一九六八年に日本で放映されたアメリカ制作のアニメに
【大魔王シャザーン】というのがありましてね。
これは、冒険好きな双子の兄妹がはめている指輪を合わせると出てくる、
シャザーンという名の大魔王が活躍するアニメなんですが、
呼び出されるとシャザーンは兄妹に向かって、
「ご主人様、何なりとお申し付けください」と言うんですね。
しかしオリジナルだと、
シャザーンは『私が助けてやろう』という、上から目線的な物言いなんですね。
しかしそれは日本ではウケないだろうという事で、
日本語版では『ご主人様、何なりとお申し付けください』という、
へりくだった物言いに替えられたんですね。
このように英語が訳された場合、
本来の意味とは違った訳があてがわれる事が、しばしばあるようですね。
ディズニーの『白雪姫』に出てくる七人の小人たちが歌っている
『♪ハイホ〜、ハイホ〜、仕事が好き〜』という歌の歌詞も、本来の意味とは違ってるんですね。
本来は『あ〜、仕事が終わったから家に帰ろう』という意味なのに、
日本語版では『仕事が好き』などと訳されて、
すっかり【労働大好きソング】にされてしまってるんですね。
これは子供のうちから
『サービス残業当たり前』みたいなブラック企業社員の予備軍を作り出そうという、
洗脳工作の一環なんでしょうかね?
一万三千人を対象に
『《あと一時間弱で到着する予定です》と相手から言われた場合、
あなたが想定する【一時間弱】はどれくらいの時間ですか?』
というアンケートを取ってみたんですね。
すると七十二・五%の人が【五十分くらい】と答え、
二十六・八%の人が【七十分くらい】と答えたんですね。
普通【○○弱】の本来の意味は、
『○○よりも少し小さい、あるいは少ない、低い』でして、
逆に【〇〇強】は『〇〇よりも少し大きい、あるいは多い、高い』という意味ですよね。
つまり【一時間弱】なら約五十分、
【一時間強】なら約七十分を表していると考えるのが一般的です。
しかし今回のアンケート結果では、約四人に一人が違う意味で
この言葉を使っている事が明らかになったわけですね。
アンケートに寄せられたコメントでは、
『本来の意味は知っているけど、誤解があると困るので、
仕事などでは使わないようにしている』という意見が多くあったんですね。
という事は、正しい意味を知っていながら
【一時間オーバー】の意味で使ってる人が多いという事ですね。
「この仕事、あとどれくらいで終わりそう?」
「そうですね、一時間弱くらいです」
そう言いながら一時間を過ぎても終わらなかったら、もめそうですよね。
「腕時計の中で一番正確なのは佐渡島製の物なんだって」
「どうして?」
「トキを確認できるから」
時間はやはり、大切ですよね。
微笑亭さん太
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