mixiユーザー(id:8731805)

2023年08月05日10:40

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灼熱の古代遺跡

首都チュニス近郊のホテルから内陸部に向けて高速を2時間走ると荒涼とした岩石砂漠の丘陵地帯。水場の周りに灌木が少しだけあり、オリーブ畑と民家がパラパラと散在するだけの不毛の大地。

高速を降りて更に30分。こんな砂礫ばかりの丘陵地帯の小山に、保存状態が一番良いと言うドゥッガ遺跡が有りました。既に朝10時を回り灼熱。見学に1時間半も連れ回されて皆はグロッキー。

神殿や劇場など当時の姿を今も彷彿させる素晴らしいものですが、なんせ道路や広場が石貼りで太陽の照り返しが強烈。イタリア本国の遺跡は緑なのに、ここは赤茶けた砂漠・・ここで疑問発生。

何故こんな不便で荒涼とした山の上に遺跡群を築いたのだろう?
遠方を監視する城の役目だったのなら、城壁が見当たらないし?
水が無い、見渡して水源となる緑に覆われた山も水道橋も無い?

遺跡云々を言う前に人が住むには厳しい環境が気になりました。気候変動があり緑が失われたのに違いなし。当時のローマ帝国だって水を求めて各地で長大な水路と水道橋を建設し残しています。

目立つ円形闘技場よりも地味な水利施設の方が技術的には凄いと思う。スペインやフランスにある水道橋が有名。遠い山の水源から水を引くのに僅かな水勾配を与える技術。途中の水漏れ防止策。

これら疑問を帰国後に調べてみた。すると2000年前の方がより温暖な気候で、サハラ砂漠も緑野。このドゥッガ遺跡周辺も緑に覆われていたそうな。ただより温暖だったというのは奇異な感じ。

この遺跡が緑の農作地域にあったのなら疑問は解消。貯水池も近くにあるそう。ローマ時代の建築物が目立つこの遺跡は、最初にバンダル民族が次にフェニキア人そしてローマ人と続くのだそう。

さてこの世界遺産の円形劇場には、なんと音響と照明設備がありました。涼風の吹く夕方、古代遺跡に腰掛けて聞く演奏は素敵だろうなあ・・・灼熱遺跡を前に緑と涼に思いを馳せるのでした。
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