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2022年10月08日21:40

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゚Д゚) < ラーマーヤナ ラーマ王子伝説 (Ramayana: The Legend of Prince Rama)

■今度はインドが“ロシア離れ”か… 進む孤立にプーチン氏の動向を考察
(Sirabee - 10月08日 18:41)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=202&from=diary&id=7141216

 インド独立後、商売相手として印ソ関係は良好だったし、共産運動の拡大とともにインドのソ連愛は広がるだけ広がってたのにね…。まあ、あくまで「金の切れ目が」って関係だったのかもだけど。武器だって米ソそれぞれから買ってたインドが、米軍との演習を重ねてロシアと離れていくようになると…どうなるんやろな?
 商売と国防と宗教で、インドは中国、パキスタン、ロシアと言う複雑怪奇な利害関係をその都度渡って来たインドが、今後どう動くのかは、わりと重要なのかねえ…一度ゴネると厄介なのは、インドも他の国も同じだけども、さ。映画1つとっても裏事情であーだこーだ騒ぐ国だしぃ。





ラーマーヤナ ラーマ王子伝説 (Ramayana: The Legend of Prince Rama) 1993年 135分
主演 ニキル・カプール & ノエル・ゴディン他
監督 酒匂雄豪(企画&製作&脚本も兼任) & 佐々木皓一 & ラーム・モーハン(脚本も兼任)
"日本がインドと共作した奇跡の最高傑作"
"インドが世界に誇る古代叙事詩が、アニメとなって蘇る!!"

https://www.youtube.com/watch?v=42tDHKICVOM

 その昔、南洋に浮かぶランカー島の羅刹王ラーヴァン(サンスクリット名ラーヴァナ)は、世界を我が手にせんと野望を抱き、世界中に戦乱を振りまいていた。
 しかし同じ頃、北インドで繁栄を極めるコーサラ(英語発音だと"カウシャラ"とも聞こえる)国の王ダシュラト(サンスクリット名ダシュラタ)の下に、ラーヴァナの危機から世界を救うために創造神ヴィシュヌが子供として転生してきた、ラーマ兄弟が生まれていた…。

 ラーマは異母弟ラクシュマン(サンスクリット名ラクシュマナ)と共に、王室顧問ヴァシシュタ仙の命を受け、ヴィシュヴァーミトラ仙に同行してタダカの森に巣食う悪魔(羅刹?)討伐の旅に出発し、その帰り道にミティラー国王女シーターの嫁取り競技に勝利して凱旋する。
 その後しばらくは幸せな日々を送るラーマたちであったが、王妃カイケーイーが過去のダシュラト王の誓約を盾に「息子バラタを王位につけること」「ラーマを14年間追放すること」を願ったために、王都アヨーディヤーに暗雲が立ち込める…。


挿入歌 Shri Raghuvar Ki Vanar Sena

https://www.youtube.com/watch?v=7VXwW_xlK5A


わーい(嬉しい顔) インドを代表するヒンドゥー叙事詩「ラーマーヤナ」を元に、日印合作(ただ、製作当時は色々な情報齟齬による抗議活動を招いてしまい、インド人スタッフを迎えた日本製アニメとして始動する事となった)で9年の歳月をかけて製作された、英語(+挿入歌のみサンスクリット)のアニメーション映画。

 1993年のIFFI(International Film Festival of India = インド国際映画祭)を皮切りに英語版で映画祭上映。後にヒンディー語(インドの連邦公用語。主に北インド圏の言語)版が日印外交関係樹立40周年記念作として一般公開された(ただ、これも抗議運動によって細々と公開されたのみで、後にTV放送されたことによって知名度を高めたそうな)。
 その後、いくつかの映画祭で上映されながら、2001年にアメリカにて新録英語+追加音楽版「Warrior Prince or The Prince of Light: The Legend of Ramayana(ラーマーヤナ伝説 ~勇者あるいは光の王子~)」として発売されている。
 当初は日本での公開も予定されていたものの、様々な事件の影響を受けて長い間公開が見送られていた状態だったが、2018年からの日印双方での再評価を受け、2020年に東京外国語大学のTUFS Cinemaを始め各地で上映。2022年の「躍動するラーマーヤナの世界」にて舞踏劇とともに日本全国で上映されてもいる。
 同じ22年には、日印関係70周年記念作として本作の4Kリマスター版が製作されている。

 日本で製作されたインド叙事詩アニメと言うことで、日本人としてはワクワクで見てるわけですが、わりとキャラクターデザインや脚本構成、人物の描き方などなど、丁寧で「動き」を重視した作りになってるものの、特別「日本製」「日印合作」と言う色合いは見えない、インド側に寄った(配慮した?)作りのアニメーションになっている。
 この頃にして、しっかり挿入歌シーンが何個も作られていて、歌やマントラはしっかりサンスクリット(?)が採用されてる所なんかもインド人の心をくすぐる仕掛けでしょか(いらん深読み)。
 「西遊記」の前例があるにしても、メインキャラとして猿をカッコよく見せなければならないラーマーヤナにあって、キッチリシッカリカッコよく(あるいは可愛く)動かされてる所なんかも、アニメとしての気合の入れよう、日印交流の気合の持ちようが見えてくるよう。猿をカッコよくデザインするのって、わりと大変な気がするのよ。豚とか鷲とか犬とかと違って。カッコよくしすぎると人間と区別しにくくなるだろうし。その辺、インドのハヌマーン仮装とかを参考にしてたりするのか…な? 顎が前に出てるとか、全体的に猫背気味とかは特徴的だけども。

 物語的な脚色も最低限にまとめてるみたいで、前に見た61年のヒンディー語映画「Sampoorna Ramayana(完訳ラーマーヤナ)」とそこまで劇進行は変わらない。
 ヴィシュヴァーミトラとラーマ兄弟の旅、シーターの嫁取り競技、マントラーにそそのかされるカイケーイー…と、インドで何度となく舞台劇や映画で演じられてきた物語そのままに、その舞台ごとの登場人物たちの掛け合いで物語が進行する。せいぜい、猿の国の争いやアヨーディヤー凱旋後のシーターの悲劇が省略されてるくらいで、感心したのは映画後半のランカー島での戦争における主だった羅刹の将軍たちそれぞれの見せ場を、シッカリ描き分けている所。インドラジットをはじめとした羅刹たちそれぞれの活躍シーンを用意し、猿軍団率いるラーマとの戦いの中で矜持を持って破れていく羅刹たちの悲哀を同情的に描いている、その武士道にも似た戦士の心情に注目する映画の美しさたるや…!!

 大群衆の激突や広大な自然の移り変わりなんかを描く必要があるって意味では、映像化不可能と言われた「指輪物語」に近い苦労があることを見越した上でのアニメーション化なんだろうけど、さらにインド側の「ヒンドゥー信者の心情的なツボ」みたいなものを気にしないといけない、と言う点も苦労はいっぱいあったんだろうなあ…とは、見ていて思ってしまう点ではあるか。
 キャラクターデザインは日本のそれと欧米系のそれの折衷的な感じが強いし、女性キャラややられ役の悪魔(あれは羅刹なの…か?)のデザインは、どれも類型的。全体的に線が少なくムッチリしてるのは、古式ゆかしいディズニー的とも言えるし東映的とも言えましょうか。それにしても、ダンダカの森やランカー島の様子などの背景美術は、色々とインド各地の風景を再現しようとしてるように見えて興味深い。
 英語情報を探ってみると、本作のラーマについて「長髪を嫌う戦士のはずが、ラーマだけ特徴的な長髪で描かれるのは、彼は平和を願っている事の表れ」とか出てきたけど、そうか…な…? 描き分け用の特徴じゃないの…?
 そういや、本作でも「Sampoorna Ramayana」と同じく「青い肌のラーマ」は他のキャラより白い「青白い肌のラーマ」として描かれているのは、劇としての定型表現かインド的ポリコレ的配慮なのかいな? お祭り時のラーマ仮装なんかだと、鮮やかな青色に肌を塗りたくるくせにぃ。

 全体的に、ラーマーヤナ劇全体を包含しつつ、その中での芝居は細かく描写しながらも叙事詩を越えて脚色することを避けてる、舞台演劇的な空気を残した映画のように見えてくる。
 そういう点で言えば数あるインドのラーマーヤナ映画と比較するのも面白そうだし、日本アニメで言えば東映長編アニメ「西遊記」あたりと比較してると、なにか発見があるか…も?


挿入歌 Jai Lankeshwar

https://www.youtube.com/watch?v=vyBbSYqCHtw



受賞歴
2000 米 Santa Clarita International Film Festival 最優秀アニメーション賞




・ヒンディー語映画では初となるラーマーヤナ完全映画化作品、1961年公開の「Sampoorna Ramayana(完訳ラーマーヤナ)」はこちら
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1965429405&owner_id=3570727




・Ramayana: The Legend of Prince Rama を一言で斬る!
「この時代でも、倒した敵はすぐ消えるのね…(ゲームか!)」
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