14日午前9時10分頃、岐阜市の陸上自衛隊日野基本射撃場で、
18歳の自衛官候補生が男性隊員3人に向け小銃を発砲し、
2人が死亡する事件が起きました。
昨日、この事件を知った時に真っ先に頭に浮かんだのが、
先日観た映画の「フルメタルジャケット」でした。
この映画は、ベトナム戦争の話ですが、その前に多くの時間を割いて、
アメリカ軍の海兵隊での新人訓練の様子が描かれています。
教官に虐められ、仲間からも嫌われていた訓練生が、
卒業の前に、教官を射殺して自分も自殺するとのエピソードが描かれています。
海兵隊の教官は情け容赦なく罵り、徹底的に新人を責め立てます。
そうしないと、兵士本人も周囲の仲間も危険だからとの理由なのでしょう。
実際に自衛隊でどのような訓練が行われているのかは分かりません。
殺傷能力のある兵器を扱う訳なので、訓練は厳しいものがあるとは思いますが、
現代の若者の状況を踏まえた訓練が行われているのでしょうか?
陸上自衛隊では、1984年、陸上自衛隊山口駐屯地・射撃場で、
訓練中の自衛官の小銃発射事件がありました。
2等陸士(当時21歳)が64式小銃を同僚の自衛官に向け3発発射し、
4人が重軽傷を負い、うち1人が翌日に死亡しました。
この2等陸士は、殺人などの疑いで送検されましたが、
その後の鑑定で「犯行当時重度のうつ病だった」と精神鑑定を受けて、
不起訴処分となっています。
今回の自衛官候補生の動機や精神状態などは今のところ明らかになっていません。
1984年の事件の時には、2等陸士は小銃と実弾を持ったまま自衛隊車両で逃走し、
2km離れた山林で逮捕されるまで5時間かかっています。
今回の事件のあった射撃場の周囲には住宅があるとの事ですので、
周囲の住民は不安でしょうね。
岐阜市だけでなく、同様の立地条件は全国各地にあります。
下野新聞では、背景に隊員不足があるかも知れないとの話が出ていました。
2021年には、応募者は2万8千人で、実際に受験した人が2万4千人弱、
合格を出した1万7千人に対し1万2千人が辞退し、
採用出来たのは5350人で、計画達成率は86%だったとの事です。
防衛省幹部は、
「自衛官のなり手がいない事に原因の一端がないか、
採用基準を下げていないか、
改めてチェックする必要がある。」と述べているとの事です。
自衛隊では、
昨年の女性隊員に対する性暴力問題、
今年のヘリコプター事故、
そして今回の事件です。
岸田総理は防衛力の増強に躍起になっているので、
防衛省は追い風だと考えているかも知れませんが、
足元は大丈夫なのかと言う気になります。
【今日の一句】
急な雨 しっぽり濡れる 二人連れ
ログインしてコメントを確認・投稿する