『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』感想

〜カンフーとマルチバース（並行宇宙）の要素を掛け合わせ、生活に追われるごく普通の中年女性が、マルチバースを行き来し、カンフーマスターとなって世界を救うことになる姿を描いた異色のアクションアドベンチャー〜
〜経営するコインランドリーは破産寸前で、ボケているのに頑固な父親と、いつまでも反抗期が終わらない娘、優しいだけで頼りにならない夫に囲まれ、頭の痛い問題だらけのエヴリン。いっぱいっぱいの日々を送る彼女の前に、突如として「別の宇宙（ユニバース）から来た」という夫のウェイモンドが現れる。混乱するエヴリンに、「全宇宙にカオスをもたらす強大な悪を倒せるのは君だけだ」と驚きの使命を背負わせるウェイモンド。そんな“別の宇宙の夫”に言われるがまま、ワケも分からずマルチバース（並行世界）に飛び込んだ彼女は、カンフーマスターばりの身体能力を手に入れ、まさかの救世主として覚醒。全人類の命運をかけた壮大な戦いに身を投じる〜＜映画.comさんより＞




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　


そうか『スイス・アーミーマン』の監督だったのか。
アカデミー賞では作品、監督、脚本、主演女優ほか同年度最多の10部門11ノミネート。
これは、観るしかないですよね。期待大で公開初日に行きましたとも。

でも、結果として・・・私向きではありませんでした。
始まってしばらくは面白く観てたんですが、ある時点からどんどん置いていかれ、犬の酷い扱われ方でこちらから離れました。

国税庁に確定申告に行く。コインランドリーの経営。優しいけど頼りにならない夫。同性愛者の娘。要介護の父親。
このあたりの話を面白おかしい人間模様で進めてもらうだけで、私には十分だったのですが・・・マルチバースとやらが出てきてしまって・・・いやはや。

最強におかしな行動をすればマルチバースをジャンプできるという設定がまずダメで、行ったり来たりっていうのも、私の年齢ゆえなのか、ゲームしない人間だからなのか、まるで面白く感じられず。
どんどん生理的に受け付けなくなりました。

※予告編
https://youtu.be/XWqA-qslpAk

カンフーとの相性は面白かったし、俳優陣は、素晴らしかった。
岩のシーンは斬新なしみじみ感。

そうそう、字幕で気になったことが。
ちょっと自信が無かったので、その事には触れないつもりだったんですが、昨夜、twitterでフォローさせていただいている映画通の方が同じ指摘をされていたので書きます。
ディアドラ（ジェイミー・リー・カーティス）の台詞「Pardon my French」の字幕が「フランス訛りで失礼」
いや、違うってば。その表現はイギリスでも何度も聞いたからわかる。
「お下品な言葉、失礼をば」っていうイディオムなんだってば。
なんで、劇場公開まで誰も指摘しなかったんだろう。

あと、そうそう、公式サイトのstoryには、ややネタバレっぽいこと書いてあるので、事前に読まない方がいいです。

最後に、個人的な意見としては、ミシェル・ヨーには、今作ではなく、なんというか、ヒューマンドラマジャンルでいつか女優賞を獲ってもらいたいかなと。
まあ、でも、チャンスは何度もあるわけじゃないし、いいのか、今作でオスカーでも。

巷は大絶賛の感想も多し。でも、私には響かない作品でした。３つ☆