mixiユーザー(id:7828375)

2022年11月27日15:42

23 view

ハドソン伝説を4まで読んだ

 「ハドソン伝説」とは、岩崎啓眞さんの書いた同人誌のシリーズである。伝説とはいいながら、ほとんどハドソンの社史的な……

「ハドソンに関するゲームソフトのうち」
「なにを」
「いつ」
「だれが」
「どうやって作ったか」

を網羅しまとめている他、「やったこと」の理解を深めるための前提知識であるモニターの仕組みやら、スプライトとバックグラウンドというものの仕組みやら開発機材の話まで丁寧に書いてある。

 1(本自体は「ハドソン伝説ファミコン編」とあるが、次が「ハドソン伝説2ファミコン編追加エピソード」となっているのでここでは1ということにする)の冒頭、ブラウン管モニターやスキャンラインなどの話を読んだあたりで積んだまま、気が付けば4まで出ていたのでそれを全部読みました。

・ハドソン伝説 ファミコン編
・ハドソン伝説2 ファミコン編追加エピソード
・ハドソン伝説3 PCエンジン誕生編
・ハドソン伝説4 CD-ROMの夜明け

ってことですね。

 私個人としてプログラムに関わり始めたのはPC/AT互換機ってやつで、最低レベルの解像度の画面モード(320x200くらい)でも使えるメモリが1MBもある状態で、ペーペーが適当にゲームを作るうえで苦労することは無かった。そもそもプログラマーが巨大な一枚絵を多用するようなゲームを作ろうとはまず考えない。そんなゲームを作ろうと思ったら、絵を描ける別の人の力が必要になってしまうからだ。チマチマとドット絵を作る範囲なら、1MBもあったら一人でゲームを製作するには十分な容量なのだ。

で、そんなPC/AT互換機では基本的にグラフィックは全面書き換えをするのが普通だった。ここで「動くキャラの周りだけを書き換える」なんてことをしようと思ったら……

・動くキャラのリストアップ
・動くキャラと関わる背景のリストアップ

っていう手間があり、このリストアップにかかる時間の方がかかるんじゃないか? と思っていたし、実際そうだと思う。どう考えてもめんどくせーのはわかりきっていた上に、背景を作ってスクロールさせるようなゲームを作るめどもまだないペーペーなんで、背景は真っ黒ベタに星を流す程度のもんなので、やっぱりそんなことしないほうが速いはずなのだ。

そして今回本の中でBG(バックグラウンド、背景のこと)とスプライト(PCエンジンでは7UPだが動くキャラクターのこと)の仕組みを知った。スプライトって言葉はよく聞いてはいたものの、具体的にはよくわかっていなかったものがようやくわかったし、私が抱いていた疑問「更新するとこだけ絵を描きかえるって逆に大変じゃないか?」という疑問がとけた。ハード側でそこらへんのことはやってくれるからなんやな。

 さらにゲーム……特にファミコンにおいて、キャラクターが多数……確か5キャラくらい並ぶとチラつくことの意味となぜそうなるか、そうしたかっていうことがわかったのも楽しかった。

私は長らく「チラついてしまうもの」なんだと思ってた。でも違った。「チラつかせていた」のだ。なぜならチラつかせない場合、5キャラ目以降は完全に表示されなくなってしまうから。なので、「消えてしまう5キャラ目以降」をローテーションで2〜4番目のキャラに切り替える事で、「チラついてるけど一応ちゃんといるよ!」っていう状態にしてあるんだそうだ。ちなみに1〜4番目のキャラじゃないのは1番目は大体自機なので、自機がチラつくのだけはまずいってことで避けているわけだ。

そういえば、たま〜〜〜〜に。何のゲームかはちょっと思い出せないけど、チラつかずに完全に消えたままのゲームがあったことを思い出した。そーいうゲームはこーいう工夫をせずにしていたゲームだったわけなんだな。


 基本的に私の目的といえば天外魔境IIに関する記述なので、このまま順当に刊行されていけば、ハドソン伝説5か6あたりになると思うので、まぁ楽しみである。じゃあそもそもなんで1〜4も買ったのか? っていったら、まぁなんやかんや私はファミコン黎明期のゲームはよく遊んでたし、そうなればファミコン初のサードパーティーであるところのハドソンのゲームもよく遊んでいたのは当然なのであり、その製作裏話なんて面白いに決まっているのである。

 ゲームのスタッフロール否定派っていう派閥があったというのも笑ったし、本当かどうかわからんけど坂本龍一が天外1の音楽やったギャラが1億みたいな話があったけど、天外1を普通のRPGに作り替えるために桝田さんが頼まれて、断るために1億ふっかけたら通っちゃったっていう話のほうがすごいと思った。いや、そういえば天外1の坂本龍一の話はまったく無かったなぁ。このギャラが1億だったみたいな噂はマジなんだろうか。

このころは天外2でも「(金は)いくらかかってもいいけど納期だけは守ってくれ」って言われてたってあたりからも、ずいぶん金あったんだなぁという時代だね。まぁその納期は守られなかったわけですが……。

 この手の「断るためにふっかけたのに通っちゃった」っていうのはシャーロックホームズとかそうらしいよね。コナン・ドイル自体は大河小説みたいなの書きたいんだけど、小銭稼ぎに書いた子供向けのホームズがバカ売れして、出版社がとにかくホームズ書いてくれってしつこくて、ありえない金額ふっかけて断ろうとしたのに「わかりました、じゃあそれでおねがいします!」って書く事になるっていう。聞く分には楽しい話だよ。ほかにもあったら知りたいわよ。

 岩崎さんはまた海外の仕事をやるって話なんで、果たしてこんな本を作る暇がそれほどあるのかどうかと心配になるが、頑張っていただきたいものである。

 この本を私のサイトでも紹介したりしたい所だが、同人誌っていうものの扱いがなんだかちょっと怪しいんだよね。「好きな人には伝わってほしいけど、あまり多くの人の目には触れて欲しくない」っていう場合がどうやらあり得るのが同人誌らしくて。この本が果たしてどちらなのかは、私にはわからない。

 巻末に書いてあるURL見てみたらドエロイねえちゃんがドバドバ出てきてびっくり。毎回表紙を描いてもらっているあいざわひろしという方のURLだったようだ。ページそのものはどうやら岩崎さんと同じ仕組みで作ってるようだが。これがワードプレスってやつなのか。


 昔の、当然ハドソンのゲームに興味あるなら楽しい本です。ファミコンしか興味ないならファミコン編だけ買えばええし。同人誌なんで数に限りがありますので購入はお早めに。委託販売してるところではアマゾンカウントで支払いがパッと出来たりするんで簡単に買えますぜ。

委託販売してくれてありがてぇ限りですわ。
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2022年11月>
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930