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2022年06月12日23:39

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今こそ「シン・ゴジラ」を

僕も劇場で観てきた「シン・ウルトラマン」だが、大分評判はいいようだ。もっとも女子供ははなから相手にしていないオジサンのための映画なので、おデートや子供連れには決してお勧めできない映画なのだが、そこは余計なお世話なのだろう。

その流れで「シン・ゴジラ」のBlu-rayを購入して、じっくりと再見してみた。で、この映画、実に今の日本の状況に当てはまっているというか、改めて名画であると感じた。この映画の製作当時は、ゴジラが東日本大震災のメタファーとして騒がれていた記憶があるが、むしろロシアのウクライナ侵攻からの劇的な世界の情勢の変化、中国による台湾侵攻が現実味を帯びてきている、まさに今の日本の状況にこそ、観るべき映画であると思うのだ。

初めてこの映画を見た時も思ったのは、ゴジラがまだキモ可愛い第2形態の段階で、機銃掃射で銃弾を叩き込んでおけば、簡単に駆除できたであろうに、閣僚たちの会議の連続で無駄に時間を食い、初期発動の遅れが被害をあっという間に拡大させていった、日本という国の初動の遅れという危機管理の問題点だな。これは武漢熱の発生時の対応にもそのまま当てはまる。

それでも映画では日本のGDPの40%以上を占める首都圏でのゴジラの被害であったから政府もそれなりに早く動いたのであって、これが尖閣や北海道での話であったなら、映画にも描かれている法律の解釈とか省庁の責任のなすりあいとかで、自衛隊の出動はさらに遅れただろう。

それにやっと首相の自衛隊への発砲許可が出るかと思えば、民間人のばーちゃんが一人取り残されているだけで発砲を中止して、みすみすゴジラを取り逃がしてしまう甘さ。日本の離島の一つでも占領されて島民が人質に取られてしまったら、政府が躊躇して自衛隊が手を出せなくなってしまうのも目に見えている。

さらに前回は見過ごしていて今回初めて気がついたのが、先日安倍元首相が発言していた自衛隊の継戦能力のなさ。多摩川河川敷でゴジラに自衛隊が攻撃を加えるのだが、弾の命中の精度とか戦車の走行能力の凄さはあっても、ほんの数分の攻撃で弾切れになってしまう、これではどんなに凄い戦闘機があっても撃つ弾がなくては無用の長物になってしまう。そうでなくても日本の自衛隊は専守防衛というお題目に手足を縛られているのだから、戦闘が始まった時点で自衛隊の戦闘能力が半減していたとしても不思議はない。

いざとなったらアメリカが守ってくれるって言ったって、アメリカは東京だろうが平気で核兵器を使うぞというのも実に現実を見越した設定になっている。ゴジラを中国に置き換えてみれば、いざ中国が、別に北朝鮮でもロシアでもいいが日本に攻撃を仕掛けてきたときのシミュレーションとして実に巧くできているのだ。恐ろしいことに。

映画の中では、日本はスクラップ・アンド・ビルトで立ち直ってきた国なんだ。今回もきっとうまくいくなんて希望の見える台詞でしめてはいたが、いや、その前にどれだけの日本人が死ななきゃならないのって話で。今こそ「シン・ゴジラ」を土曜日のゴールデンタイムに流して、その後に朝まで生討論なんて番組を組んでほしいものだ。まあ、今の日本のマスゴミには望むべくもない話。

それにしても亡くなってしまった名俳優の大杉漣さんと今の首相のキッシーがまた似てるんだよな。嫌な符号にならなければいいんだけど。

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