mixiユーザー(id:1732607)

2023年06月18日21:46

131 view

ゆがみ

普通に普通の毎日を過ごしていれば、まっすぐ伸びていくものが、ある出来事でズレが生じて、不自然な伸び方になる。

11歳のときに姉が交通事故で死んだ。
その日の朝は、祖母が死んでいた朝だった。
母に起こされた僕と姉は、おはようより先に、おばあちゃんが亡くなったと聞かされた。
姉は、その日の昼過ぎに、葬儀屋の手違いで届かなかったしきびを買いにスクーターで出かけ、バスに轢かれて亡くなった。

出来事、事実はそれだけのこと。

しかし、割と平和で堅実な生活を送っていた、残された父母、僕は、その後いろいろとおかしなことになってしまった。

怪我や入院をしたときに備えてかけていた生命保険も、一番悲しい形でゼニに変わってしまったんだと思う。子供だった僕には、子供だからと何も知らされはしなかったけど。

何ヶ月が経った頃、墓石屋がかわるがわる来るようになった。


当時、うちのお墓は、クルマで1時間半くらいかかる山の中にあった。
父と母は、姉にひんぱんに会いにいきたいからと、近くに墓地を求めた。
墓地を探しているという情報は、すぐ墓石屋に伝わるんだろう。
いろんな墓石屋が毎晩、我が家を訪れた。

仏壇を前に、唸り声をあげ、泣き崩れるものもいた。水子供養をきちんとしてないから、このような悲劇が起きたんだそうだ。
泣き喚き、床を這いずり回って、苦しそうにしていた。
いや、この男に家族がいたなら、この様を見せてやりたい。そう思っていた(笑)
いまなら簡単に携帯電話で動画が撮れるけど(笑)

しかし、父母はそれを真に受けてしまった。

祖母は、祖父からすると、若くして亡くなった前妻があっての後妻だったが、前妻さんと一緒のお墓に入って形見の狭い思いをしたくないから、姉を連れて行った‥なんてことを言う者もいた。墓石だけ売っておけばいいものを(笑)

つまりは、前妻さんと、祖父、祖母の墓石を分けろってことだったらしい。
ふざけんな。僕の大好きな大好きな従兄弟の兄ちゃんは、前妻の孫だけど、僕のことを本当に可愛がってくれた。
従兄弟の兄ちゃんのお婆ちゃんを馬鹿にするなと腹が立った。

墓地は車で45分かかるところへ見つかり、隣接する2区画を父は買った。
それくらいの金は保険金でダブついてたんだろう。

その2区画には、そもそもいるかどうかもわからない水子を供養する地蔵があり、先祖墓と一瞬見えるけど、祖父の前妻さんと幼くして亡くなった前妻さんのお子さんの入られた供養塔みたいなのがあり、祖父祖母の墓石、ひとつ空けて姉の墓石がある。

あとは、父と母が、ひとつ空いたスペースに収まれば、完成となるわけだ。

さてと、残された長男の僕と妻はどうすればいいんだろう(笑)
俺、がんばって子供も5人も作って育てたんだけどな(笑)

結局、父と母の自己満足の詰まった、自分たちだけが楽しいお墓ができてるわけだ。
そりゃまあ、こういう作りにすれば、墓石屋は儲かっただろうな。
我が家の未来やら将来やらを全く考えてないんだから。


僕はオヤジが死んだら、いまある墓石を全部潰して、先祖代々墓に作り替えるつもりでいる。

あと、母も交通事故で亡くなったので、また墓石屋や占い師の類が群がってくるかと、
来たら、徹底的にいびり倒してやろうと手ぐすね引いて待ってたけど、
それは来なかった。
墓石をやり替えるときに、いろいろやってくるかもしれないけど、そのときはかつて11歳のなにもできなかった少年の無念さを晴らすために、徹底的に、とことん徹底的に、そいつの人生を潰してやろうと思う。
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2023年06月>
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930 

最近の日記

  • 老害

    2024年04月24日05:44

もっと見る