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2023年06月01日22:30

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渡辺明の諸行無常と将棋界の行く末

■藤井、20歳10カ月最年少名人=史上2人目の七冠―将棋
(時事通信社 - 06月01日 19:31)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=7434188

 藤井六冠が名人を奪取し、「竜王・名人」と「七冠」の称号を得た。
 この日記で「諸行無常」といえば、競輪の神山雄一郎を指すことが多いが、虎の子の名人を失い、18年ぶりに無冠となった渡辺明九段にも同じことが言える。ただ、渡辺はまだ39歳であり、豊島九段と同様、不惑を前にして藤井七冠にあっさりと天下を獲られたので、神山以上の諸行無常感がある。若かりし頃の渡辺は生意気が服を着て歩くところがあったようだが、年齢を重ね、藤井七冠にタイトルを奪われたことで、自分のイケイケだった頃の羽生九段の立場(追われる立場の大変さ)を知ったことだろう。

 藤井七冠の記録はいろいろあるが、一度も失冠・挑戦失敗をしないまま七冠というのもすごい記録だ。ただ、八冠達成に必須な王座戦の挑戦者決定トーナメントでは、あと3連勝しないと挑戦者になれない。今の藤井七冠なら何てことないかもしれないが、もしかすると羽生九段と準決勝で激突することがあるかもしれないので、その展開に期待である。

 ただ、心配なのが今後の将棋界。将棋に限らず、興行の世界において、「1強」では盛り上がりにも限界があり、藤井七冠のバブルもあと少しかもしれないからだ。このまま藤井七冠が八冠になったとしても、その後はどういうことで盛り上がるのか、となる。昭和40年代に無敵を誇ったV9時代の巨人でも、NPBの観客動員数を見ると、案外パッとせず、テレビ視聴率でもV9時代ではなく、長嶋・王が引退した後の方が良くなっていることが分かる。今の時代においても、そのあたりの心理は変わらないと仮定すれば、いつまでも藤井七冠のおやつや昼食で盛り上がることはないのである。

 将棋はプロ野球と違い、日本将棋連盟に所属するしか収入の道はない。巨人・阪神といった球団を選ぶことはできず、プロ野球以上の優勝劣敗の世界と言ってよいかもしれない。すると、プロ野球のようなダイナミズムを生むことが難しいと考えることもできる。さらに、今後も少子化が進むので、藤井七冠のような天才が将棋界に進む可能性も低くなるかもしれない(これは将棋界に限らない話だ)。日本将棋連盟もそのあたりは認識しており、普及活動に力を入れていると思うが、十年後の将棋界がどんな光景になっているだろうか。
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