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2023年03月19日09:12

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『フェイブルマンズ』感想

〜「ジョーズ」「E.T.」「ジュラシック・パーク」など、世界中で愛される映画の数々を世に送り出してきた巨匠スティーブン・スピルバーグが、映画監督になるという夢をかなえた自身の原体験を映画にした自伝的作品〜
〜初めて映画館を訪れて以来、映画に夢中になった少年サミー・フェイブルマンは、母親から8ミリカメラをプレゼントされる。家族や仲間たちと過ごす日々のなか、人生の一瞬一瞬を探求し、夢を追い求めていくサミー。母親はそんな彼の夢を支えてくれるが、父親はその夢を単なる趣味としか見なさない。サミーはそんな両親の間で葛藤しながら、さまざまな人々との出会いを通じて成長していく〜<映画.comさんより>

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第95回アカデミー賞で作品賞、監督賞、脚本賞、主演女優賞(ミシェル・ウィリアムズ)、助演男優賞(ジャド・ハーシュ)など7部門にノミネートされていましたが、無冠に終わった作品。

2回観ました。
1回目は予想していた物語とはかなり違っていて、戸惑ったというか。
そうこうしているうちに、内容に入りこめないまま、表面だけ観て終わった感じだったんです。
「何か見落としてる」
そう確信して、地元で上映があるうちに、2回目を急いで観てきました。

2回目の感想は・・・素晴らしかったの一言。

冒頭は、怖がりのサミー。
家族で映画館の前にいるのに、なかなか入る決心がつかない。
父親は「映画とは・・・」と技術面を長々と語り説得を試みる。
一方母親は「映画はドリームなの」
そう、この夫婦は、科学vs.芸術と、それぞれ違った本質を持つ。
その狭間で、サミーは育つ。

またこの家族はユダヤ系ゆえ、周囲とは生活習慣が違ったり、引っ越し先や学校で差別を受けることがよくあった。

母親の母が亡くなり、母の兄のボリス伯父さんが家にくる。
サーカスからハリウッドに転身したという破天荒な人生を送ってきた人物。
ボリスが残していく言葉がサミーの心に突き刺さる。
「家族と芸術を両方大事にすることはできない」「芸術は家族を引き離す」

映画作りにのめり込んでゆくサミーだが、映画の素晴らしさと同時に恐ろしさにも気づいてゆく。
・家族キャンプで偶然にもカメラが捉えてしまったしまった母の本心。
・高校生たちのおさぼり日をボランティア撮影。そしてプロムでの上映。
いじめっ子のチャドに対しては、彼への復讐の如き、惨めな姿を映し出し、チャドの上に立つローガン(スポーツでは学校のヒーロー的存在)には、誰から見てもかっこよく、まばゆいばかりの光を与えた。
ローガンの元から去っていたGFは、その映像を見て、ローガンの元に戻ってきた。
だが、ローガン本人は怒り狂った。
「どうしてあんな事をしたんだ!」
この場面は深かった。サミーはローガンを傷つけるつもりは全くなかった。
どうしてローガンがそこまで動揺し狼狽えているのか、理解できない。
ローガンは日々のトレーニングで自らを鍛え、だからこそスポーツには自信がある。
それでも、人間としては完璧ではない。心はいつも不安だらけだ。
だが、あの映像の自分は、あまりにも、無敵で・・・違う、あれは本当の自分じゃない。

映画というものは・・・真実も嘘も映し出す。

クリップ好きだったシーン
・キャンプで、ミッツィ(母)が踊るシーンのこの構図↓
奥にはベニーがつけた車のヘッドライト。手前には父が火をつけた焚き木。
その2つの異なった灯り(愛情)の間で、母が踊っている。。。いやぁ〜、これ何気に心臓バクバクした。
・祖母が亡くなる瞬間、サミーが見ているのは祖母の首筋の血管。
・両親の離婚が決まるという時。妹たちは取り乱し、家族がまさに今、破壊されてゆくというその時に、もう1人のサミーがその様子をカメラで撮っている!!!!!
・終盤のロサンゼルス。疲労がつのり、もう大学には行きたくないと語るサミー。
父の上半身の影が壁に映る。次の瞬間、父は動くが、影は動かない。えっ?えっ?
かつての父なら「ちゃんと大学は行きなさい」と言うだろう。だが、父は変わった。
「無理しなくてもいい、自分が行きたい道を歩みなさい」みたいなことを言う。
あの動かなかった影は・・・もしや、母親?
ちなみに、この部分は、100%の確信はありません。見間違いかも。
間違っていたら、本当にすみません顔(願)あせあせ(飛び散る汗)

※予告編
https://youtu.be/0MgFAcCjdvo

物語の展開中、唯一停滞したのはモニカとの「祈りましょう」のあたり。
あとは、ずっと引き付けられました。

キャスト陣は、皆、本当に素晴らしかった!
サミー役ガブリエル・ラベルの純粋さ。
ミシェル・ウィリアムズはもう天才としか。
ポール・ダノの上手さはオスカーノミネート級。ダノの凄さがもっと認識されてほしい!
サミーの妹たち、とりわけ、一番年上の子がめちゃ上手かった。
デビッド・リンチのジョン・フォードも良かった。
逆時計回りでフォード監督作品のポスターが次から次へと映し出されるとこは、ウルッ。
「水平線」の話は知っていたので、にんまり。

共同脚本 トニー・クシュナー
撮影 ヤヌス・カミンスキー
音楽 ジョン・ウィリアムズ
字幕 戸田奈津子先生

「すべての出来事には意味がある」
この言葉が心に刻まれました。

1回目は3.5☆。でも2回目はほぼ満点に近い4.5☆
本当に素晴らしかった。2回目はずっと感動してた。いや、マジ。
なんていうか・・・やっぱりスピルバーグ監督はすごい!!!!!
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