応していいかわからなくて、戸惑うんだけど、慣れてきたら、何度も階段を昇り降りするので、まずは体が疲れてきて、そっちの問題の方が大変に(笑)
で「どうせループするんだから」と、障子を破ってみたり、各自、普段考えないようなことを試みる。

感心したのは後半。
ループから抜け出したい人が大半だが、そこに留まりたい人も出てくる。
またループすることで、隠されていた本音が出てくる。
男性2人連れは、実は、それぞれ事情を抱えていた。。。
作家は、ずっとループすることで、締め切りが来ないことがわかり、くつろぎ始める。
また現在進行中の連載小説の中で、ある人物を殺してしまったことを後悔していたのだが、なんと、自分も旅館の2階から飛び降り自殺を試みて(どうせループするので、誰かが止めてくれてくれることを期待!?)、自殺する人の気持ちがわかったと(かなんとか)編集者に話し出す。

外では事故が起こったり、猟師もまた危ない行為を起こす。

ミコトは恋心を抱く料理人タク(まもなくフランスに行くことに決めている)と、2分間のデートを数回楽しむ。
時々、雪も降ってきて、プチロマンティックな雰囲気が醸し出されていました。

しかし、計ってないけど、あれ、ほんと、どれもきっちり2分だったのかなあ?

※予告編
https://youtu.be/Y5G8fqvrnXE

結局、ループはどうなるのか?
ちらっと出てくる、どことなく宇宙人みたいなドレスを着ている女性が鍵を握っていました。

エンドクレジットの音楽のところで、えっ?となった。滝本晃司?
たまのベースの人じゃん!なるほど、独特の謎めいた音楽だった、うん、うん。

私はかなり笑ったし、楽しめたんですが、巷の感想の中には「途中で飽きた」というものも。
なんとなく、演劇好きの方はのめり込めるかと。あのアイディアと工夫は本当に素晴らしい。
ただ、最後の最後は、もう一捻り、欲しかったかもしれない。
ずっ〜と面白かったゆえに、最後のシメは鍋の雑炊のように、完璧にしてもらいたかった。4つ☆

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