お宝のパブロ・カザルスの表題の3枚組の洋盤です。
中の解説からもいかにEMIが丁寧にSP盤用テープからリマスター作業を行い、LP化したのか、録音年限を意識させない生々しいチェロの音色からわかります。
解説も丁寧です。
このアルバムは横浜で目覚めたジャズに、毎日のようにレコードを1.2枚買っては、あたかもジャズライブ感覚で聴いてジャズ、演奏の良さを生ライブ共々堪能。
次に富山市に転勤になると、横浜関内のディスクユニオンのような大型レコード店はありません。
変わりに老齢な店主が営む、昔ながらの個人商店のレコード店が一軒。
同じく、富山大学近くに、やはり小さなフュージョンに特化して、ウェザーリポートからジャコパトリアスなどのCDを売る店に入り浸るようになりました。
今と違って、高校生のときには、ドラマーとしても夢中になったロックは、長野市内にあった輸入レコード店のオリバーという店の店主から、特別に新譜のビニールを開けて聴かせてもらったり、いろいろ教えてもらいました。
富山市のときは、すでにジャズもロックもそれぞれレコード1千枚を超えるようになると、めぼしい盤はほとんど持っているようになりました。
そこで、前述の老レコード店主にクラシックレコードを教えてもらいながら、少しづつ買うようになりました。
JBLオールドドライバー375などでは、JAZZの管楽器などには好適も、自分には音が粗く感じたのです。
自分には満足出来るバイオリンやチェロといったクラシックの中心となるメロディ楽器の再生レベルには至らず。
今はなき富山オーディオで、ソナスファベールのミニマ。
https://audio-heritage.jp/SONUSFABER/speaker/minima.html
アコースティックラボのボレロ
https://audio-heritage.jp/ACUSTIK-LAB/speaker/bolero.html
比較試聴を繰り返して、そのころの自分のオーディオに欠けていた、スムースでシルキーな弦楽器を多用するクラシック再生に向いていると候補を絞りました。
ダブルボイスコイルからの豊かな低音の後者を導入して、クラシックの弦楽器を堪能し始めました。
26歳の頃です。
この頃からですね。
日本のオーディオ戦艦大和を好む38センチウーハーの畳1畳スピーカーを有りたがった世界と決別したのは。
冒頭のカザルスのレコードなどは店頭に並ぶような当時普通に売られていたものではなく、これら少なからずのクラシックレコードはそのレコード店の親父さんの個人的所有ソフトをもっぱら分けてもらったものです。
駄作ややっつけ仕事の再発盤はまずないのは、レコードを長年売ってきた親父さんの目利きからでしょう。
ボーナスは支給日に会社まで回収に来たレコード店とオーディオ店へのツケ払いで、部下から「わずか数分でボーナスは消えましたね。」(笑)。
そんなカザルスと富山を思い出しながら、ヤーノシュ・シュタルケルとミーシャマイスキーのいずれも名盤とされるバッハの無伴奏チェロ組曲を当時以上のオーディオ装置と環境で比較鑑賞できる幸せ。
あくまで好みというか、原曲に忠実に聴こえる順にカザルス →シュタルケル →マイスキーに感じます。
マイスキーの演奏テンポは自分には速すぎます。
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