最近ボリューム調整の方法、パーツ、回路、方式などのことをよく書いています。
興味あるので、他意はございませんが、上記日本メーカーのVOLはどうなっているのか調べてみました。
一番粗いのはトランス式。
音質はLUXのプリアンプの中ではとても気に入っている真空管式プリアンプ「CL-1000」
https://www.luxman.co.jp/product/cl-1000
34ステップの精密な音量調節。フロントパネルに取り付けられた34接点スイッチには音楽信号は流れず、リレーを制御する電子回路のボリューム位置検出コントローラーとして働くのみですが、音量調節のたびに絶妙なクリック感を楽しんでいただくため、あえて精密な機械式スイッチを採用とあります(どうしてせっかくのロータリースイッチに信号を流さないのか興味深いです)。
LUXといえば、昔音質このトランス式ATTだけの製品も出していた覚えがありますね。
次は愛用の基本としてトランス切り替え式ながら、12時以下に固定抵抗も使う、愛機パッシブプリアンプ、コントロールマイスター Phasemation CM-2000です。
つまみの黒いものはオリジナルにはなく、アコースティックリバイブの特殊制振シートに加え、クォーツレゾネーター QR-8をツマミの鳴き止めと、遠くからでもポジションがわかるのが便利で貼ってあります。
カタログでは「音量調整機構にはセイデン製46接点大型ロータリースイッチを採用し、0dBから-34dBまでは1dBステップ刻みの音量調整」とあります。
実際にも真空管からトランジスターの各社や自作パワーアンプで-34dB以下の領域を使うことはありませんでした。
何度も書いていて恐縮ですが、プリアンプのVOL設計に試行錯誤されたWestern East社の三毛猫さんも太鼓判のこの「トランス切り替え式」のアッテネーターはオーディオ店経由でPhasemationが自宅試聴貸出してくれると思いますので、一度は試していただきたいです。
その次に粗いのはSOULNOTEのP-3です。
同社はリレー+固定抵抗タイプです。カタログからは「0.5dBステップで144段階のボリュームを構成」とあります。
LUXもC−10Xのカタログには自由に「音量調節部には、基板上に整然と並べられた固定抵抗器を切り替える電子制御アッテネーター」とあって、VOLの数字表示からは0.5dBステップとSOULNOTEと同じ方式に分類出来そうです。
LUXはトランス式と固定抵抗切り替え型という2種類のVOL回路があるのが興味深いですね。
LUXさんは設計の全部または一部を外注する場合があると聞いているので、この部分はイシノラボさんにかもしれませんね。真空管式も踏まえますと余計に。
Accuphaseさんも先日の長野オーディオフェアで初公開のC-2300から全てのプリメインアンプに至るまで独特の減衰アンプも含む多数の電流/電圧変換アンプを切り替えて組み合わせたAAVA回路という唯一の方式です。
C-3900プリアンプに関するものですが、ユニークな段階調整をAccuphaseから教えていただきました。
「無限小0から一つステップが上がったところが-95dBで、そこから最大が0dBです。
約250段階になります。」
このように減衰段階で減衰量を変えておられるそうです。
ESOTERICは先日のオーディオコアさんのESOTERIC アバンギャルド試聴会で聴いたGrandioso C1X soloは半導体スイッチ&固定抵抗タイプと思われます。
この一番上2個のチップがそれです。
何と!0.1dBずつの1,120ステップというのですから驚きますね。
これはロータリースイッチ式やリレー&固定抵抗で1,120もはコストやサイズの巨大化から無理でしょう。
営業の町田さんとの立ち話なので記憶違いがあるかもしれませんが、このVol方式はもともとPIONEERのハイエンドブランド、「Exclusive」で開発されたものが基本になっているそうです。
このブランドは現在消滅していますから、このボリュームチップの設計者がESOTERICに転職したのかもしれませんね。
オーディオ業界ではよく聞く話です。
個人的な感想に過ぎませんが、PhasemationやSOULNOTE、もしかしたらAccuphaseさんからは、せっかくそれなりに太い同社の7Nの無酸素導体の30万ないし70万円のラインケーブルで送られた信号が、髪の毛ほどの回路のVOLチップを音声信号が通って、音が痩せないか心配になるところですが、自分にはそういう弊害は感じません。
その辺のラジオなどに内蔵のIC VOLチップと異なり、220万円もするプリアンプにそんな部品は使わないでしょうと思いたいです(笑)。
お前はどれがいいんだ?とされたら・・・・
個人的には気に入って使っているからPhasemationのトランス式になります。
ただ、ステップが48段階に限られるため、ESOTERICの1120段階に慣れている方からの使い勝手はどうか?
今のところ、Phasemationのはステップが少なくて使いにくいとの評価は聞いていませんが。
またどのVOLがいいかも、三毛猫さん方式も含めて、各社はそれぞれ工夫された自分のところのものが最善とお答えになるに決まっています。
必要悪な部分ではありますが、プリアンプ、プリメインアンプはボリューム素子、回路、方式で主たる音質が決まるわけではないことは言うまでもなく・・・
各社共通しているのは、可変抵抗が姿を消していることです。
ガリの発生やギャングエラー、特にバランス回路でのこれは致命的ですから。
纏まらない締めにお付き合いありがとうございました。
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