冬の小さな話

この冬、友人からいただいた詩。また今年も声に出せない〜この感性が好きです。

「冬の小さな話」山木弓
冬の木々の小枝のすき間を飛び交う
光の粒子
その美しさは冬のきらめき
あれが好きなんだ、と
毎年楽しみにしているんだ、と
隣にいるきみに打ち明けようとして
また今年も声に出せない
心の奥底に生まれる秘かなものを
言葉にすることの恥ずかしさ
臆病と傲慢をないまぜにしたマーブルケーキ
くだらないのに、いとおしい
踏みつぶして進みたいが
惜しくて、また、とどまる
― それは奴隷根性だ
と、ダダイストに怒られる

※ダダイスム（仏: Dadaïsme）は、1910年代半ばに起こった芸術思想・芸術運動のことである。ダダイズム、ダダ主義あるいは単にダダとも呼ばれる。第一次世界大戦に対する抵抗やそれによってもたらされたニヒリズムを根底に持っており、既成の秩序や常識に対する、否定、攻撃、破壊といった思想を大きな特徴とする。ダダイスムに属する芸術家たちをダダイストとよぶ。