賢秀ってそんなにヤバいかなぁ。。。

朝ドラ「ちむどんどん」の賢秀が詐欺師にだまされていたことが判明。
家の借金をさらに増やしたばかりか、やけになり暴力沙汰まで起こした賢秀に対して、SNSでは「まじでひどすぎる」「毎日ニーニーにイライラさせられるけど、これはいつまで？」「朝ドラでここまでヤバいやつ見たことない」などと辛辣（しんらつ）なコメントが相次いでいます。

(参考)MANTANWEB「＜ちむどんどん＞視聴者のイライラ頂点　「おちょやん」テルヲを超えた？　ニーニーに「朝ドラでここまでヤバいやつ見たことない」」


個人的には、賢秀ぐらいならいくらでもいるかなぁと思ってしまいます。

「おちょやん」(2020年後期)のテルヲは朝ドラ史上最低の父親だと思いますが、後妻の栗子の性格が悪くてテルヲが千代やヨシヲを追い出す羽目になってしまったということを考えると情状酌量はあると思います。
(但し、年季が明けてから千代を借金のかたに売ろうとしたのは最悪だと思います)

賢秀は確信犯的に問題のある行為を行ったわけではなく、短絡的な性格だったため、酒吞んで暴れてしまったと考えています。
「おかえりモネ」(2021年前期)の新次と同レベルではないでしょうか？


確信犯的に悪質だと思うのは「スカーレット」(2019年後期)の常治(通称・おとーちゃん)がまず思い浮かびます。

前近代的で無教養で「おなごに学問は不要」という思想を振りかざす人物で、学費免除の特待生扱いで高校進学が出来たはずの主人公・喜美子を中卒で働かせた挙句、(重過失だとは思うのですが)大卒初任給の1/6の職場で働かせています。
「ちむどんどん」は極貧家庭にも関わらず、全員高校進学しています。
(学業成績優秀な良子はともかく、工事現場の親方が8歳で石垣島に働きに出されたという設定を考えると、賢秀は中卒でもおかしくないと思いました)

また、一番下の妹・百合子は短大に出て保母さんになりたいという夢があり、喜美子は何とか妹の夢をかなえさせようと自分が学費を出すので百合子を高校に進学させて欲しいと常治に願い出ますが、常治は拒否。それでも百合子は高校進学は出来ますが、常治が無謀な突貫工事で喜美子の離れをつくってしまったために借金を抱えてしまい、百合子は夢を諦めなければいけませんでした。

冷静に見ると、百合子と良子は進路がよく似た設定ですが、「ちむどんどん」の良子は夢をかなえられたにも関わらず、百合子は結果的に常治に夢を潰されてしまいました。
百合子については、良子同様に夢をかなえられてもおかしくないと思うのですが、常治のキャラを使って夢を潰すあたりは脚本家(水橋文美江)の悪質さを感じてしまいます。
(さすがに何らかの伏線があって百合子の夢を潰したのかと思いましたが、それすら見られません。私が「スカーレット」を嫌うのはこういうところです)

また、「エール」(2020年前期)の廿日市ディレクターも確信犯的に悪質な行為を行っている人物。
公式ホームページ(現在では閲覧できないようです)では良質な作品を作ろうとするが上司には弱いという人情派ディレクターだったと思うので、初期設定(林宏司の原案？)ではむしろ良心的なディレクターだと思うのですが、実際の作品では主人公・裕一を苛め抜いていました。

裕一は確かに売れない作曲家でしたが、小山田先生のセリフだと社内で「不良債権」と言いふらしていた形跡がありますし、売れっ子作詞家の曲を(人気歌手ではなく)新人の売り出しに使って失敗した責任を裕一に押し付けて解雇した挙句、契約金一括返済(*1)を通告した非道な人物。
その後も裕一に対して「スパイ」呼ばわり。
常識的な人物なら、売れるまでは我慢するが、売れたら木枯のように同業他社に移籍してしまったように思えます。

パツと思いつくだけでも賢秀以上のキャラは2，3人以上思いついてしまうと感じました。

(追記)
また、「ちむどんどん」では、眞境名商事の社長の息子・眞境名秀樹は賢秀も真っ青の最悪キャラ。
ドラマをよく見ている人ならお分かりだと思いますが、賢秀の序盤のトラブルや暢子が眞境名商事への就職を辞退することになったのも眞境名秀樹が原因。
特に暢子を挑発しておいて、「暴力をふるおうとした」と母親に電話をかけてくるところは人間性最悪と言ってもいいくらいです。

何で眞境名秀樹より賢秀を悪く言うのか、個人的には理解に苦しむと思いました。


(*1)プロ野球選手の契約金と性質が異なり、「エール」では契約金は印税の前払い。つまり、印税が入らなければ返還義務が生じることを考えると、「今までもらった(または契約期間内の)給料を「一括」で返済せよ」という非常識極まりない言動だと考えます。