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2022年10月14日07:06

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クルマ0345 「君が速かったんだ」(MERCEDES BENZ W196)

しばらく前、史上最も優れたレーサーは誰か?という話題で盛り上がりました。色々な国のクラシックカー愛好家が属するML(メーリングリスト)での話です。
かなり年配のフランス人が「F1での優勝回数24回、ワールドチャンピオン5回(1951, 54〜57年)のファンジオだろ」

https://images.app.goo.gl/fSPbpQMswbHXVNBn6

と言い放ち、1955年のイギリスGPでのエピソードを披露してくれました。

メルセデスのF1チームに属していたStirling Moss(スターリング・モス)は、18歳年上のチーム・メイトJuan Manuel Fangio(ファン・マニュエル・ファンジオ)を師と仰ぎ、モスが上位にいても、慣習に従ってエースドライバーのファンジオに優勝を譲ることもあったようです。

ところが1955年6月16日に行われたイギリスGPでは、25歳のモスが「追い抜け」のサインを出して減速しても、ファンジオは2番手に留まりモスに優勝させました。モスの地元イギリスでのGPということもあって観衆は大熱狂。
レース後、モスが優勝させてくれたことに謝意を示すとファンジオは「君が速かったんだ」とだけ言ったということです。カッコいい!

さて、モスやファンジオが乗っていたマシンはメルセデス・ベンツW196です(3・4位も。1-2-3-4フィニッシュです)。

https://images.app.goo.gl/fWy5BCtyBuUTnMn46

https://images.app.goo.gl/FPxyfZufpu7bWb1g8

https://images.app.goo.gl/rz2U9EgpPqjR6ozP7

https://images.app.goo.gl/PGQBRe36qdfb2sE7A

シャシーは鋼管を組んだスペースフレームで、フロントにダブル・ウィッシュボーン+トーションバー・スプリング、リヤにスイングアクスル+トーションバー・スプリングのサスペンションが括り付けられていました。車重は680kg。
フロントに搭載されたエンジンは高圧縮比(9.0)の水冷直列8気筒DOHC2496cc(ボア76×ストローク68.8mm)で290馬力/8700rpmを発生。5速ギヤボックスを介してリヤを駆動しました。

https://images.app.goo.gl/oXZ3peb2DciPryA69

1954年第4戦のフランスGP(7月4日)で初登場したW196はファンジオが優勝してデビュー戦を飾り、第6戦のドイツGP・第7戦のスイスGP・第8戦のイタリアGPでも優勝(全てファンジオ)してその圧倒的な強さを見せました。なお、この年ファンジオは全9戦中6勝しています(フランスGPの前にマセラティで2度優勝)。

翌1955年も第1戦のアルゼンチンGP・第4戦のベルギーGP・第5戦のオランダGP・第6戦のイギリスGP(前述)・第7戦(最終)のイタリアGPで優勝(全7戦中5勝)するなど破竹の勢いでした。フアンジオは4勝です(前述の通りモスがイギリスで1勝)。W196敵なし!

2013年6月12日にイギリス・グッドウッドで開催されたクラシックカー・イベントFestival Of Speedのオークションで、1954年第7戦スイスGPでファンジオのドライブで優勝したW196(ゼッケン4)が£19,601,500 (約2億9200万円)という超高額で落札されています。

https://images.app.goo.gl/GcM6ubdVCYBpu6Dv5

なお、W196にはオープン・ホイールのF1用のほかタイヤがボディに覆われたストリーム・ラインのスポーツカー・レース用がありました。

https://images.app.goo.gl/zrGShnyBQLftTsVN7

https://images.app.goo.gl/bp8eyt9vYV75YnrS7

本稿0123「80名以上が犠牲に」で1955年6月11〜12日のル・マン24時間耐久レースでメルセデス・ベンツ300SLRが起こした未曾有の大事故のことを記しましたが、その300SLRはW196のストリーム・ライン版をベースに製作されていました。

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