夜が明けて、玄関ドアを開けたら、目の前にあるはずの犬小屋がなくなっていた。
犬小屋に連結されていた我が家を囲むフェンスもなくなっており、唖然としたのを
今でも憶えている。
次に、え、犬はどこ???とそこで初めて気がつき、名前を呼んだけど、
どこからもでてこない。
朝6時ぐらいだったと思うが、雨はまだ横殴り、強風も続いており、
ちょっと外にでただけでびしょびしょになった。
犬小屋はコンクリで打ちつけた大きなフェンスをもつ檻で囲まれていたにも関わらず、
中にいたはずのシェパードは我が家の塀もろともどこかに消えてしまったのである。
しばらく探していたのだが、大雨の降る中、車が家の前に止まり、
そこの家の玄関でうちの犬を保護しているといわれた。
(停電のせい?か、電話も不通だったので直接来てくれたのだった。)
黒い犬がうろうろしていたので、車に轢かれると危ないと思い、
玄関に連れ帰ってくれたそうだが、思ったよりも大きな犬だったので
びっくりしたとのこと。
犬が好きな人にみつけてもらえて本当にラッキーだった!!
その後、連れ帰ってきたものの、犬をキープする犬小屋がなかった。
(その年は、犬小屋を建てても次の台風がきたらまた飛ばされる、と思い、
いろいろ想定しながら犬小屋を再建しようと試みたが、いい案が浮かばず、
犬は、首輪をしたまま外でつないだ状態が長く続いてしまった…。)
台風が通り過ぎた後、この辺り一帯は停電が続き、スーパーもコンビニも
ガソリスタンドもすべて休業状態。
電車も止まっていたので学校も行かせられなかった。
残暑の強いこの時期、エアコンが使えない、冷蔵庫も開けられない、
エコキュートも止まっているのでお風呂にも入れない日が続いた。
熱中症になりたくなくて、とにかく水を飲んでいた。
動けば汗だくになるので、じっとしていた。
我が家、プロパンガスなので、火が使えたのは唯一ラッキーだった。
ただ、連日の停電のせいで、2日程度はなんとかなったが、
冷蔵庫&冷凍庫の中身は最後はすべて捨てるはめになった。
台風は本当に怖い。
当時、千葉市で57.5mを観測したそうだが、このあたりは標高が千葉市より高いし、
それよりももっと強かったのではないだろうか。
雑木林では木がなぎ倒され、大きな枝も道路上にたくさん落ちていた。
電柱も倒れたし、電線も道に覆い被さったりで通ることができなかった。
何よりも田舎なだけに停電が続いたのが悲惨だった。
この地区は忘れられているのではないか、と思ったくらいだ。
ひたすら待つしかなかった。
そういえば、しばらく経ってから自衛隊の人たちが復旧支援に入ってくれたんだ。
ある程度片付いて自衛隊が帰る時に、隣の市の人たちが手を振って送り出す様子を
TVが中継していたことも思い出した。
九州の今の状況も他人事とは思えない。
体調を崩さないように、ライフラインが復旧するまで、どうか頑張ってほしい。
■車が水没し死亡、土砂崩れで不明…台風14号、九州で人的被害相次ぐ
(朝日新聞デジタル - 09月19日 08:02)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=7116383
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