史上七頭目のトリプルティアラ誕生という、
今年もそんな期待のかかる三冠レース最終戦。
やはりこういうレースは盛り上がりますね。
第27回 秋華賞 (G��)
阪神競馬場 芝2,000m ３歳牝 国際 馬齢
実は過去１０年で三冠牝馬は３頭も誕生しています。
ちょうど１０年前のジェンティルドンナから始まり、
三冠牝馬誕生の期待がかかる秋華賞は、このところ
２年おきにやってきているんですね。
４年前のアーモンドアイと、一昨年のデアリングタクト。
アーモンドアイからジェンティルドンナまでは６年ほどの
間隔があるのですけど、ジェンティルドンナの２年前に、
アパパネがトリプルティアラを達成しています。
するとそのアパパネから７年ほど間隔を空けてスティルインラブ。
エリザベス女王杯が牝馬三冠のレースだった時代には、
たった１頭しか誕生しなかった三冠牝馬ですけど、
秋華賞創設以降の２６年のうちに、５頭もの三冠牝馬が
誕生しているんですよね。
強い馬が限られてしまっているというわけではなく、
全体のレベルが揃って上がっていく中で、
とびぬけていく馬も良く現れるという傾向にあります。
今年もライバル馬たちは決して弱くはないのです。
でもその中で、この一頭は抜けた存在になりつつあります。
５枠９番 スターズオンアース
父が二冠馬のドゥラメンテなので、牡馬二冠馬の娘が、
三冠達成に挑戦という、これだけでもなんというのかドラマです。
しかもその父ドゥラメンテが、今年の春急逝してしまったという
エピソードを考えると、なんとしてもこの子に三冠達成してもらいたい。
そんな気持ちになるだろうと思います。
ただ、こういう絶対的に抜けた馬は穴党には不人気のようで、
最終的には２番人気になりそうでしょうかね。
正直なところ、この馬を超える人気馬ができることが不可解。
そんな風に言えるほど、この馬の安定感はずば抜けています。
７戦３勝で２着３回に３着１回と４着以下になったことがありません。
重賞では４戦２勝で２着２回。
重賞については連を外したことがありません。
この信頼度は驚異的ですね。重賞の２勝はもちろんＧ�気任垢掘�
これだけの安定した戦績の馬は、今回のメンバーの中では、
この馬ともう一頭だけ。ただしそのもう一頭というのは、
この秋華賞が初の重賞チャレンジですから、重賞経験もある馬の中で、
となると、この馬の安定感は異常なレベルですし、
前走のオークス(東京Ｇ�機┝�2,400m)の勝ち方は、
凄まじいの一言でした。
心配な面があるとしたら、オークス以来のレースだということ。
それからおそらく阪神競馬場よりも東京競馬場の方が、
得意なのだろうなという点でしょうね。
通常の開催場である京都競馬場でのレースなら、
もっと安心できたのでしょうけど、その引き算の分で、
２番人気ということなのだろうと思います。
父は前述の通り二冠馬のドゥラメンテ。キングマンボ系です。
この偉大な父は、初年度産駒からこれまで、２年連続でＧ�鞠呂�
輩出しており、今年の２歳馬の活躍で、３世代連続で、
重賞馬を輩出という快挙はすでに達成しています。
この天才種牡馬から、いきなり三冠牝馬誕生となると、
そのインパクトはすさまじいでしょうね。
母父のスマートストライクはミスタープロスペクター産駒。
ＪＣダートで優勝したフリートストリートダンサーを
輩出しており、当時のＪＣダートは東京のダートコースなので、
やはり得意なのは東京なのかなということは感じます。
でも、阪神の桜花賞だって制していますしね。
4枠8番 ナミュール
桜花賞では１０着でしたけど。オークスでは３着に食い込み、
なんとか面目躍如。その時のパフォーマンスから、
一番人気に支持されているのだろうと思います。
阪神ではチューリップ賞(阪神Ｇ�供┝�1,600m)を優勝し、
重賞ウィナーになることができた競馬場ですし、
阪神ＪＦでは４着と、桜花賞の１０着が不可解なだけで、
阪神にはあっているはずだという期待感が強いんですね。
今勢いのある横山Jr.が鞍上というところも、人気の理由だと思います。
ただ、この馬についてもオークス以来のレースなので、
間隔はスターズオンアースと同じです。スタートラインとしては、
同じ位置にある馬という感じなので、一番人気とはいえ、
その差は僅差なんですよね。
父はＫＧ＆ＱＥＳの優勝馬のハービンジャー。ＫＧ＆ＱＥＳは
2,400mのレースですけど、この馬自体はダンズィグ系ですので、
長距離向きというよりも、中距離のスピードタイプという印象。
母系はサンデー系ですが、母父はダイワメジャーですので、
やはり中距離向きという感じはします。それでも両系とも
東京に強いという特性がある血統なので、
短い直線をどうさばくかですね。
5枠10番 アートハウス
前走は秋華賞ＴＲのローズＳ(中京Ｇ�供┝�2,000m)で優勝。
まずその時の勝ち方がインパクトの強かったこと。
そして、このレースで２着だった馬は、先週の毎日王冠で、
驚異的な差し脚で優勝し、まだまだその存在感を見せつけた
サリオスの妹にあたるサリエラでした。アートハウスが倒した馬で
比較するのもなんですけど、このサリエラはサリオスの妹ですので、
サロミナという超良血馬を母に持つ名門の血筋、
この秋華賞には出てきていませんが、確実にこのあとエリ女や、
来年のＶマイルでも活躍できるクラスの馬になるはずです。
こんな実力馬をねじ伏せて勝ち上がったアートハウスの実力は本物です。
心配なのは成績が本当に安定しないことですね。
優勝するか掲示板外かのどちらかしかなく、３戦５勝とキャリアでは
勝ち越しているのですけど、２敗はいずれも６着以下。
東京でも阪神でも着外ということがあり、重賞でも準ＯＰでも、
勝ったり負けたりということを繰り返してしまいます。
それも一度買ったら、次は負けを繰り返しているもので、
その繰り返しをしてしまうと、今回は負けの番になってしまいます。
父がＪＣ優勝馬のスクリーンヒーロー。その父はグラスワンダーですので、
シルバーホークを経由するロベルト系です。母父がヴィクトワールピサ。
ネオユニヴァースを経由するサンデー系です。
距離適性では中距離以上が適している血統ですね。
4枠7番 スタニングローズ
オークス２着の馬がここに登場です。
スターズオンアースの0.2秒差ではありますけど、
あの難しいレースで、２着に0.2秒も差をつけるスターズオンアースが
異常なのであって、この馬のタイム2分24秒1は、十分にオークスの
優勝タイムレベルでした。そしてキャリア成績は9戦4勝ですが、
掲示板を外したことがありません。
前走はこれも秋華賞ＴＲの一つ紫苑Ｓ(中山Ｇ�掘┝�2,000m)で優勝。
阪神競馬場とコース特性の似ている中山競馬場での勝ち方が、
またこの馬の強さを象徴しています。
父がキングカメハメハ。母父がクロフネという組み合わせですので、
中距離の強さは十分に期待できます。
三冠達成を阻む存在になり得ますね。
1枠2番 ライラック
春シーズンは振るわなかったのですが、前走の紫苑Sで、
スタニングローズとの激戦を演じた印象が強く残ります。
夏の間に体を作り、ようやく本格化してきたのかなということで、
成長株としての期待がかかります。
フェアリーステークス(中山Ｇ�掘┝�1,600m)で、なんと
スターズオンアースを２着におさえて優勝した馬ですから、
桜花賞の時は予備候補として注目馬にしていた馬でした。
結果は着外で、続くオークスでも着外で…と、
なかなか期待に応えられない面が続いたのですが、
この馬はオルフェーヴル産駒なんですよね。
実力が伴っていないのか、単に扱いにくさが出てしまって
いるのか、その判断がすごく難しい馬です。
なので、前走の紫苑Sでスタニングローズと激戦を
繰り広げるパフォーマンスを見せるので、
一言でいえば、いまだに正体のわからない馬です。
父は先ほどご紹介した通りオルフェーヴル。
ステイゴールドを経由するサンデーサイレンス系ですね。
母父がキングカメハメハですので、まずは基本的に、
サンデー系×キングマンボ系という黄金血統です。
それにオルフェーヴルの器用さが遺伝していると、
阪神の小回りにも強さを見せるだろうと期待できます。
不気味な存在ですね。
紫苑Sでファインルージュの２着だったのが、
8枠15番 サウンドビヴァーチェ という馬。
紫苑Sはレベルが高かったので、ここでの２着は気になるのですが、
その前のオークスでの成績は、競争取り消しのためありません。
覚えていらっしゃるでしょうか…。オークスで放馬してしまった馬です。
空馬で東京競馬場を何周もしてしまいましたものね。
まじめに走れれば強さを見せる馬なので、実績がわからないのは不気味。
あるいは…また放馬したりしないかしら？
このところ準OPなどを連勝して勢いにのるのが、3枠5番 ストーリア
成長株ですけど、やはり実績がまだ伴っていないので、判断は難しい馬。
遅咲きの馬なので、これからの馬という感じもしますが、
秘めた力を感じます。
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