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2023年06月11日16:13

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軽井沢バス事故の判決は国交省が喜ぶ判決

軽井沢バス事故の判決は、重要な意味を持つ判決になりました。
このような事故で、運行会社の社長や運行管理者が責任を問われ、有罪になる事は初めての判決です。
どんなに管理が杜撰でも、過去の事例では、社長や運行管理者は罪に取られる事は有りませんでした。
これは当たり前の事で、体調の急変、疲労からの居眠り等なら、事故との直接的な関連は認められますが、技量未熟はかなりハードルが高かったのです。それが今回は認められた。
これは管理官庁の国交省が、待ち望んだ判決だったと、私は考えています。
勿論、国交省が事故を願っていたわけではありません。ただ、社長や運行管理者を罪に問い、有罪に出来る判決を望んでいた。という意味です。

今回の軽井沢バス事故は、管理に対する責任を強調できるという事で、国交省には最大の追い風だった。というわけなのです。
国交省の運行管理に対する姿勢は、小泉構造改革で、観光バス業界に参入し易くなった後は、本当にユルユルになりました。
観光バス会社が乱立し、運行台数は倍増し、運賃は値崩れし、運行会社よりも、ツアー企画会社が優位に立ち、運行の走行距離規定も事実上の撤廃となりました。
走行距離が 500km を超えたらツーマン運行の規定も消えましたから、私などは東京から八幡平を1日で往復した事も有ります。深夜1時に出発し、東京の大井町に夜の8時半に到着させました。
スキーツアーでも、朝8時に池袋を出て、鹿島槍ヶ岳に白馬、栂池に行き、その日の夜には新宿まで戻って来たり、普通のツアーでも、横浜と町田から出発し、渥美半島の先端の伊良湖岬のホテルに送って行き、慌てて昼飯と簡単な掃除をして、帰りのお客様を浜名湖、焼津を観光させてから、町田と横浜に戻る。こんな仕事を当たり前のようにして来ました。
出庫から帰庫までの走行距離は、 楽に700km 以上にもなりました。長距離トラックの運転手の方は、それ以上の距離を走った。という方も居るでしょう。私も経験していますから判ります。午後6時から夜間走行で翌日着、走行距離は東京から博多に昼、なんて仕事もしました。それも山陽高速道路が三次までの時代です。
そんな私の体験からすると、距離は多少短くても、観光バスの方が疲労は激しい。のです。
観光バスでは、走行は全て運行指示書に従って走行するからで、トイレから食事に休憩時間まで、管理されて動くからで、体をそこに合わせるからキツイのです。
トラックなら、自分の体調などに従って走行しますから、この違いは大きいのです。

この流れが変わったのが関越道のバス事故で、安全管理に努力する機運が生まれ、安全運行マーク、ハートマークと言われる物が始まりました。
星が最高で3つ。規定に満たない会社は、この星を減らされる事も有りますし、星3つになるにも時間がかかり、年に一度の審査をクリアして星を増やしていくのです。

私も以前に、規制緩和後の運行管理に対して、しっかりと初任者講習を行うべきだ。と書いてきました。
その意味では、管理者の監督責任を認め、有罪にした判決は、警鐘を鳴らしたという意味では効果は大きい。と思います。
判決直後に、ご遺族やその関係者、有識者らしき人などが歓迎のコメントをしたのも理解は出来るのです。
勿論、国交省も直ぐにコメントを発表しました。が、しかし、しかしなのです。
この裁判は、事故原因が土屋運転手の技量未熟である。との結論から始まった、事故の予測可能性を問う裁判だった事を、しっかりと考えなければなりません。
事故原因に関しては、私が何回も何回も書いた通り、技量未熟で決めつけられない物が有りますし、ガードレールが規定の強度が無かったという事実も有ります。
ガードレールが規定の強度で有った場合、バスは転落しなかった。という可能性が高いわけです。
転落しなかったなら、犠牲になって亡くなった皆様は、全て生きていた可能性も高くなり、裁判の様相はかなり変化したと思うのです。
土屋運転手が生きていたら、技量未熟でブレーキを踏まなかった。という事故原因などは、真っ向から反論する事でしょう!

私は、この裁判の判決文を知る立場ではありませんが、判決には明らかな事実誤認が存在します。これは現時点では書きませんが、証人の証言の意図的な嘘を取り上げている事です。
事故調査委員会の報告書の事故原因は、加速する程度にブレーキを踏んでいた。になっていますが、検察はブレーキは踏まなかった。です。
この違いが有るにも関わらずに、判決には事故調査委員会の実験走行はデータが引用されている。
これは、判決に都合が良い部分を集めた結果ではないか?
先に有罪という結論が存在した裁判だった。という疑惑が捨てられないのです。

昨年、小山バス横転事故が発生致しました。こちらは明らかな経験不足=技量未熟で、私が仲間に聞いた運転手の技量に関しても、未熟だったという声が多かったのです。
私もこの事故でも何回か投稿しましたが、総体的な技量未熟だと考えています。
それを指摘した仲間は、軽井沢バス事故に関しては技量未熟だとは言いません。
あの事故現場を知る人ほど、ブレーキの異常や車体の異常を疑っています。
私は、軽井沢バス事故は結論ありきの判決ではないか、と疑っていますが、小山バス横転事故は、国交省が求める初任者講習の充実に対する、追い風になる裁判だと思いますので、軽井沢バス事故の控訴審では、事故原因の追求がきちんと行われる事を期待しています。
高橋被告も荒井被告も、危険を感じもブレーキを踏まない運転手が居るなど、予測は出来なくて当たり前です。
従来の判例も無視した有罪判決などはしないで、真の事故原因を追求する事こそ、犠牲者の御霊を安らげる唯一無二の方法です。
そしてそれが、法に則った公平で合理的な判断だと、私は信じています。
初任者講習の必要性は全くその通りで、この軽井沢バス事故では、それがしっかり行われなかった事と、管理体制にも大きな問題が有った事。これはと色めき立った結果の、この有罪判決へのシナリオを感じさせる流れ。
目指す事は良い事だからと、隠蔽や改竄を繰り返した自公政権の歪み。私はそれを強烈に感じてしまうのです。
規制緩和だと安全規定を滅茶苦茶に緩め、重大事故が発生すると、掌を返して規制を強める国交省。
安全にはそれなりのコストは必要だと、それも理解せずに付和雷同する国民。
それら全てが、この軽井沢バス事故判決の闇を形成しているのです。

ごまめの歯ぎしりの、届かない叫びでした。
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