何度か書きましたが、私は老人介護施設で介護以外の様々な仕事をしています。
トイレが詰まった、電球が切れた、エアコンが壊れた、衣類乾燥機が壊れた。
あらゆることを自ら、あるいは業者さんを招いて解決しています。
1万円を超える費用が必要な場合は、財団本部に稟議書も書いて予算を得ます。
普通、これはパート職員は任せてもらっていませんが、私はやらせてもらって
います。
最近は本部から信頼を得たのか、すぐに承認されます。
さて、そんな中頼まれるのが“Web面会”です。
コロナ渦、面会者と利用者が直接顔を会わせるリスクを避け、タブレット端末
を使って面会するのです。
多い時は1日に6組の面会を取り次いだこともありますが、今では面会者が
ワクチン接種をちゃんとしている場合は直接面会となり、頻度は下がってきました。
それより2週間前に予約できるのですが、それをきちんと繰り返す利用者
家族の多いこと。
中には病気で発語ができなくなった利用者に会いに来る面会者さんもいます。
ほとんどまばたきで返事をするしかないような利用者に、熱心に話しかけます。
先日、いつもは元気に応える面白いおじいさんが、その日に限ってとても眠い
ようで、家族の問いかけにも応えずまぶたが下がってきます。
せっかく出向いてきてくれた娘さん、私はタブレット画面に映らないところで
おじさんの体をゆすり起こそうとします。
途切れ途切れで応えようとするのですが、それを察した娘さんは、「もう眠らせて
やってください」と画面の外の私に言ってくれます。
そのやりとりを聞いていて、私は目が潤んできました。
「私は同じ境遇の母親にそこまでのことをしてやっていない」と我が身を省みた
のです。
今回の年末年始にはその母親に会いに行きます。何か土産を持って。
∞
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