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2023年05月02日07:17

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小噺0409 世界大恐慌

学生時代の教え子(今は主婦)の質問に何度か答えたことがあります。それらは本稿に引用させてもらいました

。
彼女は「先生の説明はわかりやすいわ。ネットに書いてあることは難しいけど」と言ってくれます。その彼女から新たな質問「100年ほど前に今より酷い不況があったそうだけど説明して」が。

それ、おそらく1929年10月に始まった「世界大恐慌」のことだと思いますが、まず現在は不況ではないことを認識しておいて。
不況とは、需要がない(売れない)ので経済が停滞する状況のことですが、今は需要はある(売れる)状況です。日本は長いデフレでモノの価格が抑えられている上に、賃金や金利が低いままなので経済停滞(＝不況)に見えますけどね。

さて世界大恐慌です。これが起こったふたつの背景を知っておきましょう。
①1920年代、第一次世界大戦(1914～18年)で戦場にならなかったアメリカは、戦禍でボロボロになっていたヨーロッパに様々な物品を輸出していました。製造業も流通業も潤っていたのです。
②アメリカでは株式投資ブームが起こって投資家だけでなく一般庶民もこぞって株を買い求めました。その結果、1924～29年に平均株価は5倍になったんです(株は永遠に上がり続けるという神話も生まれました)。

だから人々はウハウハだったんですね。誰もが金持ちになったと錯覚して、不動産やクルマ、それまでに発明されていたものの価格が高かった電気冷蔵庫や掃除機、洗濯機などの耐久消費財が飛ぶように売れる活況を呈しました。日本で1986年12月～1991年2月に起こったバブル景気はこれに酷似しています。

第一次世界大戦の影響が薄れてきてヨーロッパの経済が復活してくると、それまで「作っただけ売れる」状況だったアメリカの製造業者の売れ行きに陰りが。
当然設備投資を縮小しますわな。そうなるとモノを買わない(売れない)ようになって企業の業績が悪くなる。コリャえらいこっちゃ！と悲壮感が蔓延して1929年10月24日(木曜日)に株価が大暴落したのです。"Black Thursday(暗黒の木曜日)"と言われています。
この流れは止まらず、翌週の10月29日(火曜日)には更なる暴落が。誰もが株を処分しようとしたのです。この日は後に"Tragedy Tuesday(悲劇の火曜日)"と呼ばれるようになりました。株価チャートを見るとその急速な下落には驚かされます。

https://images.app.goo.gl/MyVDJt4yYu4CF3wG7

多数の企業倒産とそれに伴う失業者を生む事態になり、パニックに陥った投資家・庶民は株だけでなく不動産も投げ売りを。未曾有の恐慌(不況と呼ぶには不充分)が沸き起こり瞬く間に世界中に波及しました。特に第一次世界大戦からの復興資金をアメリカから借りていたヨーロッパ諸国が被った影響は甚大でした。

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