mixiユーザー(id:2173139)

2023年06月24日21:18

34 view

6/24(土) 吉野直子 @ 北本市文化センター

3ヶ月前、郡山市立美術館を訪れた際、ハーピスト吉野直子さんのリハーサルに遭遇しました。夕方から館内でコンサートを催すのだそうです。美しい音色にとても興味を持ったのですが、あいにく公演の予約は既に締め切っていました。

で、調べてみると、県内の北本市でリサイタルを開く予定があるというので、いい機会なので聴きに行くことにしました。ハープの本番演奏を聴くのは、これが初めてです。

プログラム:
・J.B. ルイエ (M. グランジャニー編): トッカータ
・J.S. バッハ (M. グランジャニー編): 無伴奏ヴァイオリンソナタ第1番 BWV1001 よりフーガ
・W.A. モーツァルト: ピアノ・ソナタ第15番 K.545
・G. フォーレ: 塔の中の王妃 作品110
・N. ロータ: サラバンドとトッカータ
- 休憩 -
・C. ドビュッシー (H. ルニエ編): アラベスク第1番
・M. グランジャニー: 組曲「子供の時間』作品25
・C. サルツェード: 夜のうた
・H. ルニエ: ピエス・サンフォニック [交響的小品]
- アンコール -
・E. グラナドス: エピローグ

「編」とあるのは、ハープ向けの編曲者。驚いたことに、モーツァルトのピアノ・ソナタはそのままハープで弾けるんだそうで、「編」が付いてません。「編」の記載のない他の曲は、ハープ向けに作曲されたものです。

そのモーツァルトのピアノ・ソナタが、軽く衝撃でした。いい意味で、曲の印象が変わりますね。私はハープのほうが好きになってしまいました。

ドビュッシーのアラベスクも、ハープ演奏にはぴったりでした。まあ流麗な曲なので、プログラムを観た瞬間「確かにこれはハープ向きだろう」と想像はつきました。あとバロックの曲も、ハープに合います。今日の曲目だと、ルイエとバッハの 2 曲がそれ。

他はハープのために書かれた曲ですが、「レクイエム」で有名なフォーレや、映画音楽もこなしたニーノ・ロータ (ゴッドファーザー「愛のテーマ」も彼の作) がハープの曲を作っていたというのは意外でした。

一方、グランジャニー、サルツェード、ルニエは、いずれもハープ奏者でもある作曲家です。サルツェードとルニエの作品は、意欲的に新たな試みを取り入れていて、けっこう前衛的な趣きでした。

それから、公演中に吉野さんがハープの構造のお話もして下さって、これも興味津々な内容でした。47 本の弦が張ってありますが、出る音はドレミファソラシド全音階分だけです。半音上 (#) や半音下 (♭) の弦はありません。

じゃあどうやって#や♭の音を出すかというと、足でペダルを操作することで、弦の音を半音上げたり下げたりできるんだそうです。ペダルは 7 つあって、ドレミファソラシの音一つずつに対応します。で、それぞれのペダルは3段切り替えで、#-♮-♭を切り替えると。

つまり転調や、臨時記号で#♮♭が出てくる度にペダルの操作をするってことですよね。奏でる姿は優雅に見えて、演奏はけっこう大変なんですねぇ。実際「ペダルが 7 つある」と説明したところで、会場からどよめきが起こりました 笑。

他には、弦はギターのように爪弾くことはせずに指の腹で弾く、小指を除いた4本の指を使って両手で弾く、とか。

初めてのハープのリサイタル、とても愉しませて頂きました。
4 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2023年06月>
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930 

最近の日記

もっと見る