ちょっとしたエピソードをば。
僕の会社の後輩が、派遣従業員を何人か使って仕事を回してよいという何とも恵まれた環境にあるんだが、中には使えない人も当然いる。
彼の場合は、自分がよほど優秀だという勘違いがあるのか、ことごとく割り当てられる人を減点評価し、あの人は使えないこの人は使えない、という愚痴を聞くのだが、まあ普通に社会人やっていると、使えない人がいるのは確かにあるが、そんなに全てが使えない人材か？と疑問を持ってしまう。
ある時、またしても使えない人を割り当てられた、という話を聞いたんでどんな人か見に行ったら、確かに顔は発達障害っぽく（失礼）、挙動も怪しくちょっと避けたくなるような外見ではあった。
よく話を聞くと、その人は東大出身で地頭は良いそうなのだが、コミュニケーションに難があるという。さらに聞くと、スラックで疑問に思ったことはただちに聞いてきて、忙しいので後で回答すると返事をすると、１時間後くらいに「自己解決しました」という返事がくるという。
これって、まあ目の前にいるのに直接会話しないでスラックをするのもいかがなもんかというのはあるが、そんな人今時いっぱいいるし、それよりも問題点にすぐに気づき質問し、今回答を得られないとわかれば自分で解決する、という実に優秀な能力ではなかろうか？
そうなると、僕の後輩君。地頭はいいけど仕事はできない、東大出ているけど仕事はできない、と言っていたがそれは当てはまらない。仕事がうまくまわせていないのは管理している君に責任があるって思われちゃうよ、、ということになる。
さて、このエピソードを紹介したのは、東大出身者って、案外そのように思われてしまうのが気の毒だなあ・・ということ。
「東大は出たけど仕事ができない。勉強できるからって社会で活躍できるとは限らない」と言われてしまいがちなんだが、僕が今まで出会ってきた東大卒の人は、どの人も例外なく仕事が出来た。
だから、東大卒の人は、その実際は評価されずに、マイナスポイントばかりを見つけられて蔑まされる傾向にあるんだろう。
ここで不思議なのが、東大卒の人に万能を求める人。
例えば人格がすぐれているとか、コミュニケーション能力が高いとか、場を盛り上げられるとか、そういうのまで評価して、「東大でたのにダメな奴」って評価してしまう。これは物凄く間違いなのだ。
日本最高学府の東大出身者は、その学力・知力・地頭が良いことが評価されるべきであって、何でそれ以外を求めて評価するんだろう？
瓦職人に配管工事もやれっていっているようなもんじゃないか。
東大生は、その受験競争を勝ち抜き（実際に大学受験したものならわかると思うが、東大の入試って本当に難しい。あれを突破できる人は素直にすごい）、大学でレベルの高い専門的な勉強をやってきた人たちである。
なかには万能な人もいて、この間テレビに出ていた東大理�靴凌佑蓮�医師免許はもちろんのこと司法試験も公認会計士試験も取っており、さらにテレビの企画で「太鼓の達人」の超難易度のやつをいともあっさりクリアした。
こういう万能な天才肌の人は、何をやっても出来てしまう脳味噌を持っているのでもはや凡人には理解不能な領域である。
努力で東大に入ったような人は、おそらく専門バカになっていくんじゃないかという気がする。専攻した専門の学問に、これまた高い集中力で取り組んでいることだろう。
東大生にはその専門性を期待すればよく、その専門分野以外はからきし無知であっても、東大生である価値は全く下がらない。
天才肌の人も、努力肌の人も、何かに対して根気強く集中する能力は証明されているわけだし、そのような能力の人を使いこなせなければ、使いこなせない人が無能なのである。
ちなみにだが、僕の実感では、東大出身者は、仕事は物凄くできるが、サイコパス傾向の人が多いかなあ、、というのは確かにあるな。意識的か無意識的かわからないが、結果を出すことのみに邁進しすぎてその裏で誰かが病んでしまったりしても、全く意に介さないという人は何人かみた。
ただ、結果を求められる仕事の場では、その能力は重宝されるわけだし、そのあまりの無機質な結果主義に病んでしまう人のケアは他の人がやれば良いだけなのだ。
まあ良くも悪くも、それだけ世間の人々から東大生である、東大出身であるってことだけで注目されてしまうのだから、やはりすごいんだろうなあと思う。
東大生を蔑みたいのは、いわゆるルサンチマンなんだろうが、いい歳してのルサンチマンてみっともない限りだよ。
以前日記に書いたことだが、東大の駒場祭に行ったときに、出店や研究テーマ展示の部屋などは、どれも実に面白く、東大生がわかりやすく丁寧に解説してくれた。
大人顔負けの問題意識と学生特有の理想論が混在していたところが、妙にはまったのだが、こういうのって、他の大学にはなかった。
他の大学は、そこそこ優秀な私大でも、どっか子供臭く自分勝手で自己満足なところがあって（上智なんかひどかったなあ・・）、折角行ったのに何か嫌な思いをしたのだが（まあプロのサービス業じゃないんだからという言い訳も出来そうだが、出店などは少なくともいくらか払っている）、東大は学生の受け答えを含め非常に満足いくものだった。
東大出たって所詮は、、というような人は、そういう実態を実際に自分の目でみてほしい。
自分が見聞する世界には、もちろん限りがあり全部が全部の実態なんぞわかりっこないんだが、僕は極力、自分の目で見て、耳で聞いて、感じ取ったことで判断していきたいと思う。
単なる周りの人の偏見や、ネット情報だけでは、どうしても目が曇ってしまう。
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