わたしは あるく
わたしのために
わたしは あるく
自分が自分で なくなるまえに
自分が自分で 居られなくなるまえに
あの なつかしい 場所
あの やさしかった ひとびと
両手をひろげて 抱きしめてくれた すべてのものごと
まだ
わたしを 受け入れてくれるだろうか
謝りわすれた 人々は どうしているか
ここは
どこの駅で
これは
なんの停車場で
このてのひらは
なにを 憶えて わすれただろう
あの道は どこだろう
あのほほえみは だれだったろう
あるいて あるいて たちどまり
あるいて あるいて わすれて あるき
ここは どこ
わたしは だれ
たとえ そういう日が来ても
あなただけは 憶えて居たい
だから
あなたは 長生きをして
わたしの 名前を
だれだったかを
おぼえていてね、
わすれないでね、
…でもね、どうしてもつらいなら
わすれて善いよ、
わたしのことぐらい
みちのうえで
みちが わらった
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