〜刑務所の囚人たちに演技を教えることになった俳優の奮闘を描いたフランス発のヒューマンドラマ。スウェーデンの俳優ヤン・ジョンソンの実体験をもとに、実在の刑務所で撮影を敢行した。売れない俳優エチエンヌは、刑務所の囚人たちを対象とした演技ワークショップの講師を依頼される。サミュエル・ベケットの戯曲「ゴドーを待ちながら」を演目に選んだ彼は、一癖も二癖もある囚人たちに演技を指導していく。エチエンヌの情熱はいつしか囚人たちや刑務所管理者の心を動かし、実現は困難とされていた刑務所外での公演にこぎつける。彼らの舞台は予想以上の好評を呼んで再演を重ねることになり、ついには大劇場パリ・オデオン座から最終公演のオファーが届く〜<映画.comさんより>
フランス語の原題は『Un triomphe』=「華々しい大勝利」
英語の「triumph」と同じですかね。
エチエンヌが演目に『ゴドーを待ちながら』を選んだ理由に、まずウルッ。
囚人たちは、とにかく待つ。待つ。待つ。
朝には夜を待ち、夜には朝を待つ。
刑期終了を待つ。面会を待つ。
だからこそ、リアリティが引き出せるし、囚人たちも、自分たちを投影できる。
「不条理劇って何?」「意味不明ってことだよ」
はい、私もずっとそう思ってました(笑)
劇に出ることになった囚人たちは、個性派揃い。
劇の内容(台詞)と現実がシンクロするところは、やはり面白い。
出演者の一人が監房で大声で台詞の練習としていると、別の監房から、次の台詞が聞こえてくる。
ありがちだけど、でも、結構ウルッときた。
閉じ込められた空間の中でも、心と心のキャッチボールができている。嬉しいよね。
この作品、舞台に上がるまでの練習過程が一番面白かったか気がする。
もっともっと観たかった。
字を読めなかったジョルダンが、3ページもある台詞を覚え、見事にステージで披露する場面は・・・号泣。
※予告編
https://youtu.be/ar6tg16Lz2c
しかし・・・せっかく素晴らしい公演をしても、刑務所に戻れば、待っているのは、屈辱の全身検査。
プレゼントや花をもらっても、つぶされたり、捨てられたり。
そんな出演者たちのストレスも募る中で迎えた大舞台。そのエンディング。
いや、ちょっと、マジ、ビックリでした。
スカッとした気分になれる結末なら良かったんですが、なんとも、消化不良といいますか・・・。
そういう展開にするなら、もっと、しっかり作らないと。
あれだと、そこまでいい流れで繋がっていたのが、一気にプツンって、風船みたいに飛んで行っちゃった感じ。
「傑作!」って、日記を締めたかったのに、「良作」になってしまいました。
でもなあ、途中までは、よかったしなあ・・・オマケの4つ☆
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