きのう
とある用事を済ませた帰り
なにげない道端で
托鉢中の
ひとりの僧に出会った
夏の厳しい陽射しの中に
凛と立つそのひとは
ただそこに たたずんでいるだけで
「あなたの正義は
ひとりよがりでは ありませんか?」
「あなたのオサナサに
ふりまわされているひとのことを
かんがえたことが ありますか?」
「あなたは 足るを知るを
知らないのですか?」
…と、
わたしに 問い掛けているように みえた
愚かでオサナイわたしは
そのひとに
「これからも暑い日が続くことと思います。
心身たいせつに なさってください。
…少ないですが…、」
…と、
515円渡すので
せいいっぱいだった
わたしは 愚かでオサナイ
もし その人が托鉢の格好をしていなかったら
たとえば
街中で うつろな瞳(め)をして
くたびれた人で あったなら
踏み絵のように
まいにちは つづく
わたしは
ひび もがいている
もがきながら
あがきながら
にんげんに なる
わたしのこころは
いつ にんげんに なるのだろう
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