mixiユーザー(id:3570727)

2024年05月25日00:11

15 view

゚Д゚) < タイガー 蘇る伝説のスパイ (Tiger Zinda Hai)

タイガー 蘇る伝説のスパイ (Tiger Zinda Hai) 2017年 162分(161分とも)
主演 サルマーン・カーン & カトリーナ・カイフ
監督/脚本/台本/原案 アリー・アッバス・ザファール
"彼らこそが、平和を造る"

https://www.youtube.com/watch?v=ePO5M5DE01I

 2017年。
 シリアにて、アメリカ人記者が最近活動を活発化させているテロ組織ISCの動向をCIAに報告しようして、ISCに察知され、ネット中継の元で公開処刑されてしまう!!

 数日後のイラクのイクリット。
 朝方に突如始まったテロ組織ISCとイラク軍との戦闘で、ISCリーダー アブー・ウスマーンが重傷を負い、そばにいた看護師たちを乗せたバスを人質に、その勤務先の病院へとテロリスト達が大挙して押し寄せてくる。彼らは、病院に籠城し、事務長を射殺してからインド人とパキスタン人の看護師だけを残し、他の職員を全て追い出すのだった。
 人質になったインド人看護師マリアは、密かに隠し持った携帯からインド大使館に連絡を取り、状況の切迫と救助の要請を乞うのだが…。
 この事件に際し、アメリカは最近のISCの活動を危険視してイクリットへの空爆を計画。大使館を通じて人質の状況を伝えられたインドは、なんとかCIAに空爆計画の撤回を要請するが、CIAは「7日間だけ待つ」と回答するのみ…。

 たった7日間の間に、人質の看護師(インド人25人+パキスタン人15人)を救出すると言う過酷な任務遂行のため、RAW(インド諜報部)のアジット・セノイは死んだと思われていたRAW最高の諜報員タイガーの招集を命じる。
 その頃、8年間も消息を絶っていた当のタイガーは、スイスのインスブルックにてゾヤとの間に息子ジュニアをもうけて幸せな毎日を過ごしていたのだが、セノイの直々の来訪に「すでに計画は立てている」と看護師救出作戦を提示するのだった…!!

 作戦開始のためにイラク入りするタイガーと彼が選抜したメンバーを迎えたRAW職員のカラン・ラーオはしかし、秘密裏にセノイからの連絡を受け取っていた……「いいかカラン、タイガーが計画を自分で動かしたがるのは予想範囲内だ。しかし…奴は8年間もパキスタンのスパイと暮らしていた。…寝返ってないとも限らない。厳重に警戒しろ…」


プロモ映像 Zinda Hai

https://www.youtube.com/watch?v=oMe2I3AkWPQ


わーい(嬉しい顔) 原題は、ヒンディー語(インドの連邦公用語で、主に北インド圏の言語。フィジーの公用語の1つでもある)で「タイガーは生きている」。
 2012年公開のヒンディー語映画「タイガー 伝説のスパイ(Ek Tha Tiger)」の続編登場! その物語は、2014年に実際に起きたISILのインド人看護師拉致事件から着想されたものだそう。

 監督は、前作カビール・カーンに変わって「ならず者たち(Gunday)」「スルターン(Sultan)」を手がけたアリー・アッバス・ザファールに交代(カビール・カーンに続編オファーしたら断固拒否されたらしい)。主演2人は続投して同じ役で登場する。
 公開後、2019年の「WAR ウォー!!(War)」と共にYRF(製作会社ヤシュラジ・フィルムズ)スパイ・ユニバースを構成する1作として組み込まれ、前作をユニバース第1作、本作を第2作と位置付けるようになる。その後「WAR」「PATHAAN/パターン(Pathaan)」を挟んで、タイガー・シリーズとしての3作目「タイガー 裏切りのスパイ(Tiger 3)」がユニバース第5作として2023年に公開されている(日本でも2024年に一般公開)。

 インド公開より1日早くアラブ、ドイツ、クウェートで公開が始まり、インドと同日でオーストラリア、デンマーク、スペイン、フランス、英国、インドネシア、オランダ、ニュージーランド、ポルトガル、スウェーデン、シンガポール、米国でも公開されているよう。
 日本では、2024年に「タイガー 裏切りのスパイ」一般公開に合わせて、BS12にて日本語吹替版で放送。

 前作「タイガー 伝説のスパイ」からよりパワフルに、過酷な状況下でのスパイ合戦を主軸にしたアクション映画大作。
 前作にあったような、洒脱な印パのスパイ達による対立と共闘を受け継ぎながらも、よりシリアス度が上がり、タイガーはじめ登場するスパイ達の強靭度が数段階も跳ね上がっている感じ。ユニバースつながりの第3作「WAR」と共に、イスラーム原理主義テロリスト達を敵役に、専制社会のイラクを舞台にしたハリウッド的な匂いが濃厚な映画であるが、インドのスパイものの常道らしくそのリーダーに同じインド人キャラを配置し、ユニバース第4作「PATHAAN」と同じく「本当の敵は同じインド人」にする事で物語をいやが上にも盛り上げる。

 キャスト的な注目ポイントは、当然前作「タイガー」から続投のサルマーンとカトリーナで、しっかり2人の主演映画としての見せ場を作り上げ、印パの敏腕スパイが国の事情を尻目に共闘してこそ最高の力を発揮する見せ場を何度となく見せてくる。子供に優しく、子役の活躍の場を設けるのもサルマーン映画のキモってやつで、本作でも健在なのが嬉しい。

 続投キャラでいえばその他、RAWチーフ アジット・セノイ役のギリッシュ(・ラグナート)・カルナドも続投し、その腹の底が見えない油断ならないながらも、親のようにタイガーに心を配ろうとする演技が光る。
 そのギリッシュ・カルナドは、1938年英領インドのボンベイ管区マテーラン(現マハーラーシュトラ州コンカン地方ラーイガド県内)生まれ。
 母親はチトラプール・サラスワト・ブラーミン(現カルナータカ州カナラ海岸を起源として広がる、コーンカーニー語を母語とするバラモン集団。18世紀までカースト集団とされるような結束力を持っていなかったが、書記業・商業を中心にした巡回指導者層への発達とともに共同体化していく。カーストグループ内ではバーナプスと自称される。一説に北インドのサラスワト・カーストから分化したカーストとも)出身のボンベイ医療サービスに勤める介護士兼家政婦で、連れ子と共に非公式に再婚(当時まだ、寡婦の再婚は社会的偏見の対象だったため)した後に生まれた4兄弟の3番目に生まれる。
 父親の転勤についてシルシ(現カルナータカ州ベラガヴィ地方のウッタラ・カンナダ県内)に移住後、そこで巡回劇団に熱中。ダーラヴァーダで育った後、数学と統計学の学位を取得し、英国留学してオックスフォードで、哲学、政治学、経済学の修士号を取得。1962〜63年のオックスフォード大学組合会長に選出されてもいたと言う。卒業後、インド帰国してマドラス(現タミル・ナードゥ州都チェンナイ)のオックスフォード大学出版局に勤務するが、執筆活動専念のためすぐ退職。地元のアマチュア劇団で戯曲制作したり、米国シカゴ大学の客員教授としてカンナダ語(南インド カルナータカ州の公用語)文学の英語翻訳、戯曲の英語/カンナダ語翻訳を手がける。
 そんな中、小説家U・R・アナンタムルティの著作を映画化した1970年のカンナダ語映画「Samskara(葬送儀礼)」に主演&台本制作デビューして映画界入り。翌1971年の出演作「Vamsha Vriksha(家系樹)」でB・V・カラートと共に監督デビューを果たし、フィルムフェア・サウスのカンナダ語映画作品賞他多数の映画賞を獲得している。翌1972年には、ドキュメンタリー映画「D.R. Bendre(詩人D・R・ベンドレ)」を手がけ、1974年の「Jadu Ka Shankh」でヒンディー語映画出演デビューもしている。以降、戯曲制作をはじめとした舞台演劇、翻訳業と並行して、映画男優兼監督として、主にヒンディー語とカンナダ語の娯楽映画界・TV界・ドキュメンタリー界で活躍。その業績から、多数の文学賞、映画賞、功労賞を授与されている。
 多文化主義と表現の自由の熱烈な支持者として有名で、1992年のバーブリー・マスジド破壊事件を公然と非難し、RSSやBJPなどの活動にも反対を表明。2012年のタタ文学祭に招待されて登壇した際、V・S・ナイパウル著の「インドのイスラーム教徒への反感」を激しく批難して物議を醸し、2014年度議会選挙や2019年度総選挙でもモディ首相就任やヘイト政治に対して抗議の意を表している。
 2019年、カルナータカ州都ベンガルールにて、長期にわたる多臓器不全の治療中に81歳で物故。本作がヒンディー語映画最後の出演作になり、2019年のカンナダ語映画「Vidura」が遺作となった。

 楽屋落ち的な注目役者として、看護師プールナ役で出演しているアヌプリヤー・ゴーエンカも確認しておきたい。1987年ウッタル・プラデーシュ州カーンプル生まれで、マールワーディ家系(マールワーリー語を母語とするラージャスターンのマールワール地方起源の民族グループ。交易業や投資家としてインド全域に広がっていき、現在は主にメディア業界に多いとか)の両親は衣料品輸出会社経営をやっているそう。
 もともと父親の仕事の手伝いを早い時期から始めて家業の拡大を目論み、法務・財務・マーケティングなど様々な組織運営業を経験していたものの、学生時代から舞台演劇にものめり込み、趣味の範囲で役者活動もしていたんだとか。2007年のヒンディー語TVシリーズ「Orange Juice(オレンジジュース)」でTV女優デビュー。2009年にムンバイに移って大手企業に勤めながらモデル・女優業も引き受けて、広告モデルやCM出演、TV番組司会をしていくようになる。
 当初は衣料事業と俳優業の両立で悩みながらも次第に俳優業の仕事が多くなり、2013年のテルグ語(南インド アーンドラ・プラデーシュ州とテランガーナー州の公用語)映画「Potugadu(英雄)」で映画デビュー。翌14年の「Bobby Jasoos(探偵ボビー)」でヒンディー語映画デビューもしていくようになる。以降、ヒンディー語の映画&TVを中心に活躍中ながら、本作の後、「あなたの名前を呼べたなら(Sir)」「パドマーワト(Padmaavat)」の出演で知名度を上げていき、YRFスパイ・ユニバース第3作「WAR」にも諜報員アディティ役で出演。ユニバース内で続投ではない別人役で登場する役者になっている(…あるいは、本作のプールナさんは世を偲ぶ仮の姿で、実はスパイだった…とかしなくてもいい妄想が捗りますネ!!)。

 前作よりシリアスな内容とはいえ、印パの看護師達が同じ歌で誕生日を祝い、スパイ達がお互いの有名人達のゴシップで盛り上がる場面なんかで、前作と同じような対立する印パの国民が同じ生活文化を共有している姿をコミカルに、時にシリアスに描いていく所なんかは前作から継承されている印パ融和の理想を描く描写でしょか。
 テロリスト達の籠城戦から、即席の印パスパイチームによる決死の救出作戦が展開する様々な駆け引きは、「ダイ・ハード」というより「(構造が逆転した)七人の侍」に近い…か? アメリカがアメリカ人記者殺害の報復として、簡単に多国籍軍による空爆で市民もろともにテロリストを殺そうとする俺様っぷりに、テロリスト共々欧米への不信感をインド人達がぬぐいきれない描写が切ない。それ故に、ゾヤ率いるパキスタン諜報員が颯爽と現れて共闘を申し出てくれるシーンの頼もしさったら、もう…!! パキスタンチームの個性をもうちょっと立たせてくれても良かった気もするけど、敵対国のスパイ達が危機に対して阿吽の呼吸で共闘する姿は、やっぱカッコEEEEEEーーーーーーーー!!!!!!

 それにしても、スイスの狼って追いかけ方が優しくないデスカ!?


ED Swag Se Swagat (歓迎するぜ、誇り高く)

https://www.youtube.com/watch?v=7TRFf7uUfhQ

挿入歌 Tera Noor (神の光よ [なぜ見捨てたのか])

https://www.youtube.com/watch?v=VGNulc5qhDk




受賞歴
2018 Filmfare Awards アクション賞(トム・ストルーターズ)
2018 IIFA (International Indian Film Academy) Awards 撮影賞(マルティン・ラスカウィック)・音響デザイン賞(ディリープ・スブラマニアム & ガネーシュ・ガンガダーラン / YRFスタジオ)


・Tiger Zinda Hai を一言で斬る!
「ハヌマーン万歳! バジュランギ万歳!!(…って楽屋落ち的な引用ではないと思うけど)」
1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2024年05月>
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031